ああ、これ中高生時代に読んでいたら、私の人生ももしかしたら少し変わってたのかな?
今日の一冊は、そんな風にすら思えた一冊。大っっっキライだった、数学の世界が魅力的に見えてくるから、不思議不思議。
物語ではなく、ノンフィクションで、とても読みやすく面白かったです。自分の興味のある世界だったら、もう少し硬いアカデミックな文章の方が好みだったかもしれませんが、なんせ興味がないどころか、敬遠してる世界。なので、このくらい軽やかに敷居低く書いてくれると、私みたいな人でも読めました。世界が開かれた!
とはいえ、前段階があって。数学って美しいものなんだ!と初めて知り、衝撃を受けたのは『博士の愛した数式』がきっかけでした。
そして、もうひとつ長男からすすめられて見たラマヌジャンの映画↓
この二つがあったからこそ、今日の一冊も手に取ってみよう、という気になったのかもしれません。やっぱり、物語の力って偉大。人を動かす力があるんだなあ。
さて、今日の一冊は、ひとくちに数学者といっても、色んな方がいらっしゃるんだなあ、というところも興味深かったです。当たり前といったら当たり前かもしれませんが、心のどこかで“数学者とはこういうものだ”とひとくくりにしてたのかも。それが、気持ちよく打ち砕かれました。捉え方もアプローチの仕方もさまざま。彼らの情熱、好きの熱量にやられっぱなし。もしかして、私も数学が好きになれる?という錯覚すら抱きました(いや、ならない笑)。ゼータ関数好きすぎて、食べられるゼータ関数型デコレーションケーキまで作っちゃうとか、最高!
純粋で真摯なんです、彼らの“知りたい!”に向かう姿勢が。まあ、これやっておけば就職に役立つかなー?とか、やりたいものないから、とりあえずやっとくか、みたいな“なんとなく”がないの。彼らの熱量は、人を感動させるんですよねえ、例えその正解に1ミリも共感できなくとも。共感できなくても、人を感動させることができる、ってすごいことですよね!そして、タイトルの通り、その世界は美しい。生きること、宇宙とつながっている壮大なロマン。
数学が苦手という方にこそ、おすすめしたい一冊でした。新しい扉をこの夏開きたい方は、ぜひ。