前回、『アーニャはきっと来る』という映画の感想のところで、戦争ものが苦手と書いたのですが、それは無力感に苛まれてしまうから。
そんな戦争もの苦手な私でも、児童文学では読んでよかったあ、と思うものが多いんです。
■児童文学における戦争文学の特徴
児童文学の良書ってね、「戦争ってこんなおそろしいんですよ!だから、戦争は悪いんです!」とあからさまに反戦をうたっていないんです。極限の状況における人間のありかたを描くこと、そういう状況で人間性はどうなるかを描く。そうすることで、白か黒じゃなくて、自分で考えさせるんですよね。それが、児童文学の特徴。
ところが、これが、大人の文学となるとどうもそうでないものが多くなる。より感動的にドラマチックに仕立てるために、憎悪を増幅させたり、善人VS悪人を際立たせたりする。
でも、前回も書きましたが改めて私はこう思うのです。
描きすぎないことで、「なぜ?」を生み出し、読者が自分の中に‟問い“を持つ力を作者は信じているのではないか、と。
さて、そんな戦争ものが苦手な私が、それでも読んでよかった!ぜひ他の人にも読んでもらいたい!と思うものを今日はご紹介。
いや、もっともっとあるんですけどね。戦争時代の物語で、戦争について考えさせられても、そこにフォーカスしてないから、戦争文学っていうカテゴリーに入らないなあってものも多いんです。フォーカスしてないのに、考えさせられるっていうのも逆にすごいけど!
にしても、もっとほかにもあるでしょー、って思うかもしれません。その通り!周りから評判を聞いていて、まだ読めてないものもあります。コルドンのベルリン3部作とか。絞り切れないのですが、今日の5選はこんな感じにしてみました↓
1.『弟の戦争』
2.『走れ、走って逃げろ』
3.『ヒットラーの娘』
4.『ヒットラーのカナリヤ』