Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

閉塞感があるときこそ見たいドキュメンタリー

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『くじらの子』(2021年)石川梵作写真&文・宮本麗写真 少年写真新聞社

※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中!

(できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑)

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今日の一冊はコチラ!インドネシアで伝統捕鯨を行っている小さな村を撮った絵本。

個人的には写真絵本ってあまり惹かれなくて。でも、長倉洋海さんの写真絵本のときも思ったけれど、こういうのはホント文化遺産

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『トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ』(2020年)長倉洋海写真・文 福音館書店

こういう暮らしをしている人たちが、同じ時代にまだ生きているということを知るだけで、視野がぱぁーっと開けていく気がするのです。

 

といっても、実はまだ『くじらの子』の絵本の方は見ていなくて(←見てないんかいっ!)、見たのは映画のほうなのですが↓

lastwhaler.com

 

もうもうよかったです!!!

 

“すっごくよかったから、これは観たほうがよいよ!”

 

と興奮気味に夫に伝えたら、

 

“それじゃあ、なにがどうよかったのか全っっく伝わらない。”

 

と言われ、何がどうよかったのか説明せよ、的な会社のようなやりとりがあり、夫にすすめるのは嫌になりました。なので、ここでみなさんにおススメします(笑)。

 

インドネシアのラマレラ村で、400年前から続く伝統捕鯨のようすを記録した迫力あるドキュメンタリー

 

予告編をどうぞ↓

www.youtube.com

 

食べるって、命をいただくってこういうことなんだ!と衝撃を受けます。

知ってたつもりだったけれど、こうやって映像で見ると衝撃度が違う。

普段は、映像よりも文字から想像するほうが好きな私ですが、このドキュメンタリーに関しては、水中の様子や空からドローンでうつすことによって、“地球生命体”というものを感じさせてもらった。その技術に心から、ありがとう、って思った。鯨漁のド迫力は、もう自分も船に乗っているような感覚。(おかげで、あやうく船酔いまでしそうだった笑)。

 

感銘を受けたところはたくさんあったのですが、最初に驚いたのは、え?そんな小さな船で???え?そんな原始的な銛で?というところ。

そんな伝統捕鯨が衝撃的なわけですが、映画見たあとで、興味深い記事を見つけました。もちろん反捕鯨も国際的に盛んなので色々紆余曲折もあり、途中大砲による近代捕鯨も導入されようとして根付かなかった、という経緯もあったようです。(その記事はコチラ↓)

news.yahoo.co.jp

 

命がけの漁。

だから、漁の期間は家族と仲たがいをしてはいけないといいます。船を作るのにも設計図などはなく、釘は打たない。とても神聖なこと。

そこには常に祈りがあり、自然とつながっている人たちがいた。

 

これですよね、いまの私たちに欠けている感覚。

人間も大きな自然の一部だ、ってこと。

自分がいかに狭い世界で生きているのか、ハッとさせられます。

 

子どもたちにも大人も、こういうドキュメンタリーを見てほしい。

そして、命を感じてほしい。

ぜひ。