Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

夏休みに読みたい本特集

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夏?早くカラっと晴れますように!

 

今日は終業式でした。明日から短い夏休みが始まりますね。

今年は梅雨明けもまだだし、なんとなく夏がまだ来ていない気分なのですが、夏にぜひ読みたい本特集です!

 

一応、小学生から中高生からと分けてはみましたが、区分はあいまいです。小学生からとあっても、もちろん大人までおススメのものです。

 

 

【小学生からおススメしたい夏の一冊】

 

『遠く不思議な夏』

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『遠く不思議な夏』(2011年)斉藤洋作 偕成社 

怪談が苦手な人でもこれなら大丈夫。不思議でちょっと怖いけれど、こういう現象がある世界のほうがホッとするのです。こんな田舎を経験したことがなくても、懐かしい気分になるのは日本人のDNAのなせるわざ?詳細は過去記事をどうぞ↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

『夏の朝』

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『夏の朝』(2014年)本田昌子 福音館書店

美しい日本語が、心に染み入ります。地味かもしれないけれど、素敵なタイムファンタジーで、ちょっと切なくて、美しくて、日本ならではの情緒のある物語です。詳細↓

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『ぼくとテスの秘密の七日間』

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『ぼくとテスの秘密の七日間』(2014年)アンナ・ウォルツ作 野坂悦子訳 フレーベル館

バカンス先での出会った女の子の秘密に手を貸すことになった僕。それは、自分のことを知らない実の父親に娘と名乗らず接触すること。ストーリー展開もテンポよく、本が苦手な子でも読めそうな一冊です。詳細↓

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『風の靴』

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『風の靴』朽木祥作 講談社

本が苦手なうちの子たちも、本好きの子も大人も楽しめた夏の家出物語。友だちも一緒の家出だけれど、なんと子どもだけでヨットで家出するからすごい!楽しい!湘南の夏を感じる一冊です。詳細↓

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『月白青船山』

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『月白青船山』(2019年)朽木祥作 岩波書店

まだブログでは紹介していないのですが、鎌倉を舞台にしたタイムファンタジー。夏休みに大叔父さんの鎌倉の家に預けられた兄弟と、地元の少女のひと夏の物語。謎解きありで鎌倉ならではの物語。

 

『岸辺のヤービ』

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『岸辺のヤービ』(2015年)梨木香歩作 福音館書店

さすが梨木香歩さん、世界観の作り込みがスバラシイ。かつて、海外児童文学に夢中になった大人たちは間違いなくお好きだと思います!“それでも”「世界はなんて美しいんでしょう!」と思わせてくれる一冊です。詳細↓

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ジェリコの夏』

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ジェリコの夏』(2001年)ジョハナ・ハーウィッツ作 千葉茂樹訳 BL出版

個人的にはイチオシがこちら!都会の貧困層の子どもが招待プログラムによって、田舎で過ごすひと夏の物語。ステイ先のお母さんがいい!主人公はユダヤ人の女の子なので宗教が違うのですが、その“違い”をさらっと受け入れる姿が何とも言えず素敵なんです。最後に出ている旧約聖書のケーキレシピは何回作ったことか。詳細↓

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『夏の庭』

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『夏の庭』(1994年)湯本香樹実作 新潮社文庫

自分主宰の読書会では、何回か紹介してたのでブログにも書いていたと思ったら書いていませんでした。とても有名で、色んな方が推薦してますね。名作と言われ過ぎなければ、普通に感動したのかも?とはいえ、老人との交流でしか得られないもの、そこを通じての成長ってあるなあ、と思わされる物語です。そして、それは親ではできないこと。そこに希望を感じます。

ドラマの脚本みたいと思ったら、著者が脚本家だったことを知り納得。

 

『しずかな魔女』

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『しずかな魔女』(2019年)市川朔久子作 岩崎書店

市川朔久子さんの物語はとても優しい。生きづらい現代の世の中を描いているけれど、人間を信じてるなあ、って感じます。「見守る」を学ぶために大人も読みたい一冊。“他人の心は、その人だけのもの。でも、自分の心は自分だけのもの。だから、人を変えようとするのではなく、自分の気持ちを伝えればいい”……シンプルだけれど、とても深いことを教えてくれる物語です。詳細↓

matushino.wixsite.com

 

『夏の丘、石のことば』

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『夏の丘、石のことば』(1996年)ケヴィン・ヘンクス作 多賀京子訳 徳間書店

傷を抱えた子どもたちが、友情を通じて成長していくさまが清々しい!ああ、この感情知ってた、と忘れていた気持ちを思い出させてくれる物語。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

『シャイローがきた夏』

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『シャイローがきた夏』(2014年)フィリス・レイノルズ・ネイラー作 さくまゆみこ訳 あすなろ書房

本が苦手な子でも、大人でも心動かされる物語。犬を救いたい、大事に思う気持ちが切ないほど伝わってきて。犬のしぐさとか感情が手に取るように分かる!すごい!(by 我が家の次男)。さらっと読めるのに心に残る物語。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

『銀の馬車』

挿絵も古めかしい感じで、今の子は自分からは手に取らないだろうなあ。でも、個人的にはとっても好きな物語。田舎で過ごす夏って特別ですよね。地味かもしれないけれど、読んだ後に確かに魔法が残る物語。詳細↓

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ツバメ号とアマゾン号』シリーズ

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ツバメ号とアマゾン号アーサー・ランサム作 神宮輝夫訳 岩波書店

某有名な方が、今の子は読まない!と断言されてましたが、なんのなんの。読みますし、夢中になる子はなります!だって、こんな理想的な夏休みってある!?子どもだけの無人島キャンプ、海賊ごっこ、そして帆船。船用語でつまづくかもしれませんが、読み飛ばせばいいんです。一生もののワクワクが手に入りますよ!シリーズなのでぜひ全巻制覇をば。

 

 

 

【中高生からおススメした夏の一冊】

 

『川の少年』

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『川の少年』(2003年)ティム・ボウラー作 入江真佐子訳 早川書房

小学校高学年からもじゅうぶん読めますが、主人公が15歳なので一応中高生からに入れてみました。幻想的で、美しい物語です。思いは時空を超え、“死”についても考えさせられます。詳細↓

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『小やぎのかんむり』

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『小やぎのかんむり』(2016年)市川朔子作 講談社

親に対して複雑な思いを抱く中3の主人公が、お寺でのサマーキャンプに飛び込み、さまざまな人と出会うことで成長する物語。いやあ、この住職最高なので、ぜひ物語を通じて出会ってほしいです。素敵な大人。詳細↓

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『マイがいた夏』

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『マイがいた夏』マッツ・ヴォール著 菱木晃子訳 徳間書店

思春期男子の繊細さ全開!仲良し同士で同じ女の子を好きになってしまうんですね。あるある?いえいえ、こういう風にしか選択できなかった、ということがよく描かれています。スウェーデンの美しい自然も堪能できます。詳細↓

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サマータイム

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サマータイム』(2003年)佐藤多佳子作 新潮社文庫

ファンタジーではなく、もっと現実が舞台、でも幻想的な感性の世界がお好みなら、佐藤多佳子さんの『サマータイム』(新潮文庫)はいかがでしょう?中学生が主人公で、素敵な短編集です。

 

『たんぽぽのお酒』

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『たんぽぽのお酒』(1997年)レイ・ブラッドベリ作 北山克彦訳 晶文社

“イメージの魔術師”と呼ばれるブラッドベリによる物語で、個人的には最初は読みづらかったです。でも、忘れられない心に残る物語。胸がしめつけられるような苦くてでも美しい、そんな思いを味わいたいときに。詳細↓

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『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』

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『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』(2013年)フランシスコ・X・ストーク作 千葉茂樹訳 岩波書店

マルセロは発達障害児。まあ、マルセロの魅力的なこと!インターンというひと夏の経験、出会いが彼を変えていきます。ひきこまれて一気読みです。新しい目で世界が見れる、こんな経験そうそうないので、ぜひ。詳細↓

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『ペーパーボーイ』『コピーボーイ』

ペーパーボーイは11歳、コピーボーイは6年後の17歳の同じ男の子の物語。素敵な大人がいーっぱい出てきます!ペーパーボーイはいまいる場所で、新しい視点や出会いを得ていくのに対し、コピーボーイはロードムービー。“動”の中で、新しい経験を積んでいく物語です。吃音のことについても知れる貴重な一冊(2冊か笑)。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

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