
今日の一冊は、岩波書店のSTAMP BOOKSシリーズより。
STAMP BOOKSの装丁っていいですよね。
そうそう、これこれ。これなら若者も手に取りたくなる!
表紙絵とタイトルに惹かれて、手に取った一冊です。
冬に読むのにぴったりでした。
始まりは衝撃的。
吃音に苦しむ主人公マギーは、クラスで発言するのが苦しく、それを避けるためになんと鉛筆を自分の手のひらに刺すんです。
それほどまでに、人前で話すことは苦しい。理解されないことは苦しい。
読んでいて、胸が苦しくなります。
でも、マギーは独り言を言っているときや、動物や生きものたちの前では、不思議とスラスラと言葉が出てくるんですね。これは、吃音の特徴でもあるみたいです。
マギーの母親は理解があるけれど、父親は理解がなく、家庭内でも苦しむマギー。当面の間、マギーはコーンウォールの母方の祖父のところに預けられることになります。
このおじいちゃんのフレッドがいい!
太古の森があるコーンウォールもいい!
そして、その太古の森で、ペットとして扱えなくなり捨てられたユキヒョウのランパスとマギーは出会うのです。
やがて、ランパスを守るために立ち上がるマギー。
ああ、人って心から守りたいものがあると強くなれるんだな。
自分のためじゃなく、誰かのためなら一歩踏み出せるんだな。
その姿には勇気をもらえます。
人間の言葉は通じないけれど、心を通わせることはできる。
森には不思議な力がある。
そうそう、説得力あるなあ、と読んでいたら、『樹木たちの知られざる生活』にインスパイアされてたよう。どうりで。

また、動物を守る点では、今年の10月に91歳で亡くなられたチンパンジーの研究者ジェーングドール氏にも影響されていたようです。とても美しい方でしたよね。
この本の何がいい、って物語を読んで自分でも何かしたい!と思い立ったら、どんな支援団体があるのか、あとがきにURLがリストアップされていることなんです。
鉄は熱いうちに打て
あとで自分で調べてみようと思っても、忘れてしまったり、最初のステップってなかなか踏み出せないんですよね。その背中を押してくれるかのようなあとがきでした。
ただ、一方でこのタイプの物語を手渡すときは注意も必要なのかな、とも思うんです。
というのも環境保護・動物保護のメッセージ性が強すぎるから。
自分が良いと思ったからといって押し付けてしまうと、逆に相手が引いてしまう可能性も。
相手が求めているとき、問題意識を抱いたときを見極めて、こういう物語をさりげなく、すっと差し出せるといいなあ、って思います。勇気をもらえる一冊です。
















