Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

守りたいものがあると強くなれる

『森のユキヒョウ』(2025年)C.C.ハリントン作 中野怜奈訳 岩波書店

今日の一冊は、岩波書店のSTAMP BOOKSシリーズより。
STAMP BOOKSの装丁っていいですよね。

そうそう、これこれ。これなら若者も手に取りたくなる!

 

表紙絵とタイトルに惹かれて、手に取った一冊です。

冬に読むのにぴったりでした。

 

始まりは衝撃的。

吃音に苦しむ主人公マギーは、クラスで発言するのが苦しく、それを避けるためになんと鉛筆を自分の手のひらに刺すんです。

 

それほどまでに、人前で話すことは苦しい。理解されないことは苦しい。

読んでいて、胸が苦しくなります。

 

でも、マギーは独り言を言っているときや、動物や生きものたちの前では、不思議とスラスラと言葉が出てくるんですね。これは、吃音の特徴でもあるみたいです。

 

マギーの母親は理解があるけれど、父親は理解がなく、家庭内でも苦しむマギー。当面の間、マギーはコーンウォールの母方の祖父のところに預けられることになります。

 

このおじいちゃんのフレッドがいい!

太古の森があるコーンウォールもいい!

 

そして、その太古の森で、ペットとして扱えなくなり捨てられたユキヒョウのランパスとマギーは出会うのです。

やがて、ランパスを守るために立ち上がるマギー。

ああ、人って心から守りたいものがあると強くなれるんだな。

自分のためじゃなく、誰かのためなら一歩踏み出せるんだな。

その姿には勇気をもらえます。

 

人間の言葉は通じないけれど、心を通わせることはできる。

森には不思議な力がある。

 

そうそう、説得力あるなあ、と読んでいたら、『樹木たちの知られざる生活』にインスパイアされてたよう。どうりで。

とても興味深い一冊!

 

また、動物を守る点では、今年の10月に91歳で亡くなられたチンパンジーの研究者ジェーングドール氏にも影響されていたようです。とても美しい方でしたよね。

 

この本の何がいい、って物語を読んで自分でも何かしたい!と思い立ったら、どんな支援団体があるのか、あとがきにURLがリストアップされていることなんです。

 

鉄は熱いうちに打て

 

あとで自分で調べてみようと思っても、忘れてしまったり、最初のステップってなかなか踏み出せないんですよね。その背中を押してくれるかのようなあとがきでした。

 

ただ、一方でこのタイプの物語を手渡すときは注意も必要なのかな、とも思うんです。

というのも環境保護・動物保護のメッセージ性が強すぎるから。

自分が良いと思ったからといって押し付けてしまうと、逆に相手が引いてしまう可能性も。

 

相手が求めているとき、問題意識を抱いたときを見極めて、こういう物語をさりげなく、すっと差し出せるといいなあ、って思います。勇気をもらえる一冊です。

 

読み聞かせにもよさそうな長めの物語

「きらくな空の旅行者たち」(1973年)レルム・ヴァルテール作 山口とも子訳 岩波書店 パトリス・アリスプ絵

誰かから手渡されると自分では出合わない物語と出合えるから楽しいですよね。
今回は、図書館の除籍本だったというこちらの2冊を貸していただきました。

1970年代前後の岩波書店の児童文学!この時代に出版された物語が好きなんです。

まずは、こちら

 

フランスの児童文学で、表紙絵からして惹かれます。

扉絵もまたいいんですよねえ。

 

ああ、きっとこれ子どもの頃に出会っていたら、すっごくワクワクしたんだろうなあというようなストーリーでした。いまの気分なのか、大人になりすぎてしまったのか、正直今の私にはちょっとドタバタすぎて物語の世界観に入りこめなかった部分もあるのですが、空を飛ぶのは子どもたちの憧れですよね!

セバスチアンとアガトの二人は、市場で空飛ぶ衣装を手に入れます。それを売っていたおばあさんは実は鳥の王国の女王で、鳥にいたずらする子どもたちを次々とその王国へ誘拐しているんです。でも、行方不明になった鳥の王国の総理大臣エーグル・ロワイヤルを見つけ出したら、みんなを解放してくれるとか。セバスチアンとアガトはエーグル・ロワイヤルを探しに行くというもの。

 

あとがきに書かれていた作者の言葉が印象的でした。

 

あとがきより

……物語作家とは、自分の子どもだった時代へあともどりして書くのでもなく、すでに幾度となく反芻された、子ども時代の思い出だけを材料に使って書くのでもありません。ただ、自分自身の中におりてゆき、そのもっとも深いところで、子ども時代からかれることなく流れつづける地下水から、自分の物語を汲みとるのです。作家は、子どもの夢の原型ともいえるもの、時代や環境に左右されることのない、根源的な、古くまた常に新しい、さまざまな欲求ともいうべきものを、そこにふたたび見出します……P.289-290

 

うんうん!ってうなづきながら読みました。

 

そして、もう一冊はコチラ↓

 

「ワシとハト」(1967年)ジェームズ・クリュス作 大塚勇三訳 岩波書店 寺島竜一絵

小さい頃は挿絵を描いた人の名前なんて意識してませんでしたが、ああこの手の挿絵のものってはずれなく面白いんだよな、ってことが感覚的に分かっていたのを覚えています。大人になって分かる、あれ全部、寺島竜一さんの挿絵だったんだな、って。

 

ストーリーは、『千夜一夜物語』のように、大きな物語の中に、さらに短い物語を詰め込んで構成=枠物語の形をとっています。

 

ワシにつかまりそうになったハトが、狭い穴に逃げ込んだものの、もうすぐ食べられそうになっている、という緊張した場面から物語は始まります。ワシに命乞いをしたところで、同情にはなびきそうもナシ。さあ、どうする!?

後ろからかすかな風を感じたハトは、背後に穴があるのに気付き、ワシに色んな話を次から次へとしている間に穴を大きくしていって逃げ切る、という物語。

賢いハトさん。

ワシは一話終わるごとに、さあ食べようとなるから、ドキドキです。

あと少し、あと少し、がんばれーハト!って。

これはぜひ子どもたちに読み聞かせをしてあげたいお話でした!

...

高崎(群馬)の本屋さん巡り

なんともかわいらしいzine

先日、とある用事があって群馬に行ったので、せっかくなので書店巡りもしてきました!日帰りだったのと、最近いくつも予定を入れると疲れてしまうので、絞って。

 

まず行ってみたのは、本屋ブーケさん。

bookshop-bouquet.com

 

目の前には街路樹。

なんとも気持ちのいい場所で、ああ、ここで本買ってお外のベンチで読みたいな、って。

 

小さな独立系書店さんで、ゆるやかな時間が流れていていました。

静かだけれど、それが居心地のいい静けさで、包み込むような雰囲気。

選書は、ああ、きっとここの店主さん優しい方なんだろうなあ、って感じる本ばかり。

学校帰りに子どもがふらっと立ち寄れるような、そんな素敵な立地でもありました。

 

お次は、私設図書館・山田文庫さんへ。

yamadabunko.or.jp


日本家屋のおうちが落ち着きます。

そして、すごい蔵書数!5万冊だそう。

もともと子どもたちに本好きになってほしい、ということから始められたそうで、漫画もいっぱい。

サービスでコーヒーまでお出しいただいて、ずいぶんとゆっくりさせていただいちゃいました。公共の図書館とはまた違う味わい、ぬくもり。これは、地域の子どもたち喜ぶだろうなあ。

 

夫はせっかくなんだから、もっと周ろうよと主張したけれど、私は結構もうおなかいっぱい。

 

最後は、一番行ってみたかったREBEL BOOKSさんへ。

 

うん、好き好き(笑)!

知的好奇心いっぱいの本棚。ワクワクしちゃう。

敷居の高くない本から、マニアックな本まで、ギュギュっと。

デザイナーのお仕事をされながらの書店経営だそうで、別に仕事もあるからなのかな?
なんだか、“余裕”を感じて、居心地よかったのです。

 

連れ帰ったのは、店主さんがPOPでおすすめしていたコチラ↓

『ちいさな国で』(2020年)ガエル・ファイユ作 加藤かおり訳 早川書房

 

アフリカを舞台にした物語で、高校生が選ぶゴンクール賞受賞作品だそう。

 

ああ、全国に色んな魅力的な本屋さんがあるなあ。

本屋巡り、楽しいです!

積読ですが笑)

 

知ってほしい、この美(う)っつい世界

『奇のくに風土記』(2025年)木内昇著 実業之日本社

今日の一冊は、『銀樹』『天狗ノオト』朝ドラ『らんまん』、自然系の本がお好きだった方なら、きっときっとドンピシャな一冊。表紙の美しさに呼ばれて読んだら、一気にその世界へと引き込まれてしまいました。泉鏡花文学賞受賞作。

 

読み終えた頃には、自分の足元に咲く草花を見つめて、思わず

 

“美(う)っついのう”

 

とつぶやきたくなりますよ。

この世界はいいものだ、と思わせてくれるそれはそれは素晴らしい物語でした!

今年読んだ本の中でベスト5に入るかも。

 

舞台は寛政(江戸時代)。本草博物学者として活躍した実在の人物、畔田翠山(くろだすいざん)の物語です。

 

でも、いわゆる伝記ではないんです。

天狗(てんぎゃん)が出てきたり、亡き父があらわれたり、不思議なことがおこるファンタジーともいえます。ただ、それが奇想天外というのではなく、あまりにも自然で、本当にこういうことがあったのではないかと思ってしまうほどなのです。いや、もはや実際にあったとしか思えない!

 

紀州藩士の息子として生まれた十兵衛(後の畔田翠山)は、幼いころから草花とコミュニケーションがとれる人。いますよね、こういう人。いるというか植物に愛される人は、みなさんこういう方。

 

一方で、これまたあるあるなのですが、人間は苦手。そんな十兵衛をあたたかく見守る師匠。これは、十兵衛の人としての成長物語でもあるんです。

 

植物とコミュニケーションが取れるから、十兵衛がはたして人格者かというと全くそんなことはなく。どちらかというと卑屈なんですよね。師匠の心のこもったアドバイスも、頭では理解できても自分のありかたをとがめられているように受け取ってしまったり……器が小さくて、実に人間くさい。

 

一方で、師匠の桃桐先生や天狗の言葉の深いこと。

言葉だけじゃない。姿勢で示す。

こういう大人になりたい!

もう付箋貼りまくりでした。いつもは大体2ページにおさまる読書ノートも、今回は書き留める言葉がありすぎて6ページに。ああ、これを課題本にして読書会したいなあ。

 

こちらのブログでも、胸打つ言葉の数々をご紹介しようと思ったのですが、ありすぎてもはやまとまらない(笑)。もう読んでください!、と言わせてください。

 

ところで。

最近、まわりでAIに相談する人が増えてきたんです。癒される、って。基本肯定してくれるし、人間と違って意見を押し付けられることもないし、って。

 

反論はしてこない……そういう視点では、案外植物や動物も似てるところがあるかも、なんて思いました。

 

ただね、こういう物語を読むと、人と関わるってめんどうだし、理解し合えないことのほうが多いけれど、“それでも”やっぱり人と人もいいなあ、って思うんです。

人間関係だけじゃダメですよ?それはそれで息苦しい。人間以外の世界もあると知るのは大事。でも、人間以外の世界とだけつながっていても......なんです。

 

どんなに植物が色々おしえてくれても、結局成長の鍵となるのは、人と人が出会うときなんですよね。他者の存在意義をこの物語は教えてくれる。

十兵衛が抱えてる悩みは、現代の私たちにも通ずるものがあるし、大人はもちろん、ぜひ思春期の子たちにも手渡したい一冊。

 

いままで読んできた自然系の本ともつながってきて、自分の中で、”そうなの、そうなのよ!”と興奮する描写も多く、しみじみと読めてよかったと思った物語でした。

 

ぜひ!!!

 

やっぱりハードカバー&文庫作りかえてほしい

英国文学といえばシードケーキ!昨日の読書会用に焼きました♩

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昨日は『床下の小人』シリーズの読書会でした。

やっぱり楽しい!

教訓めいたことなんて、ちっとも書いてないのがいい。

それでも、小人たちの生活を追体験することで、いつの間にか身につく生きる力。

ああ、自分はいろんな物語に育てられてきたんだなあ、としみじみ。

 

そしてね、やっぱりハードカバーの本なんですよねえ。

上の写真のハードカバー見てください。ワクワクしちゃいます。

それが、文庫だとこうなります↓

あれ?同じ絵なのに……ワクワクが半減......

もちろん、文庫には文庫の良さがあります。

それは、電車の中で読む時など持ち運びに便利なこと。

 

寝ながら読む時は、軽いのが何においてもいいこと。途中で眠くなって、本が顔の上に落ちてきて痛い目に何度もあいました(笑)。

 

でもね、こういう物語は、やっぱり物理的な重さや厚みも感じながら読みたいなあ、って改めて思うのです。大事なのは内容でしょ、って思うかもしれないけれど、五感で読書。

児童文学においては、Kindleなんて言語道断ですわ。

 

そして、文庫といえばですね、前々から思ってたんですけど、児童文学特有の文庫版って作り替えてほしいなあ、って切に思うんです。お願いっ。 

 

どう作り変えるかというと、標準のいわゆる文庫本と同じにしてほしいんです。

岩波少年文庫福音館文庫、中高生にも読んでもらいたい素晴らしい物語がそれはそれはたくさん!

でも、現在の特有な文庫の作りだと、元々のファン以外は正直手に取りづらいんです、子どもっぽくて。一般の文庫とサイズを揃えてほしい......。

 

小学校高学年からは背伸びしたいお年頃。

文庫っていうだけで、ちょっと大人の仲間入りした気分になれるんです。

 

それにね、大人も普通の文庫サイズだったら、もっと手軽に児童文学に手が伸びると思うんです。児童文学を読み始めた頃は、図書館で大人なのに借りるのが恥ずかしくて、これ私じゃないんですぅ、子ども用なんですぅ、って顔して借りてましたもん、私。いや、ホントに。

 

ムーミン上橋菜穂子さんのシリーズなどが大人にも多く手に取られるのは、普通の文庫だからだと思います。出版社さん、ぜひご検討ください!もっと多くの人に読まれるために!

 

昔は確かに文庫は子どもにはどうかなあ、と思ったけれど、最近の文庫は文字も昔に比べて大きめだし、行と行の間も広いから小学校高学年から十分読めますよね。昔の角川とか新潮文庫見ると文字が小さくて過ぎて、ギッシリ過ぎてびっくりします。よく読めたなあ、って(笑)。

 

文庫で手軽に読んでみて、ああこれはハードカバーで手元に置いておきたいな、という流れになったらいいな。だって、背表紙見てるだけで力もらえるんですもん。並べてると、幸せな気持ちに包まれます。中身読まなくても。

 

積読万歳!

 

 

わずかな可能性でも信じること

『屋根の上のソフィー』(2025年)キャサリン・ランデル作 佐藤志敦訳 岩波書店

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今日の一冊も、先日に続き、屋根つながりです。

原題はROOF TOPPERS。屋根の上の人たちって、いったい何ぞや!?

屋根の上でチェロを弾いている女の子の表紙絵に惹かれ、手に取った一冊です。

 

逆境を描いてますが、楽しいし軽く読めます。

 

物語の出だしは、え?タイタニック!?

舞台は19世紀末。沈みゆく大型客船から、チェロケースに入れられて海に浮かんでいたところ最後に救助された赤ん坊。同じく船に乗っていた若き学者のチャールズに引き取られ、ソフィーと名付けられます。

 

学者って、どこか永遠の少年少女のようなところがありますよね。そして、奇人変人と紙一重(そりゃそうだ。凡人じゃないから学者になれるわけなんだから)。

 

チャールズもしかり。“子どもから見たら”とても魅力的です。ええ、子どもからであって、大人から見たら顔をしかめる生活なので、当然児童保護協会からは目をつけられます。

 

いやあ、楽しい!

チャールズとソフィーのはちゃめちゃな生活は、まるで『長くつしたのピッピ』とか映画『チキチキバンバン』のようなはちゃめちゃさ、楽しさ。これは、子どもの憧れですわ。現実的に考えると、私も児童保護協会寄りになるんでしょう。だって、不衛生極まりない(笑)。でもでも、これは“お話”だから、純粋に楽しい。こちらの絵本も思い出しました↓

『おさらをあらわなかったおじさん』(1978年)フィリス・クランジフスキー作 バーバラ・クーニー絵 光吉夏弥訳 岩波書店

灰皿や花瓶をお皿替わりになんて、実際に見たらありえないくらい嫌だけれど、子どもの頃はめちゃめちゃワクワクしてこの絵本が大好きでした。

 

とはいえ、チャールズだってさすがに大人なので、ソフィーの行動が理解しがたかったりすることもあるんですね。船で母親がオーケストラの団員としてチェロを弾いていたのを覚えている、母親は生きていると信じているソフィー。さすがにそれは……という言動をされたときも、彼はただソフィーを手伝う。そして、

“人生の可能性を無視してはならない”

と教える。

 

はちゃめちゃに思えるチャールズですが、子育てのお手本にさせてもらいたい姿勢も。例えば、児童保護協会の女性から女の子用と男の用のボタンの位置をキーキー指摘されると、チャールズはこんな風に言い返します。

 

「ボタンのことを知らないのが、そんなにおどろきですか?ボタンが国際情勢で大きな役割を担うことは、ほとんどありませんが」P26

 

ああ、このおおらかさよ。

私自身は、長男のときは、こんなおおらかでいられなかったなあ。次男、三男と続くにつれ、徐々にどうでもよくなってきて、おおらかになりましたが(笑)。

 

さて、そんな二人はいよいよ引き離されそうにな状況になったので、ソフィーの母親を探しにフランスへ逃亡することに。

 

ここからは、また違った意味で面白くなります。つかまらないように身をひそめながらの母親探し。実にスリリング!

 

そしてここで、フランスの地で、屋根の上の子どもたちとの出会いが始まるのです!

きっと、この時代、こんな子たちいたんだろうな。そう思える不思議なリアリティがあります。パリの夜空を駆け抜ける子どもたち。すごく好きな光景だったなあ。

貧しいし、そんな風に思うのは不謹慎かもしれないけれど、そこにはある種の“自由”があって。不便かもしれないけれど、なんだか“息苦しさ”はなかった。

 

チャールズが差し入れしてくれて、屋根の上でご馳走を食べる場面なんかは、小公女セーラのあの場面を思い出しました。こちらは屋根裏部屋どころか屋根の上だけれど(笑)。

たまらなく、美味しそう!!!

 

ただね、大人が読むと、こんなにもチャールズが自分のこと犠牲にして世話して育ててくれているのに、やっぱり母親がいいんだ、血のつながりが大事なんだ、と複雑な気持ちにもなります。ところが、ソフィーが母親を思い出しながら母の絵を描いている場面で、次のように述べられていてハッとしたんです。

 

お母さんはだれにも必要な、空気や水みたいなものだとソフィーは思った。絵にかいたお母さんだって、いないよりはまし。空想のお母さんでも。お母さんは、心を落ち着かせるための場所だ。そこで休んで息を整えるための。P88-89

 

チャールズがかわいそう、って思ったけれど、そっか、空想でもいいんだ、って。

サンタクロースと一緒なんだ。誰しも母親の部屋を自分の心に持っておけば、そこで休んで息が整うんですね。

 

途中やラストは、そう都合よくはいかんだろうと正直思うところも多いです。

あ、『オオカミを森へ』と同じ作者だと知ってちょっと納得。

オオカミを読んだときも似たような感想を持ったから。

 

 matushino.wixsite.com

 

 

今回の物語は、それでも好きでした。

夜空の下の屋根の上の世界の広がりも、体験(疑似だけど)の価値あり!

高所恐怖症の私でも、物語でなら大丈夫でしたから(笑)。ぜひ。

イベントいろいろ

夕方になると酔ったように頬を染める酔芙蓉

今日はイベント色々告知させてください♪

 

まずは、こちら↓

①【大人のための児童文学読書会】

■日時:11月9日(日)16:00-18:00

■参加費:1,800円 英国風お茶菓子付き

 

※読み終えてなくても大丈夫です。お気軽にご参加ください!

 

ジブリで有名になったアリエッティ

でもでも、私の中のアリエッティのイメージはちょっと違ったりして。

心の中に、小人のお友だちがいると、人生を軽やかに生きれるようになるんです。

まだまだ参加者絶賛募集中です!

 

②【読書交流会】

今回は、本を軸に子どもに関わる活動をされてる方たちの交流会を開催します。

森の幼稚園、青空自主保育、学校司書さん、子どもの居場所作りに従事されている方などなど

 

『かずをはぐくむ』や『子どもの体験 学びと格差』などの本を話題に、交流しませんか?他のところではどうしてる?色々聞きあえる貴重な機会です♪

残席わずかなので、ご興味ある方はお急ぎください。

 

■日時:11月16日(日)15:00ー17:00

(16:00から読書会参加者貸切にするので、そのときに読書していただいても)

■参加費:1,800円

 

③【英国産壁紙で作るオリジナル封筒・ブックカバー ワークショップ】

 

昨日も実は行って大好評だったこちら!

なんとハンドメイドの壁紙なんです。1枚1枚刷っているから表面がボコボコしていて愛おしい✨私は毎年手帳カバーとしても使っているのですが、机に置いておいてもインテリア。むしろ片づけたくなくなってしまう素敵な柄ばかりです。うっとり。

 

12/6のほうは、先行でお知らせした人でもう既に埋まってしまったのですが、11/24(月・祝)のほうは募集中です♪

 

■日時:11/24(月・祝)10:00-12:30

■参加費:3,300円 ランチ付き

 

④【現代詩とワインに酔う夕べvol.2】

こちらも前回大好評だったものです。今回のテーマは”いきものたち”。さらに、今回はピアニストの方もお迎えして、詩とピアノで紡ぐ世界をお楽しみください✨

 

こちらも残席わずかです。

ちょっと気になる方は、思い切ってご参加いかがでしょう?

 

■日時:11月30日(日)16:00-18:00

■参加費:2,500円 ワイン(ソフトドリンクあり)とおつまみ付き

 

迷ってる方は、ぜひ思い切って参加してみてください。

そこをきっかけに何かが動き始めるかもしれません。

お待ちしてます。