Pocket Garden ~今日の一冊~

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ワクワクが足りない?異文化をどうぞ

日本人が思い浮かべるインドと言えばこんな感じ?喧騒、不潔、危険......

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今日は、まずは先日参加した素敵な会のレポを、最後にインドに関連した児童文学をご紹介しますね。

 

お友だちにお誘いいただいて、Think EAT LABさん企画・主催の築地で世界のお祝い料理を楽しむ会  第1回 北インドの 「マトンコールマー」という会に先日参加してきました。

 

いやね、築地はちょっと遠いし、これがただのインド料理教室だったら、正直行かなかったかもしれない。ですが!お祝い料理というのは、表メニューに出てくることはほとんどなく、文化が色濃く反映されている。そんな文化や背景のレクチャーもあるという文言に惹かれて、行ってきました。

 

ああ、行けてよかったです。これこれ、私が聞きたかったのはこういうのー!と一人心の中で大興奮してしまいました。講師のアリ三貴子さんは、写真家でもあり、本も出版されています。この本がまたいいんですよねえ(本の感想はまた別途。いっぱい書きたいので笑)。アリ三貴子さんの著書はコチラ↓

 

ムスリムの女たちのインド』(2005年)柴原三貴子著 木犀社

予備知識なく参加したのですが、アリ三貴子さんが滞在していたのは、外国人など見たこともないような人々の暮らすインドの小さな村だったんですね。博物館に展示してあるような伝統的な農具が、現役として普通に使われているような村。小さな村にとにかく昔から惹かれる私、心の中で大歓喜。都会のインドは喧騒の中にあり不衛生だけれど、シンプルな村暮らしはピースフルで土壁で実は清潔。そうそう!と心の中で激しく頷きました。私自身が滞在したことがあるのは、インドではなくお隣ネパールの村でしたが、やはり外国人に初めて会う人々の村だったので、懐かしい思いがブワッとこみあげてきました。

 

シンプルな暮らしといえばね、昔、見たこの本が衝撃的だったんです↓

『地球家族 世界30か国のふつうの暮らし』(1994年)TOTO出版

 

インドやアフリカの村々と日本の違いたるや!こちらの本、家の中のものをすべて家の前に出して写真を撮るというプロジェクトなのですが、もちろん、日本国内だって家庭によって差が激しいし、時代と共に暮らしも移り変わる部分も大きいから、何とも言えない部分もある。けれど、この本に出てくるシンプルな村の暮らしを見たときの衝撃たるや。

 

アリ三貴子さんが滞在していたのも、この本に出てくるようなシンプルな暮らしをしている人々の村で、たくさんの写真も見せていただきました。貧しいともいえる暮らしぶりなのに、なんてホスピタリティにあふれていることか。”生きる”ってこういうことなんだろうなあ、という思いがこみあげてきます。

 

インドでは、カレーという呼び名は使わない、ナンなんてほとんど食べない、バターチキンカレーは余ったタンドールチキンのリメイクが始まり、牛のフンと藁を固めて作った燃料で作る料理は最高!などなどの小ばなしもとっても面白かったです。

が、やっぱり私が一番惹かれたのが村でのお話。みながこうも助け合い、ホスピタリティにあふれているのはどうしてなんだろう?と思っていたら、ムスリムの多い村なんですって。納得!イスラム教の宗教観の中で生きている人たちだったんですね。この夏、新藤悦子さんの新刊記念で代々木の東京ジャーミイ(モスク)に行って以来、ますますイスラム文化というものに惹かれていたので、また目が開かれる思いでした。そのときのレポはコチラ↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

そう、他の文化を知ると、目の前が開けて世界が広がるんですよね。これが、たまらなくワクワクする!

 

今回、特に印象的だったのは、犠牲祭の話です。犠牲祭では、飼っていた山羊を捧げるのだそうですが、これがちゃんと名前をつけてかわいがってる家族同然のような山羊なんだそう。自分の子どもの代わりとして捧げるのが犠牲祭なので、愛着のないヤギを使っても意味がないんですって。そこにあるのは、切実な思いであり、命を感じるきっかけになるそうです。だから、どんなに辛くても、解体の場面も見届けなければいけない。号泣だそうです。うーん、考えさせられるなあ。

 

お食事ももちろん美味しかったのですが、異文化の話を聞けたのが、最高の時間でした。お料理教室の詳しい様子は、Think EAT LABさんのブログをどうぞ↓

www.think-eat.info

世界のお祝い料理の会、次回はスリランカだそう。

 

そんなわけで、インドに思いを寄せ、今回は過去記事からインドに関連した児童文学を2つご紹介しますね。

blog.goo.ne.jp

blog.goo.ne.jp

 

どちらも、一度読んでみていただきたい、素敵な物語です。

ああ、インドに行きたくなってきました。次に行くときは、村に滞在してみたいなあ。

 

声をかけてくれたAさん、企画主催してくださったThink EAT LABさん、素敵な時間をありがとうございました。