Pocket Garden ~今日の一冊~

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オオカミ特集:オオカミを知って人間&環境を見つめ直す

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気高きオオカミたち

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昨晩から今朝にかけてのウルフムーン、ご覧になれましたか?

 

私の住む地域はお天気がイマイチで……いや、それ以前にうちは谷戸に囲まれてて、家の中から満月が見える位置に来るのが真夜中なんです。だから、いつも寝ちゃうんですよね(笑)。当然子どもも学校から『月の観察』なんて宿題が出ても、夜更かししなきゃいけないので毎度できず(先生も了承済み)。見れた方、ラッキーですね!

 

さて、そんなわけで今日はオオカミ特集。

テーマ本読みは本当におススメ!一冊読んだだけでは、印象に残らなくても、何冊か読むと、実に発見が多い!ぜひやってみてくださいね。

 

写真集もノンフィクションもオオカミ関連は素敵なのがたくさんあるのですが、今回は物語に絞りますね。では、どうぞ!↓

 

 

①『太陽の戦士』ローズマリ・サトクリフ作

 まずは、骨太のこちら!なんと先史時代が舞台なのですが、イニシエーションとしてのオオカミ殺しの場面がいいんです。両者の間に流れている敬意のようなものにグッときます。主人公の挫折や葛藤も、現代人が呼んでも共感できるもの。

決して派手な語り口ではないのに、読み終えた後は、しばらくこの世界観から抜け出せない。生きてるうちに一度はサトクリフの物語に出合っていただきたいなあ。↓

 

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②『オオカミ族の少年』ミッシェル・ペイヴァー作 

こちらも大昔も大昔、日本でいうところの縄文時代にあたる時代の物語。もうねえ、アニミズム的世界観が最高なんです!文化人類学的にも面白い。こちらはオオカミと対峙するのではなく、旅のバディがオオカミ。切ないほどの絆。圧巻の世界観が堪能できます。↓

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 ③『オオカミは歌う』メルヴィン・バージェンス作

こちらは崇高なオオカミVS残虐なハンターの話。もうね、同じ人間であることが嫌になっちゃうくらいハンターがひどい。でも、オオカミって『赤ずきんちゃん』をはじめ、特に絵本なんかでは、ずる賢い象徴として描かれることが多いから、この崇高な真の姿をもっと多くの人に知ってもらいたい!↓

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④『オオカミを森へ』キャサリン・ランデル作

こちらは、1900年代初期のロシアが舞台で、いかにも物語といった世界観に浸れる物語。表紙絵、好きだなあ。“オオカミ預かり人”という架空の職業が出てくるのですが、これがリアリティがあって。ただ、子どもたちが主体となって革命を起こす後半は、好みが別れるかもしれません。↓

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⑤『ペーターという名のオオカミ』那須田淳

 ドイツ在住の作家那須田淳さんが書かれた、現代のドイツが舞台。東西ドイツの複雑な歴史など物語を通じて、勉強もできちゃう!?ロードムービー的な楽しさや逃亡劇なので、スリルもあり。↓ 

⑥『オオカミのようにやさしく』G・クロス作

こちらは、象徴としてのオオカミ。父親がIRA(アイルランド共和国)でテロ活動を行っているという、少女の物語。日本ではあまり報道されないので、北アイルランド紛争と聞いてもピンとこないかもしれませんが、とても興味深い物語。イギリスの社会事情が描かれているので、話題になったブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』とあわせて読むのもおススメ!↓

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 ⑧『オオカミとの旅』ロザンヌ・パリ―

こちらは先日ご紹介したもの。オオカミがどれだけの距離を旅するのか、まさにオオカミに自分がなった気分で一体化できます!↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

⑨必見動画!生態系&地形を復活させるオオカミ

 え、しつこいって(笑)?

先日ご紹介したオオカミが生態系や地形を復活させた動画、ご覧いただけたでしょうか?今日も貼っちゃいますよー(笑)。

 

 

www.youtube.com

 

発見の多い一冊に出合えますように!