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湘南にはシネコヤというレトロで素敵な小さな映画館兼貸本屋さんがあるのですが、先日久々に訪れ、『プリズン・サークル』を見てきました!
今日は映画の紹介ですが、関連したおススメ本も4冊、最後に紹介もしますね。
さて、『プリズン・サークル』
「島根あさひ社会復帰促進センター」という官民共同の新しい刑務所でのドキュメンタリーです。刑務所にカメラが入ったのは初めてなんだとか。そこでは、TC=回復共同体と呼ばれる、受刑者が“罪を犯した自分と向き合う対話形式の”再生プログラムが、日本で初めて取り入れているんです。
もうね、冒頭からこみあげるものが。
ああ、やっぱりね……。受刑者である彼らは加害者である前に被害者だった。それも圧倒的な。
彼らの幼少期の話にも触れられ、それが砂絵のアニメーションで表現されるのですが、もうね……。
未就学児から一人で留守番して、家事を全部ひとりでこなしてきた少年。
そこまでがんばる理由は、そしたら夜帰宅したお母さんに一緒に遊んでもらえると思ったから。でも、現実は、疲れた母は帰宅するなり寝てしまう。
孤独に奮闘している小さな小さな男の子たちの姿が見えて、涙抑えるのに必死でした(ティッシュ忘れたから、おおっぴらに泣けなかった笑)
父親から虐待されて育った人たちも多い。
そんな彼らは、やがて自分も暴力をふるうようになっていきます。そうすると、人をコントロールできてるような気になれたし、自分のほうがひどい目にあってきたのだから、このくらいって思っちゃう、って。暴力の連鎖。
刑務所の中だってね、番号で呼ばれて看守から罵倒されて、震え怯えながら彼らは暮らしているんです。罪人なんだから当たり前?加害者なんだから、そのくらいじゃないと?そう思われても仕方ないくらい、彼らがしたことは許されることではないかもしれません。
でも、TCではじめて、外部からの心理士や一緒に受講してる仲間から名前で呼ばれて、きちんと目を見てもらえた、と彼らが語っているのを聞いて、ちょっとショックでした。人間扱いしてもらえずに、どうして他の人を大切にできよう、って。
他人から“受け入れられる”、そこから、はじめて自分と、自分の罪と向き合うことができるんじゃないでしょうか。
また、もうひとつ私がショックだったのは、受刑者たちの昔の話の中で、彼らがいじめられているとき、クラスメートや先生たちは傍観したり、ときには加担(!)していたというんです。私だったら、どうしてただろう?疑問を抱きつつも、きっと傍観側にいたのではないだろうか、と思ったら、ゾッとしたのです。
自分は関係ない?
自分の周りにそんな人はいない?
そうかもしれない。でも、たとえ身近にいなくても、こういう人たちに無関心であること、それ自体が加担しているんだなあ、って痛感しました。
がんばって出所しても、世間の目にたえられなくて再犯してしまう人たち。
それは、ひとえに偏見を持ってる世間一般の私たちが理解しようとしないから、受け入れ先がないからなんですよね。
刑務所内での彼らは、意外にもとっても礼儀正しく、言葉遣いもきちんとしていました。刑務所で厳しく指導されてるから、当たり前なのでしょうけれど、坊主制服であることもあってか、とても“普通”の人たちに見えたのです。彼らは決して、遠い存在じゃない。
もうもうすべての刑務所に導入されたらよいのに!と思うこのプログラムですが、全国に約40万人の受刑者がいるのに対し、このTCが受けられるのは、なんと!たったの40名なんだそう。
幼少期に愛情を受けることの大切さ
自分の負の感情にもフタをしないこと
自分の感情としっかり向き合うことの大切さ
やっぱり、ここなんだなあ。
自分の感情にフタをしない、向き合うことの大切さを教えてくれるという意味で、児童文学でしたらこちらがおススメです。
(まあ、小室哲哉氏に関しては、のちの報道で事実と違うことが色々出てきたのでアレですが、当時のままブログは残しておきます笑)↓
TCではないですが、先住民族の知恵を取り入れた興味深い更生プログラムを描いたこちらの物語もおススメです↓
刑務所の子たちの真の姿を知るには、涙あふれて止まらないこちらもぜひ!
見える世界が変わってくるので!↓
なぜ、周りが変わらなければならないのかが、よく分かるのはこちら↓
決して、無関係じゃない。
きっと、何か私たちにもできることがあるはず。
まずは、知ろうとするところから!
とてもよい、心揺さぶられるドキュメンタリー映画でした!