Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

軽く読めて軽やかな気分になりたいときに

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『夜行バスにのって』(1998年)ウルフ・スタルク作 遠藤美紀訳 偕成社

※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中!

(できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑)

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今日の一冊はこちら。

スウェーデンを代表する現代児童文学作家ウルフ・スタルクによる短めの物語。大人なら1時間程度で読めます。ただ、絶版なので、図書館でどうぞ。

 

あらすじ

月がほしブドウ通りを照らすころ、夜行バスを運転している父さんから電話です。「シクステン、おれだ!」母さんと別れてから、父さんの愛情は、ぜーんぶシクステンにそそがれるようになりました。そんな毎日がちょっと息苦しいシクステンは、父さんに、ガールフレンドを紹介しようと思いつきます。不器用な父と息子との愛情を描き、スウェーデンで映画化された話題作。(BOOKデータベースより転載)

 

 

スタルクのって、短い物語が多いのですが、どれも何とも言えず心地いいんですよね。

いわゆる優しい物語というより、ちょっとシニカルでユーモラス。

 

『シロクマたちとダンス』でもそうだったけれど、スタルクに出てくる大人は全然完璧ではなく、むしろ欠陥が多い。それでも、愛情だけはちゃんとあって、それですべてがオーライになってる。大事なのは形じゃないよね、って。

 

主人公も、形だけ見たらネグレクト(育児放棄)に分類されるかもしれないし、多分ほかの作者が書いたら、クラスでの出来事もイジメになるのかもしれない。でも、スタルクの手にかかると、誰もが欠点を持ってて、誰もが愛おしい。

 

何か軽く読みたい、そして、ちょっと素敵な気持ちになりたいときにスタルクはおススメです。