Pocket Garden ~今日の一冊~

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京都個性派書店訪問記

先週は、秋入り口の京都へ

先週は4日ほど京都を堪能してきました!行ったメインの理由は、藤井風の大阪パナスタライブがあったから。そのレポも書きたいと思いつつ、この読書ブログでは需要がないかな、と。

 

いや、実は書きはじめてはみたものの、藤井風王国建立?教祖誕生?への戸惑いへの考察だけでも論文かいな?くらいの長文になったので、やめておきます(笑)。

 

というわけで、せっかく関西まで行ったので、行ってきました!

ずっと気になってた京都の個性派書店さんへ。

 

まずは、恵文社一乗寺店さん。

雑貨店やイベントスペースも

レトロ感が素敵

 

恵文社一乗寺店は、イギリスのガーディアン誌が2010年に発表した「世界で一番美しい本屋10」に日本で唯一選ばれた書店として有名な本屋さん。

超絶方向音痴の私、昨年京都に行ったときも行こうと思ったのですが、たどり着けず。今回は、京都在住のお友だちが車で連れて行ってくれるというので甘えてしまいました。

 

京都の土地勘がないので、よく分からないのですが、いわゆる主要な駅近ではないと思われる場所にあります。でも、いや、だからこそ、この店に入ってくる人たちはここ目指して来た人ばかりという感じがすごく伝わってきました。駅前だと、待ち合わせまでの時間つぶしで入る人とかも多いけど、それとは明らかに雰囲気が違う。

 

お客様の本を見る目がみな真剣!!!

 

ここで自分のための一冊に出合いたい!

ここで買いたい!

 

そんなお客さんたちの思いが、空気中にただよって見えるかのようでした。

 

正直、お店のデザイン的にセンスの良い店は増えてきていて、他にもたくさんあると思うんです。でも、選書を見ると、違いが見えてくる。お店側の熱量ってやっぱり伝わってきますよね。(そういう意味では、児童書のところは私に選書させて~って思いました←ずうずうしい笑)。

 

連れて行ってくれたお友だちから、”なんで本が売れないんだろう?いまの人は読まないってよく言われるよね”、と問われたのですが、それは売る方も作り手のほうも、すぐに売り場にある本を入れかえちゃうからというのも大きいと思う。出版・絶版のサイクルが早すぎだなあ、って。“待つ”ということをしない。本棚のキャパが決まっているので、飽きさせないために入れかえを頻繁にする、というのは分かるんです。でも、以前金原瑞人さんも言ってました。これから何十年も読み継がれる本を、というよりも正直2,3年たくさん売れたらそれでいい、という出版が増えてる、って。消費される本。

 

本って、出合うタイミングがあるよなあ、って。何年も前に人からすすめられていたけれど、そのときは気にならず、やっと手に取ってみようと思った頃にはすでに絶版、なんてケースも多いのは残念。

うちの夫なんて、10数年前に上橋菜穂子さんならだれでも夢中になるだろうと思ってすすめたら、「物語、苦手かも」といい、10ページも読めませんでした。それが、いまでは夢中になって読んでいます。私には、その光景がいまだ信じられなくて、実に感慨深い(笑)。

 

新刊に出合う楽しみもあるので、何十年と読み継がれるような、気合の入ったものを出してもらいたいなあ。

 

恵文社さんは、読み継がれる本が置いてある、カルチャーが生み出される、そういう本屋さんでした。

 

もう一つ!恵文社さんの名物店長だったという方が独立して作られたという誠光社さんにも行ってきました。駐車場ができず、時間もあまりなかったので、さっとしか見れなかったのが残念だったのですが。

 

街の中の小さな光

うん、名前の通り誠実な光を感じました。

表向きは、普通の個人書店に見えて、流通など仕組みの部分で挑戦をしている本屋さんなんです。そして、その試みをできるだけオープンにして、同じような仕組みの本屋さんを全国に増やして、薄暗くなりつつある街も少しは明るくなるはず、って。何それ、泣く。

 

自分の店だけで必死なところが多い中、同じ志を持つ人たちに発信し続けて、街に本屋さんを増やしたいという思い。こういう志高い方がいることが、希望の光。

 

京都を訪れた際には、ぜひ。