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今日の一冊は、ずっと気になっていたコチラ!なんせお高い(6,380円)なので、まずは図書館で借りてみました。なかなか面白い切り口で、児童文学好きにはたまらない。
うんうん、小さい頃ありましたよね?
これなんだ?と思いながら読んだ記憶。『長くつ下のピッピ』に出てくる“たき木箱”
とか、しょうが入りクッキーとか。糖みつのキャンディー、あぶりソーセージ、ひまし油、天窓、寄宿舎、ハシバミなどなど。
気になる「もの」は人によって、当たり前だけど違うから、上記にあげたものはこの事典の中では何一つ取り上げられていませんでしたが(笑)。
この事典では、「もの」が以下の8つの項目に分類されています。↓
- 食べ物
- 身につけるもの
- 道具
- 植物
- 生きもの
- 乗り物
- 家の中のもの家の外のもの
ワックワクで目次を拝見。
あ、あれ......?そうそう!って激しく共感しようと思ってたのに、意外にも知ってる物語が少ない(笑)。一気にテンションが下がる私。
と・こ・ろ・が!ですよ。
テンションが下がったところから、パラパラ気になるところから読み始めたら、これが面白い。まだまだ出合っていない物語がこんなにあるんだ!と興奮すらしてくる。シリーズの「時」編、「場所」編も俄然読みたくなってきました。
ところで、川端有子さんが、前書きに書かれていたことで印象的だったこと
わたしたちは奇妙なことに気がついた。「もの」が事細かに描きこまれ、作者の思い入れも深く、印象的なのは、どちらかというと50年くらい前の物語に多いということだ。現代の小説は、刹那の気持ちを捉え、空気を読むのにたけているかもしれない。さらり、と書き流されて、あとに強く残る印象が薄いのが特徴であるような気もする。
これほど「もの」があふれる世の中でありながら、いや、そうであるからこそ、「もの」にこめられた魂は力を失ってきたのだろうか。それならばぜひにも、たくさんの物語の中から、「もの」の力を解き放って、よみがえらせてみたい。「もの」のもつサブテクストを再現してやりたい。そしてその「もの」の魂の力で、こんどはその物語を読んでみたいという読者が現れてくれたなら、わたしたちの思いは遂げられたということになろう。」(P.13)
はい、著者のみなさんの思いは遂げられましたよ(笑)。読んでみたい物語が、確実に増えました!
もう一つ、何がいいってね、事典なので、順番に読まなくてもいいところ。ひとつの「もの」の物語に関して描かれているのはわずか2ページで、写真やイラストも使われています。なので、すき間時間にぱら読みするのにぴったり。料理の最中、朝起きてすぐ、夜寝る前にひとつ読むなどなど。
児童文学の専門家たちによって書かれているので、文章は軽くもなく、堅苦しくもなくその中間くらい。歴史や背景何かも知れるので、知的好奇心が満たされていく感じがいいんですよねえ。
お値段が高いから、図書館でとりあえず借りてみたけれど、手もとに置いておきたくなっちゃいました。シリーズ3冊大人買いするか迷い中。誕生日まで待つかな。
切り口が面白く、すき間時間に堪能できる、素敵なブックガイドでした。