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今日の一冊は、本屋大賞第2位を取ったコチラ。
本屋大賞で、子ども向けの本が選ばれることは少ないので、そういう意味では嬉しかったなあ(この賞とは個人的には相性あまり合わないのだけれど)。
短いお話です。大人なら1時間足らずで読めてしまう短さ。
でもね、印象に残る物語です。”自分ならどうしてたかな?”そう問いかけずにはいられない物語。
『神さまの貨物』あらすじ
大きな暗い森に貧しい木こりの夫婦が住んでいた。きょうの食べ物にも困るような暮らしだったが、おかみさんは「子どもを授けてください」と祈り続ける。そんなある日、森を走りぬける貨物列車の小窓があき、雪のうえに赤ちゃんが投げられた―。明日の見えない世界で、託された命を守ろうとする大人たち。こんなとき、どうする?この子を守るには、どうする?それぞれが下す人生の決断は読む者の心を激しく揺さぶらずにおかない。モリエール賞作家が書いたこの物語は、人間への信頼を呼び覚ます「小さな本」として、フランスから世界へ広まり、温かな灯をともし続けている。(BOOKデータベースより転載)
おとぎ話のような体裁をとっているけれど、内容はホロコースト。だから、重いです。
絵画的というか、非常に視覚的で、まるで一つの劇を見ているような……と思ったら、作者は劇作家さんなんですね、納得。
多くは語れないけれど、一つ言えるのは、赤ん坊は“希望”だ、っていうこと。
赤ん坊って、物理的に何か役に立つわけじゃない。労働力になるどころか、むしろ世話が焼ける存在。
ユダヤ人を“人でなし!”と決めつける、本当の意味での無知な木こり。でもね、奥さんに赤ん坊の心臓に手を置かれて、もう本能から湧き出る愛は止めることができなかったのです。
3.11のときもよく聞かれたのだけれど、“こんな時代に子どもを産んでしまってよいのだろうか。それはエゴなのではないか”という葛藤。
でもね、赤ん坊はいつの時代だって“希望”なのです。
インドの詩人で、アジア人で初のノーベル文学賞を取った、ラビンドラナート・タゴールの詩をご紹介しますね。
すべての赤ん坊は、神がまだこの世に絶望していないというメッセージを携えて生まれてくる
さらに、もう一つ。
私がどハマりしている、藤井風君の“きらり”という歌詞の中にある言葉(←何かにつけて風くんを紹介する私(笑))。
これをいつも心に留めておきたいと思います。
何のために戦おうとも、動機は愛がいい
何か選択を迫られてとき、この動機を忘れたくないなあ、と思います。