Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

生まれじゃない!能力のある者が王になる

『スーパー30 アーナンド先生の教室』

 

※ 毎週月曜日の19時頃投稿しています♪

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今日は、児童文学ではなく映画のご紹介。

 

子どもも大人も、勇気と希望をもらえる映画。

これが、実話に基づいているんだというところに驚きなんです。

まだまだ、この世の中にはこういう志の高い人がいるんだなあ、というところに感動。

最近、どうしたらこの競争社会でトップに立てるか、と自分のことしか考えてないような人ばかりにスポットが当たる。だから、こういう志が高い人にスポットが当たると世の中捨てたもんじゃない、って思うんです。

 

舞台は貧富の差が激しいインド。インドってホントに興味深いところだなあ。すべてがある気がする。

才能があっても、貧しい生まれでは学ぶ自由などなく、幼い頃から労働するしか道のない子たち。そんな子たちに手を差し伸べたのが、アーナンド先生なんです。

自身も数学の天才であり、ケンブリッジ大学から入学許可がきたものの、渡航費を工面することができずあきらめたと、いう過去を持つ先生。その先生が、お金持ちエリートのための名物予備校講師を経て、貧しい子たちのための無料塾を立ち上げ、見事な結果を出すという実話。ただね、厳しい選抜をします。教えてるのは30人まで。まずは予告編をどうぞ↓

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貧しくても最高学府を狙える、一見サクセスストーリーのようですが、ちょっと違う。

日本にも『ドラゴン桜』とか『ビリギャル』とかお受験物語はあって、それはそれで面白くて嫌いじゃなかったのですが、ゴールが合格であり受験はテクニックに終わってるんですよね。

 

でも、アーナンド先生の教え方はもっと本質的。学ぶってこういうことよね!!!!って胸が熱くなる。すべての成り立ちに疑問をもて、問題は自分で作れ、自分で考えろ。お金がなくて参考書が足りなかったら、手作りプロジェクターを作ってみんなでシェア。公式サイト読むだけでも、興味深いです↓

spaceboxjapan.jp

 

最高学府に合格する、というところがスゴイとつい思っちゃうけれど、スゴイのはそこじゃない。一人ひとりが持ってる才能をあきらめないというところ。そして、それをサポートしてくれる大人がいる、というところ。この映画では、それが学問だったけれど、別の分野で才能を伸ばす子たちも当然いる。それぞれの分野で、きっとスポットが当たってないだけでアーナンド先生のような人が世の中にはいるんだろうなあ。

 

ただ、映画としてどうかと問われると、好き嫌いが分かれると思います。だって、THE☆インド映画だから(笑)。

もうね、分かりやすすぎるドラマチックさ。いってしまえば、安っぽい。大げさなBGMにやっぱり歌い踊る。だって、インドだから(笑)。

ここまで、正々堂々としていると、かえって清々しいのですよ。ハリウッドの感動ものには反発心を覚える私も、インド映画は笑っちゃう。だから、正直感情移入はできないけれどそれでも、見れてよかったなあって思いました。

 

最後の戦いの場面はいくらなんでも大げさすぎるだろう、と思ったけれど、アーナンド先生は実際に何度も襲撃されているそうです。映画の中の事件はフィクションだけれど、やっぱり無料でやられると教育ビジネス界からは敵視されて、邪魔な人物としてみなされるのも事実。そんな中でも続けているのだから、頭が下がります。

 

子どもを大事にする社会には未来がある。希望がある。

自分の分野で、果たして私は何ができる?そんなことを問いかけられた映画でした。

 

私が観に行ったときは観客が10名もいなくて、これでは打ち切り早いのも仕方ないなあ、とモッタイない気持ち。ぜひ。

 

インドの天才といえば天才数学者ラマヌジャンのこちらの映画もオススメ。こちらはインド映画が苦手な方でも大丈夫↓

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才能ある人たちの物語ってやっぱり面白い。コメディ要素も入ったヒューマンドラマのコチラは次男のお気に入り↓

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最後に、藤井風の最新作MVもまるでインド映画なので、ちゃっかりご紹介。

歌詞も映像もこんなにもスピ全開で大丈夫?ド直球できたな、と余計な心配しちゃうくらいだけど、最後のあまりの多幸感に泣いた。“あなたに会えてよかった”という歌詞は多々あれど、“あたしに会えてよかった”って(涙)。自由ってこういうことよね。

美しいインドを描いているのでぜひ↓ 

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