Pocket Garden ~今日の一冊~

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土地の権利をめぐる物語

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『りんご園のある土地』(1969年)ウィリアム・メイン作 林克己訳 岩波書店

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今日の一冊は、父の蔵書から。これは品切れもやむをえないかなあ......。今の子たちが読むとは思えないけれど、ご紹介するのは、大人が読めばその時代の空気感を感じるなどの楽しみ方ができるから。

 

【あらすじ】

少女スーザンは,ある日1枚の地図を見つけ,リンゴ園のある小さな土地が古くからスーザンの家の所有物だったことを発見.自分の部屋がほしかったスーザンは弁護士の協力を得て,その土地の歴史を調べる.(出版社HPより転載) 

 

大英帝国鉄道時代なので、1900年代半ばから終わりにかけてくらいなのかな。この時代の生活が見えてくるかのようです。

 

仕事に忙しくて、あまり子どもに構って居られない親の感じは、田舎でありながらも高度成長期時代を感じさせると思うのは私だけ?

 

淡々とストーリーは進んでいくのですが、実は主人公の女の子は14歳にしてとても行動力があるんです。土地の所有権を取り戻すべく、知り合いの弁護士のところに相談に行くんですから!その原動力は、妹に我慢ならなくて、自分だけの空間がほしいという素晴らしい理由からだけど(笑)。

 

実は、法律上では問題のりんご園を12年間使用し続けていた人がいれば、鉄道会社からりんご園を取り戻せるそうで、そこで主人公のスーザンは土地の人たちに聞いて回るのです。それぞれのストーリーも地味ながら好き。

 

その時代の日常生活を垣間見させてくれる、やっぱり本はタイムマシーンだなあ、って思います。特に主人公に共感できるわけでも、めくるめくストーリー展開があるわけでもないけれど、丁寧に描かれているためか、心の中にも丁寧に残る。

 

この時代のイギリスの田舎の空気を感じたい人に。

 

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