Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

自分軸で生きるってすがすがしい

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『ハッピーノート』(2012年)草野たき著 福音館書店

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今日の一冊は、先日うちに遊びに来ていた小6の女の子が読んでいて、置き忘れていったコチラ!

 

『ハッピーノート』あらすじ

 

小学校でも塾でも、友だちを前に思うように自分を出せずにいる6年生の聡子。塾の帰りにいつも一緒に勉強する霧島くんにひそかな思いを寄せていますが、本当の気持ちは言えないままです。家ではイライラしてつい両親にあたってしまい……。そんな聡子ですが、もっと霧島くんと仲良くなろうとがんばるうちに、次第に周囲の人との関係も変わってきます。単行本発売以来、多くの年若い読者から圧倒的支持を得ている作品の、待望の文庫化です!(出版社HPより転載)

 

 

圧倒的支持……そうかー、こういうのが人気なのかあ。共感するところが多いのかと思うと、ちょっと複雑な気持ち。息苦しい子が多いんだな、って。

 

私自身は、終始モヤモヤ、イライラする気持ちを抱えながら読み終えました(笑)。

なんでしょう、この気持ち。日本の現代社会の物語を読むと、こう胸がきゅーっと狭まるような気持ちになるんです。人間関係の中だけで生きてるから、何とも言えず生きづらく。どっぷり人間関係の中にいるわりには、絆は薄い。でも、文句言っちゃいけない。恵まれた環境、家族だって仲が良いほう……なのに、なのに、どこか断絶しているように感じたり。

 

日本は特に学校しか子どもの世界がないから息苦しいとよく言われるけれど、本心隠して嫌われたくないから人に合わせたりするのは、海外でも同じなのだなあ、と先日読んだこちらで思いました。↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

女子は特にグループを作りたがるから、めんどくさいですよね。これが習慣になって、社会人になっても会社でも人に合わせ、恋人に顔色伺う人が多いのか。あー、めんどくさい(笑)!

そして、個人的には、主人公の聡子のこと、どうも好きになれませんでした。お母さんに対する態度ひどすぎない?どこにも雇ってもらえないお母さんみたいにはなりたくない、とかって“あなた、ちょっとそこ座りなさい!”と説教したくなってくる(笑)。主婦が、どんな気持ちだと思ってるのよ。キム・ジヨン多いんだから。(キム・ジヨンとはこちら↓)

jidobungaku.hatenablog.com

 

やっぱりね、自分らしく生きられないと息が詰まるんだな。

本当に思ってることと、言ってることが違うと苦しくなってくるんだな。

 

草野たきさんの『ハーブガーデン』でも、やっぱり他人軸で生きてる子が描かれていて、私はイライラしてました(笑)。↓

matushino.wixsite.com

 

でもね、私が苦手だった主人公聡子ですら、自分軸で最後は生きようと踏み出した。

聡子でもできたから、自分もやってみようと思う子が増えたらいいな。もう、みな自分軸で生きましょ、うん、そうしましょ。そこに広がるのは、きっとすがすがしい世界。