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今日の一冊はこちら。
スウェーデンを代表する現代児童文学作家ウルフ・スタルクによる短めの物語。大人なら1時間程度で読めます。ただ、絶版なので、図書館でどうぞ。
あらすじ
月がほしブドウ通りを照らすころ、夜行バスを運転している父さんから電話です。「シクステン、おれだ!」母さんと別れてから、父さんの愛情は、ぜーんぶシクステンにそそがれるようになりました。そんな毎日がちょっと息苦しいシクステンは、父さんに、ガールフレンドを紹介しようと思いつきます。不器用な父と息子との愛情を描き、スウェーデンで映画化された話題作。(BOOKデータベースより転載)
スタルクのって、短い物語が多いのですが、どれも何とも言えず心地いいんですよね。
いわゆる優しい物語というより、ちょっとシニカルでユーモラス。
『シロクマたちとダンス』でもそうだったけれど、スタルクに出てくる大人は全然完璧ではなく、むしろ欠陥が多い。それでも、愛情だけはちゃんとあって、それですべてがオーライになってる。大事なのは形じゃないよね、って。
主人公も、形だけ見たらネグレクト(育児放棄)に分類されるかもしれないし、多分ほかの作者が書いたら、クラスでの出来事もイジメになるのかもしれない。でも、スタルクの手にかかると、誰もが欠点を持ってて、誰もが愛おしい。
何か軽く読みたい、そして、ちょっと素敵な気持ちになりたいときにスタルクはおススメです。