Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

謙虚さって、強さだったのか!となった物語

『第八森の子どもたち』(2007年)エルス・ペルフロム作 野坂悦子訳 福音館文庫

毎週月曜日の19時~21時頃に投稿しています♪

 Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら

ひっそりInstagramも気まぐれ更新

 

今日の一冊は、なんでもっと早く読まなかったんだー!?読めて本当によかった(涙)、となったオランダの物語。

 

正直言うと、私は戦争文学が苦手です。読むと苦しくなるから。もう、戦争がダメなのはわかってるから、勘弁して、って気持ちになってしまう。目をそむけるな、と思う人もいるかもしれませんが……私の場合は、むしろ小さい頃から反戦ものを見過ぎ、読み過ぎていっぱいいっぱいになってしまった感じです。

 

そんなわけで、今日の一冊も“とてもいいよ!”という声が聞こえてはいたものの、どうにも気が重く、なかなか手に取れなかったのです。が、“戦争というよりも、子ども時代にフォーカスして描かれていて、とてもいいから”という友人の言葉があったので、ようやく読んでみました。

 

もう、予想以上に大好きでした。ドラ・ド・ヨングの『あらしの前』『あらしのあと』を読んだときと同じような感覚とでもいいましょうか。あるいは、『小さい牛追い』を読んだときのような感覚(こちらは、戦争ものでなくひたすらほのぼのだけれど)。

 

舞台は、第二次世界大戦末期のオランダ。町をドイツ軍に占領されて追い出されたノーチェ親子は、とある田舎の農家にたどりつき、そこに住まわせてもらうことになります。そこでの日常は、戦争の影はあまりなく、平穏にも見えるのですが、次々と助けを求めてくる人たち、脱走兵、森にかくまわれたユダヤ人一家など、田舎の生活にも徐々に戦争の影が忍び寄ってくる。それを11歳のノーチェの目を通して描いた物語。

 

図書館で借りたのですが、これは買おう!と思い直しました。手元に置いておきたいからというのもありますが、買わないと絶版になっちゃうから。そうなってほしくない、こういう物語は手渡されていってほしいって思ったから、置き場がなくなってきている本棚が気になりつつも、買うことにします!

 

戦争時代なので、胸の苦しくなる場面ももちろん出てきます。抵抗運動に参加したため、屋根裏部屋にかくまわれているうえに結核まで患っているテオ。逃げ出す少年兵(切ないです。だって少年なんですよ、まだ)。森の中にかくまわれたユダヤ人一家、裏切って密告する誰か。前線に出ることが決まった前の晩、狂ったようにお酒を飲みまくる兵士と、全く飲まず見守る将校たち(個人的にはこの場面が、何とも言えない気持ちになりました。敵とか味方とかじゃなく、いつだって死なされるのは弱者なんだなって)

 

それでもね、それを上回るような農場での輝いてる日々もあるわけなんです。全体のトーンとしては明るいので、読み進められるのかも。動物も人間も出産のシーンではこんな中でも命が生まれると、静かな感動に包まれます。淡々と描かれた田舎での楽しい生活が、心の深い深いところに響く、そんな物語。

 

この物語で、一番印象的だったのは、やはりノーチェたちを住まわせてくれる農場主の一家。こういう人たちがいることが、もう希望なんだなあ。障害をもった手のかかる子と当たり前のように暮し、結核の抵抗運動者をかくまい、助けを求めにくる人たちがいれば拒まず、森の中のユダヤ人一家をサポートする。

 

バレたら、自分たちの首も危ないようなことを淡々とやってのけるんです、この家族。いわゆるレジスタンスに加わったりすることはなく、表面的には従順を装いながら、自分たちの良心に従って、できる限りの力を尽くすんですね。すごい、すごい。自分が同じ立場にいたらできるだろうかって考え込んでしまう。だって、家族を危険にさらしてまで、よく知らない他人を救おうなんて思える自信は、正直ない。

 

なんだろう、その姿は、誇り高く生きるとか、気高い精神というのともちょっと違うんです。そうじゃなくて、うーん、なんだろう彼らを表す言葉。正義感や倫理観が強いのも、もちろんそうじゃなきゃできないんだろうけれど、ちょっと違うんだよなあ。

 

……ああ、そうか。分かりました。この一家は、ただただ“謙虚”なんだ!神の前で。

人間が万能だなんて思ってない。だから、農家には他と比べればまだ食料もあるから、分け与える(自分たちの分も保証されないかもしれないのに)。神に”生かされてる”と思っているから、保身に走らない。

 

ユダヤ人一家の赤ちゃんの引き取りをめぐって、色々あったときに、彼らは私にとっては意外な言葉をつぶやくんです。それは、“子どもは誰のものでもない”ということ。“子どもはみんなのもの”、だからみんなで育てよう、みたいなのはよく聞くのですが、誰のものでもない、って響きました。ああ、そうだった。子どもは神さまからの“預かりもの”だった。誰かが所有するものじゃない。例え、その誰かが支えるみんなであっても。神の前で謙虚だから、“私が!”ってならないんだなあ。時がくれば執着せずに手放せる。謙虚って、弱いイメージがあるかもしれないけれど、実は勇気のいるすごいことなんじゃないかと今回思わされました。神の前で謙虚な人は、弱いどころか強いのかもしれない。謙虚さって、強さだったのか。私にとって、今回それは発見でした。

 

最後には戦争は終わり、ノーチェたちはまた元のような生活に戻っていくので、ハッピーエンド。なわけなのですが、なんだかなあと複雑な思い。農場での生活が、あまりにも人間らしく過ごせていたから。ノーチェの心は農場にあったから。都会と田舎。田舎を手放しに礼賛するわけじゃないけれど、人間らしい暮しって……と最後に考えさせられました。

 

じんわり胸に迫りくるものがある物語。ああ、この物語に出合えて本当によかった。

とっても素晴らしい物語ですので、戦争もの敬遠せずに、ぜひぜひ!

ほんわか児童文学から自分の偏見に気付かされた話

『橋の下のこどもたち』(2002年)ナタリー・サベッジ=カールソン作 なかがわちひろ訳 ガース=ウィリアムズ画

毎週月曜日の19時~21時頃に投稿しています♪

 Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら

ひっそりInstagramも気まぐれ更新

 

今日の一冊はコチラ。

大草原の小さな家』シリーズ、『しろいうさぎくろいうさぎ』、『おやすみなさいフランシス』シリーズでもおなじみのガース=ウィリアムズの挿絵もよい!

クリスマスが近くなるとこちらを紹介してる方が多くて、読んでみたいなあと。もう年越してるやん、って感じですが読んでみました。

 

うん、THE☆児童文学。小学校中学年向けで、あっという間に読めるのですが、心がじんわりあたたかくなります。ああ、いいなあ。こういうの読むとほっとするなあ。クリスマスから新年にかけての奇跡の物語。と思っていたら、そこに終わらず、”所有とは?”なんてことまで考えさせられ、自分の偏見に気付かされる物語でした。

 

物語の舞台はパリ。主人公のアルマンじいさんは、パリの町が大好き&一人きままが好きな老人で、橋の下に住んでいるんですね。ところが、ある日びっくり。自分の場所に小さな三兄弟がいるではないですか。最初は追い出そうとするアルマンじいさんでしたが、次第に仲良くなって......さあどうなる?という物語。

 

しかし、この子たちの母親が、やっかいなプライドの持ち主なんです。子どもたちを施設に入れたくない、家族離れたくないから、仕方なく橋の下に住もうとしているけれど、こんな生活を軽蔑している。アルマンじいさんに世話になっているのに、感謝どころか早くこんな生活抜け出さねばと焦っている。

 

ああ、でもでも、ちょっとこの母親の気持ちも分かっちゃう。働けるのに働こうとしないアルマンじいさん、決していい大人の見本とはいえないかもしれないもの。自分もそういう人たちに対して、偏見持たずにいられるかと問われると、正直自信がないです。子どもたちほど、曇りのない目では見られない気がする。うちの子たちを物乞いに利用しないで!とか、私も思っちゃいそう......。

 

個人的にとっても興味深かったのはジプシーの人たちのところへ行く場面。あとがきで、なかがわちひろさんも解説してくれているとおり、ジプシーの人たちっていまだ偏見の目で見られがちなんだそうです。それは、人の土地にずかずか入ってきて、モノを取ってしまったりするから。うそつき、泥棒、そういう目で見られる。でもね、それは価値観というか倫理観というか、世界観が違うからなんですね。自分の子どもたちがジプシーの子どもたちと遊んでいる姿を見てショックを受けるお母さん。ジプシーの何が悪いのか?と問われ、少なくとも自分は彼らとは違って正直だと答えたお母さんに対し、アルマンじいさんはこういうのです。

 

しょうじきだとしても、いじわるで、心がせまかったら、いい人間とはいえないな。P.101

 

ドキッとしました。私も倫理観は強いほうなのですが、果たしていい人間かと聞かれると......。アルマンンじいさんは続けて、ジプシーたちのことをこう説明します。

 

「わるぎはないのさ。ぬすんじゃいけないという、おきてを、しらないんだ。ジプシーは金や、たべものを、ありあまるほど、もっているれんちゅうから、もらってくるのが、わるいことだとはおもってないのさ。......中略......みんな神さまの大家族。だから貧しいものは、みんなで助け合って生きていいく。」P.101

 

あとがきにもあったように、大自然と共に生きていた昔はそれでもよかった。でも、貨幣経済中心となった時代では、彼らの行動は理解されない。この土地も、あの土地も誰かのもの。ほしければ、金払え。所有、所有、所有。

 

なんだか、所有の概念持ってるほうが殺伐としてるような。取った、取られたと疑心暗鬼になり、貧富の差が生まれる。倫理観は強くても、果たして自分は自分よりも貧しい人たちに分け与えてる?色々と考え直させられます。

 

そこで、ちょっと話は違うのですが、思い出したのが、満州引き揚げ者でもある父から聞いた話。ロシア人もね、元バイキングだから、ジプシーのように人のものを盗るのは悪いという概念がないんだそう。ところが、彼らは矛盾するように感じるかもしれないけれど、信仰は厚い。だから、他の宗教でも信仰の厚い人のことは、意外にもリスペクトするそう。

 

こうして、ロシア人にも助けられて、300人もの戦災孤児たちを満州から引き揚げてきたのが、臨済宗妙心寺派管長の河野宗寛老師だそうです。信仰が厚かったから、ロシア人からも尊敬された。ロシア人とひとくくりにして見がちな自分に気付いて恥じ入りました。私の祖父も、ずいぶん満州の地でロシア人の人たちによくしてもらったそうです。まだまだ知らない素晴らしい人たちがいるなあ。

 

すごいなあ、児童文学って。小学校中学年でも分かる、ほんわか優しい気持ちになれる物語なのに、色々と考えさせられるし、自分の中の偏見に気付かされる。これだから、児童文学を読むのはやめられないんです。よかったら。

ただただ楽しい気分になりたいときに

『かかしと召し使い』(2006年)フィリップ・プルマン作 金原瑞人訳 理論社

 

毎週月曜日の19時頃投稿しています♪

 Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら

ひっそりInstagramも気まぐれ更新

 

年末頃、私はちょっと疲れていました。行事続きのうえ、暗い・重い・呆れるニュースを立て続けに目にしてしまい、どよーん。ともすると、未来への希望が感じられなくなって、この国どうなっちゃうんだろう、子どもたちの未来は、って暗い気分に陥っていました(ずっとじゃないけど)。

 

こういう気分のときに、何か児童文学を読もうと思っても、重たい文学はなんか読みたくなかったんです。ただただ楽しい、気分を明るくしてくれる、そういうのが読みたいなー、って図書館の書棚を見てまわっていました。そうしたら、目に飛び込んできたのが今日の一冊。本って不思議で、大体中身見なくても、自分の望むような内容のものが“ここだよ!”って呼びかけてくれるんですよね、あちらから。あとがきを読んでみると、明るい気分になりたい、気持ちを軽くしたかった私にドンピシャの内容かも!とさっそく借りてみました。

 

いやあ、面白かった!そう単純に言える幸せ。

 

分野でいうとナンセンス文学。実は、私ナンセンス文学って苦手なんです。でも、今回初めて救われるといったらおおげさだけど、こういうのいいなあ、って思いました。肩の力がふっと抜けて、気持ちが軽くなった。

 

内容は、かかし卿とその召使になった貧しい少年のドタバタ冒険記。まさに珍道中。そんなことってあるぅ~笑???の連続。このかかしがね、ジェントルマン気取っているけど、相当まぬけで、でも憎めないんです。頭はカブでできているのですが、英語では、カブって頭からっぽっていう意味なんですって。一方、少年は賢い。賢いんですけど、かかしのことをバカにした態度を取らないところがいいんだなあ。バカだと思うことはあるけれど(だって、笑っちゃうくらいハチャメチャで思い込んだら猛突進なんですもん)、でも見下した態度はとらないのは、少年が己の立場をわきまえているから。頭の回転ははやく、素直で必要以上の欲を出さないから幸せになれる。そんなところもね、説教臭くなく、でも実は大切なことを教えてくれたりもする物語なんです。

 

作者はライラの冒険シリーズを書いた人で、この『かかしと召使い』は中学年向け。あとがきで、訳者の金原瑞人さんも、この物語はいわゆる考えさせられる物語じゃないけど、実は深いのかも、とおっしゃってます。うん、なんだろう。色んなことがちっぽけに感じてくるから不思議。

 

重たいの読みたくない。気持ちが軽くなるようなものが読みたい、という方はぜひ!

とっても楽しい物語です。

楽しやロケ地巡り

海街diary すずちゃんの鎌倉さんぽ』(2008年)海街オクトパス著 吉田秋生監修 小学館

今年は例年よりは長いと思いつつも、あっという間に冬休みが終わってしまいましたね。

 

年明けの鎌倉はとっても混むので、あまり出歩かないのですが、今年は県外に住む長男の学年のママ友さんたちを海街diaryロケ地巡りにご案内するということになって、上記ガイドブック片手に出かけてきました。いやあ、楽しかった!

(※こちらのガイドブックに掲載されているお店で、閉店というところもちょこちょこあるので注意)

 

鎌倉を舞台にした『海街diary』は、映画化もされましたが、原作漫画がとおってもいいんです。四姉妹のそれぞれの成長がね、じーんと来る。個人的には普段通っている景色が描かれてるのもなんだか嬉しくて、逐一反応してしまう(笑)。中学生の漫画好き息子によると、”面白いとは思うけど、え?そこまでいい???”という感想。うん、そこまでいいよー。大人が読んだほうが響くかもしれない。

 

しかし、とにかく混んでる鎌倉。当初は、夕日スポットでもある稲村ガ崎海の公園をゴールにしようとしていましたが、逆ルートに変更。海の公園からスタート。ざっくりルートは、

 

稲村ガ崎→極楽寺成就院→力餅屋→御霊神社→佐助稲荷→銭新井弁天→鶴岡八幡宮(英国アンティーク美術館は残念、閉館時間あたりで到着)。

 

江ノ電には乗らず、なるべく路地を通って、人混みを避けてひたすら歩きました。路地歩きって、なんだかワクワクするんですよねえ。観光客はまず通らないであろう路地を、いっぱい通ってきました。ゴールを鎌倉駅周辺にするのオススメです。

 

御霊神社は、三男の七五三もしていただいた大好きなこじんまりとした神社なのですが、近所の方?神社関係の方?が出てきて、獅子の像の赤ちゃん獅子の説明や、建物の説明など詳しくしていただいて、そのおじさまと臭い臭い(笑)銀杏囲んで話したり。そんな出会いもまた嬉しい。

 

そして、ハイライトは海街関係ないやん、って感じですが、絵本屋Dearさんです!

jidobungaku.hatenablog.com

 

高校生の息子のママ友たちとは、普段絵本の話なんてしないから、Dearさんに寄ってびっくり。絵本の話に花が咲く咲く。絵本って、みなさん子どもとの思い出がたくさんなんですよね。どの絵本が好きかで、意気投合し、もう大興奮でした(笑)。

 

そんな素敵な絵本屋Dearさんで、私が今年に入ってはじめておうちに連れ帰ったのがコチラです↓

『世界の児童文学をめぐる旅』(2020年)池田正孝著 エクスナレッジ

これも一種のロケ地巡り本!?

著者の池田先生は児童文学愛が深いから、てっきり児童文学の教授かと思い込んでたんですよね。そしたら、専門は中小企業論ですって。岩波少年文庫の新装版サトクリフのカバー写真も池田正孝さんによるものです。

 

もうね、読んでいてちょっと感慨深くなります。池田正孝さんの児童文学愛と熱量に。偶然の出会いから『トムは真夜中の庭で』の舞台となった建物に入ることができ、著者のフィリッパ・ピアスさんにまで出会えたところなんて、私まで泣きそうになりましたもん。大好きな児童文学ばかり入っているのが嬉しいのですが、中でも『妖精ディックのたたかい』が入ってたのは嬉しかったなあ。

 

さあ、今年もたくさん本を読んでいきたいと思います。

そのためにも、まずはデジタルデトックスせねば~(苦笑)。

 

今年もまた、時々ブログをのぞきに来てくださったら嬉しいです。みなさまにとって、今年も良き本、人との出会いがたくさんある一年となりますように。

やっぱり種まきが大事なんだ!

よく分からないけど、縁起がよさそうな写真を掲載してみます笑

みなさま、素敵なクリスマスでしたか?

 

我が家は、普段子どもたちにモノをほぼ買ってあげないため、クリスマスにはどかんとプレゼントが来るので、サンタさんは大変そうです(笑)。

そんなプレゼントの中でも、毎年必ずあるのが子どもたち希望の高級チョコレート(チョコレートは毎年夫に任せてたけど、チョコだけで1万円越えでビビりました)と親がプレゼントしたい本。本に関しては、

 

“サンタさんからもらって、一番嬉しくないのは本。本はいらない”

 

そんな悲しいコメントも子どもたちからもらっていたし、あげたものも読まれないことのほうがほとんどでした。が、めげずにあげてました。そしたらですね、今年嬉しいことが。長男次男にはもうサンタさんは来ていなくて、親サンタからということになっているのですが、長男からプレゼント何でもいいけど、本だけはほしい、と。次男からも、

 

“今年ももちろん本あるよね?”

 

って聞かれたんです。ビックリ。え、あなた本は嬉しくないんじゃなかったの?と聞いたら、

 

“なんていうか、もう習慣になってるっていうか、毎年本がこないと落ち着かない。実は結構嬉しい。読めてないけど”

 

って。嬉しいのは、こっちよ~!!!!叫びたくなる私。やっぱり、種まきしないと、芽は出ないんだなー。枯れちゃう種もあるけど、蒔くのが大事なんだなー。

 

というわけで、今年我が家の三兄弟に届いた本をご紹介します。まずは、高2長男から

 

『旅する木』星野道夫著 文春文庫

深夜特急』みたいな旅系の本で、とリクエストがあったのでコチラをセレクト。星野道夫さんは、私大好きで、何度も何度も読んでいたのですが、実は『旅する木』はいつも借りていて、持ってはいなかったのです。昨年は、大竹英洋さんも読んで気に入ってくれたので、星野道夫さんには出会ってほしかった。気に入ってくれるといいな。

 

 

お次は中2次男。実は、次男にあげる本と三男にあげる本、どっちをどちらにあげるかで、かなり迷いました。が、美しい絵が好きでエンデの面白さもそれなりに分かる次男にこちらを。

ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス』(2022年)ミヒャエル・エンデ著 ヴィーラント・フロイント著 木本栄訳 junaidaイラスト 小学館 

エンデの未完の作品を、エンデファンでもあった、フロイントが加筆して仕上げた作品。何を隠そう(いや、隠してない)私自身が読みたかったので、例え次男に読まれなくてもいいや、って(笑)。junaidaさんのイラストがよい!

 

 

そして、小4三男には、とにかく挿絵が美しい冒険書が届きました。

『未知なる冒険の書 自然に遊び、地球に学ぶ336の知恵』(2022年)名もなき冒険家著 テディ・キーン編集 葉山亜由美訳 トゥーヴァージンズ

いままで、いろんな冒険図鑑的なのを見てきて、おうちに連れ帰りましたがこれはワクワクする一冊!実践的サバイバル書でもあるのに、夢もある。ちょうど、最近三男が家の前の山に秘密基地を作り始めていたので、まさにナイスタイミング。これから、私もじっくり読もうと思います。

 

あ、番外編!?

夫サンタから、なんと私も今年は本が届きました。私が学生時代ニュージランドに留学してたからか、こちらが届きました↓

ニュージーランドの大らかで自然に寄りそう暮らし365日 何気ない日々の中で紡いでいく穏やかで豊かな時間』(2022年)草野亜希子著 自由国民社

この365日シリーズは、フランス、イギリス、ハワイなどもあって、どれも素敵。疲れた日などに、パラパラとめくるのによさそう。しかし、まさか夫から本をプレゼントされるとはなー。こちらも種まきしてて、忘れた頃芽が出た感じです(笑)。

それでは、年内はこれにてブログ納めとさせていただきますね。今年も一年間、読んでいただき本当にありがとうございます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

みなさま、どうぞ良いお年を!

ラストシーンがクリスマスの物語7選

クリスマスには奇跡が似合う

いわゆる全編を通してのクリスマスの物語ではないけれど、ラストがクリスマスで終わる物語を集めてみました。

クリスマスが出てくる物語は、たっくさんあるのですが、ラストにあるとやっぱり印象的ですよね。

 

まずは、ちょっと切なさを感じるラストだけれど名作だと思うものを二つご紹介。

 

『時の旅人』(2000年)アリソン・アトリー作 松野正子訳 岩波少年文庫

1939年に出版されたタイムファンタジーの傑作です。もう大好き!

病気療養のため、母方の古い農場にやってきたペネロピ―という少女が16世紀の荘園に迷いこみ、歴史上の大事件に巻き込まれるという物語。

ストーリー設定は、いまでこそあるあるなタイムファンタジーかもしれませんが、教科書では味わえない歴史を体感できるのが魅力。そして、何よりも食べ物が美味しそう(笑)で、ハーブの魅力もたまりません。ラストはね、ちょっとだけ切ないです。でも、こういう過去を都合よく変えられないタイムファンタジーこそ本物だなあ、って個人的には好きです。

 

『ナゲキバト』(2006年)ラリー・バークダル著 片岡しのぶ訳 あすなろ書房

わりと短めの物語なのですが、何回読んでも涙なくしては読めないんです。作者のラリー・バークダル自身の少年時代をもとに書かれたもので、1995年のクリスマスイブに書き終え、この原稿は夫人への贈り物だったとか。自費出版だったのに、口コミで感動が伝わり、多くの人に読まれるようになったそう。もうね、過去記事でも“とにかく読んでみてほしい”と書いていますが、これは細かいことは語らないので、とにかく読んでもらいたい物語。いかに生きるか。希望とは。人生において失敗したことのある人ほど読んでもらいたい。よかったら過去記事も↓

blog.goo.ne.jp

 

 

そして、クリスマスにはやっぱり奇跡が似合いますよね!ハッピーエンド最高!大団円を迎える物語を次はご紹介 ↓

 

『イルカの家』(2004年)ローズマリ・サトクリフ作 乾侑美子訳 評論社

大大大好きです。多幸感に浸りたい方は、どうぞ。

全編を通じて、どのエピソードも甲乙つけがたく好きなのですが、ラストの大団円はもうね、うれし涙。

憧れって人生を豊かにしてくれるな、ってことも思い出させてくれる物語です。過去記事にも詳しく書いてますので、よかったら↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

『ぶきっちょアンナのおくりもの』(1990年)ジーン・リトル作 田崎眞喜子訳 福武書店

ああ、福武書店っていい児童文学いっぱい出してたんですよねえ。絶版なのが本当に惜しいくらいいい物語(図書館で借りて、速攻古書で探しました)。周りに心を閉ざしていた女の子の成長物語なのですが、家族あるあるも書かれていて、ハッとさせられるところ多々ありです。最後のクリスマスのシーンはとても美しくて印象的。過去記事もよかったら↓

 

 matushino.wixsite.com

 

 

 

スアレス一家は、今日もにぎやか』(2019年)メグ・メディナ作 橋本恵訳 あすなろ書房 

大家族ってめんどくさいけど、やっぱりあったかくて大好きで。経済格差、いじめ、認知症などのテーマが盛り込まれていて、テーマだけ見ると重そうなのですが、全体に明るくて軽やかな物語。さまざまなテーマの中でも、個人的にはおじいちゃんの認知症のところが胸に迫りました。大好きなおじいちゃんが変わっていくのが受け入れがたい主人公メルシ11歳。でも、“以前と同じまま”っていうわけにはいかないんですよね。現実を受け入れた主人公が、最後にクリスマスに家族に贈ったものとは?スマホ世代の現代っ子の話なので、今の子たちが読んでも共感しやすいかも。

 

『十一月の扉』(2016年)高楼方子作 福音館書店

タイトル通り11月の物語ですが、ラストはクリスマスなんです。ほんわか、幸せな気分になれますよ。高楼方子さんの物語って、どれも海外の古典児童文学を読み込んで読み込んで自分のものにしてきた人が書く物語だなあ、って感じさせるんです。こちらも、しかり。だからなのか、とってもクリスマスのラストが似合う物語でした!

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

『聖夜 School and Music』(2010年)佐藤多佳子作 文藝春秋

最後にご紹介するのは、ミッションスクールに通う男子高校生の葛藤を描いた、青春小説!私自身も6年間ミッションスクールに通い、楽器は違えど音楽系の部活(ハンドベル部)に所属していたんです。だからというのもあるのか、キリスト教への反発含め、ものすごく感情移入して読んだ物語。言葉で音楽を味わうことのできる物語です!過去記事に詳しく書いているので、よかったら↓

blog.goo.ne.jp

 

それでは、みなさま素敵なクリスマスをお過ごしください♪

 

THE☆クリスマスな本特集

パーティー三昧じゃなくて、静謐なクリスマスが好き

 

クリスマスが近づいてきました。ちょこちょこクリスマス会という名目のランチ会や飲み会も入ってそれはそれで楽しいけれど、やっぱりクリスマスは静かに過ごすのが好き。

 

というわけで、今日はTHE☆クリスマスな本を集めてみました。

 

アイルランド冬物語―晩秋、クリスマス、そして冬の暮らし』(1995年)アリス・テイラー著 高橋豊子訳 新宿書房

まずは、コチラ。

ローラシリーズや田舎暮らしが好きな方ならきっとこれはお好きかと!

派手なストーリー展開があるというわけではなく、50年前のアイルランド南部の牧場暮らしが淡々と描かれているのですが、なんともいえず心温まるんですよねえ。クリスマスを、冬を迎えるのに、それこそ長い長い準備期間、支度があるわけです。ガチョウの羽をむしっておいたり、煙突掃除をしたり。その準備の一つ一つが愛おしい。丁寧な暮らしって、大変なんだろうけど、もうこういう生活がある、あった、というだけでいいなあ、ってしみじみ思います。

 

 

飛ぶ教室』(2014年)エーリヒ・ケストナー作 池内紀訳 新潮文庫

1930年代のドイツの寄宿学校を舞台にした、クリスマスの物語。ケストナーはちょっとクセがあるのと、訳もちょっと読みにくいと思う人もいるとは思うのですが(うちの息子はそう)、私はこの物語大好きでした。少年たちの友情やまっすぐな思いに胸打たれ、クリスマスになると読み返したくなる物語です。岩波少年文庫からも出てるので、お好みで。

 

 

お次は、たくさんの出版社、さまざまな訳、挿絵が出ているこちら。どどーん! ↓

有名すぎると、別にいま自分が読まなくてもいいかなー?なんて思って後回しにしたりすることってありません?私だけ?映画化や舞台化やオマージュされることも多く、なんとなく読んだ気になっていたけれど、読んでみたらやっぱり名作は名作で、グイグイ引き込まれます。ストーリー知っているのに。

やはり一度は読みたい物語で、人が改心する(笑)クリスマスのマジックってやっぱり偉大だなあ、ってほっこりします。これが、かげながら誰かが誰かを思っている“思い”の力、“祈り”の力なんでしょうね。

 

既に読んだことがある方には、講談社英語文庫の英語バージョンもオススメ。TOEIC470点レベルから読めるそうで、親切にも解説付き↓

 

 

いやあ、そりゃ読みたいけれど、この時期はほっっっんと忙しくて。って方は短編はいかがでしょう?短編の名手といえば、ロバート・ウェストール。ウェストールの描くクリスマスの物語はどちらも短いのに、余韻が残る素敵な物語です。過去記事をどうぞ↓

matushino.wixsite.com

 

jidobungaku.hatenablog.com

 

こちらも短編ながら、大大大好きな物語。短くても心の深いところに響きます。過去記事をどうぞ↓

blog.goo.ne.jp

 

クリスマスまであと2週間を切りました。

みなさま素敵な時をお過ごしくださいませ。