Pocket Garden ~今日の一冊~

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あとがきにガツンとやられる

『緑の髪のパオリーノ』(2020年)ジャンニ・ロダーリ著 内田洋子訳 講談社文庫

基本、毎週月曜日の19時~21時頃に投稿しています♪

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今日の一冊は、荒井良二さんのカバー装画に惹かれて選んだ一冊。

朝起きたての眠たいとき、家事の合間、電車で、寝る前になどなど細切れ時間に楽しめる短編集です。

 

正直な感想書きますね。最初読み進めたときの感想は、

 

へっ!?ちょっと待って、ここで終わる!?(唐突すぎるでしょ笑)

あ、これ最後まで読めないかも……

 

でした。そもそも、ナンセンス文学ってものが苦手だったんです。

 

ところがですね、一つ一つのお話が短いものだから、もうちょっと読んでみようかな、あと1話、あと1話と読み進めていったら、気付いたらロダーリワールドにひき込まれていたみたいです。なんだこれ?ってなったり、ふふっ、ってなったりしながら、気付いたらなんだかちょっと心が軽くなったみたい。

 

そして、荒井良二さんのあとがきを読んで、ガツンと殴られたような気分になりました。

 

読むたびに、「あなたの頭は、石みたいに硬いですね?」と言われているようで、そのとおりです!と重い頭をつい垂れてしまう

 

と。えー!あんなに自由な発想の荒井良二さんの頭が石みたいに硬いなら、私の頭は……岩?化石???

 

荒井良二さんにとって、ロダーリの書く物語は、だいじなお守りのようなあめ玉で、いつも心のポケットに忍びこませているそうです。そうしているうちに彼の創作する石頭は少し溶けて、いい感じに柔らかくなるかもしれない、と。

 

色んな「〇〇ねばならない」から解放してくれるのが、こういうナンセンスな物語なのかもしれません。柔らかく軽やかに生きたいな、最近コチコチになってきたな、と思ったら私もロダーリを取り出そう!意味のないもの、むだなものが本当は大事なのかもしれない、世界をやわらかくするのかもしれない、と思う今日この頃です。