鎌倉は久々の雨。数日間雨の日が続くようです。
ついに我が家の薪ストーブにも、この秋最初の火が入りました。
雨音って聞いていると、どこか別の世界とリンクしているような気がしてきます。
別世界へいつもよりもすうっと飛んでいける、それが雨の日。
今日は過去記事から、雨の日に読みたくなるような物語を選んでみました。
ちょっと暗くて影があって、別の世界へ誘ってくれるようなそんな物語たち。
《日本の児童文学》
まずは、現代にもまだ息づく“天狗”をテーマにしたコチラ。
なかなか手に取りづらい一冊かもしれませんが、現実の延長線上に異世界が交わる感じがたまらなく好きで、日本人にしか生み出せない物語です。↓
“天狗”のお次は“河童”。朽木祥さんの描く物語は、とても繊細で美しくて切ない。
亡くなった大切な人を思うとき、読み返したくなる一冊。美しい日本語も魅力です。↓
「生きるためにはなぜ、他の生きものの命を奪わなければ生きられないのか」
そんな壮大なテーマならこちら。異世界へ冒険にでかける兄妹の物語。結論なんて出ないかもしれない。悩み続けなければいけないのかもしれない。
それでも、その悩みに寄り添うことで、前に進む力がもらえる物語です。↓
《海外児童文学》
現実世界で自分が描いた絵のとおりに、夢の世界が動いていく。嫉妬、苛立ち、自分の心の中にある闇。おどろおどろしくないのに、ヒタヒタと迫る心理的な怖さがあります。臨床心理学者の故河合隼雄さんも絶賛していたこちらの物語は、1958年に書かれているのですが、全く古さを感じさせない古典名作。↓
ファンタジーとしては失敗と評されている物語ですが、個人的には現実と異世界の区別が曖昧になっていく様子がリアルで好きだったのが、こちらの物語↓
こちらは、異世界にいくわけでもなく、「中世のヨーロッパのとある国が舞台」とありますが、どっぷり物語の世界観に浸りたいときにおすすめの一冊。ちらっとしか登場しないのですが、罪人の首を切る斬首刑執行人の仕事へのスタンスがもうねえ!シビレます。本でしか表現できない物語。↓
最後に魔法ものを3つ。どれもフワフワしたものではなく骨太。読み終えた後に、ずっしりと何かが自分の中に残るような物語です。
まずは、上記『鐘の鳴り響く時代に』と同じ作者による、深みのある幻想的な物語。
ついつい明るいポジティブなものだけが良いとする傾向にある現代人の私たちには、こういう物語が必要なのかも。↓
善悪二元論だけでは判断できない何かがある骨太な物語ならこちら。歴史小説であると同時に、学問的にもきちんと研究された魔女や妖精学が書かれているので、大人が読んでも興味深い。↓
真の魔法とは何かを教えてくれるこちらの物語は、甘さを一切排除した北国の物語。言葉や音楽ってね、魔法なんです。大好きな物語。↓
雨の日に読みたい一冊が見つかりますように!
※おまけ:どうしても海外翻訳物のご紹介が多くなってしまうワケはこちら↓