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ああ、もうね老人と子どもの組合せは、最高ですね!
ウルフ・スタルク大好きなんです。ウルフ・スタルクはスウェーデンを代表する現代児童文学作家で、今回ご紹介するこちらは遺作。
ユーモラスなんだけど、ただただ明るいだけじゃなくて、かすかな人生の悲哀もあって。クスッと笑えてしんみり。なんとも人間味にあふれてる。
字も大きいし、短いし、小学校中学年くらいの読者層を想定しているのだと思います。が!多分これがジワジワ染み入るのは大人かもしれない。うん。
物語は、口も態度も悪くて看護婦さんたちを困らせている入院中のおじいちゃんを、孫が連れだして島のうちへ一日だけ連れ帰るというお話。
おじいちゃんとこの孫ウルフの父親(おじいちゃんの息子)はとにかく馬が合わない。だから、お父さんはお見舞いにもあまり行きたがらないし、もちろんおじいちゃんとの旅なんて大反対するに決まってるから、ウルフはウソをつくんです。ええ、そりゃあもう見事に(笑)。ウルフは自分自身がモデルで、他の物語の中でも嘘つきぶりは素敵に発揮されてます(笑)。
短編『うそつきの天才』シリーズも大好きでした!↓
さて、今回の物語に話を戻すと、このおじいちゃんのひどい言動はぜひ大人に見てもらいたい。え、許されるの、これ?ってなるから(笑)。でも、孫ウルフはそんな大人として悪い見本のようなおじいちゃんが大好きなんです。そのままのおじいちゃんが。
あ、分かる。私も周りから“いじわるばあさん”と呼ばれ、毒舌だった父方の祖母のこと、大好きでしたもん。大変な姑で、今は母がいかに大変だったかが分かるけれど、それ知ってからも好きだった。そこに、理由なんていらない。
人として成熟してる大人しか好きになっちゃいけない、なんてルールどこにもないハズなんですよね(忘れられがちだけど)。そして、子どもも、いい子じゃなきゃ、好きになるのに値しないなんてことはない。それがよく描かれているのが、スタルクの別の物語。↓
子どもたちが『おじいちゃんとの最後の旅』を読んだら、どこかホッとするかもしれない。そして、大人は大人で“最後のありかた”というものについて考えさせられる。夫婦についても。短いけれど、深いですし、色々問いかけられる物語でした。
スタルクは『おじいちゃんの口笛』をはじめ、絵本もとてもよいので、ぜひ!