私事ですが、親戚が亡くなりました(コロナではなく)。
当たり前ですが、コロナでなくとも、人は全員いつかは死ぬし、亡くなると周りの人間は寂しいです。いつだって、日々死に一歩ずつ近づいていってる私たち、全員。
今、コロナで色々なイベントや試合がなくなり、その目標に向かってがんばってきた人たちは何のためにがんばってきたのか、と打ちひしがれていると聞きます。
そうですよね。そこに向かってがんばっていたんですから、そりゃそうですよね。
でもね、とも思うのです。
目標を立てて、ひたすらそこに向かうという時代は終わったのかな、って。
目標がなくてもいい、とかそういうことじゃないんです(いや、ない人がいても全然アリだとは思うけれど)。
そこに向かう”過程”に学びがあり、成長があり、喜びがあれば、目標や目的に到達することなんて二の次でいいと思えるんじゃないかな、って。
いつ中断されても悔いのない生き方。そういう生き方ができればな。あ、それは日々全力でがんばるという意味ではなく、ゆる~くまったり楽しむことも含めて。
さて、前置きが長くなりましたが、今日のシリーズは「今こそ先住民族に学ぶ!」です。
先日、こんな時期だからこそ読みたいテーマは?と聞いてみたところ、
「お金のない世界。ミヒャエル・エンデの『モモ』みたいなイメージで、目先の儲けに惑わされず、もっと心の繋がりとか想像する力が大事だよね、みたいな本が知りたい」
と言われて、真っ先に思い浮かんだのが先住民族の世界観でした。
経済最優先の社会って、人間中心で弱者が生きづらい世界。
一方、西欧的価値観が入ってくる前の、先住民族の人たちが元々持っていた世界観は、人間も自然の一部であって、母なる大地を切り売りするなんて考えられない世界。
そういう世界に戻るのは無理だとしても、そこから学ぶものはとても大きいです。
というわけで、どうぞ!
『グランドファーザー』
感動の実話です!文明を拒み『古来の道』に生きた最後のインディアン―“ストーキング・ウルフ”の探求の生涯を描いたもので、彼が孫とその白人の友だち(トム・ブラウンジュニア)にネイティブの教えを伝授した本。知識はいいから、生きる知恵を身に付けたい!そうしみじみ思わせてくれた素晴らしい本です。
そして、この本に影響を受けた私は、その後このトム・ブラウン・ジュニアが主宰するトラッカー・スクールで学んだ人たちによるワークショップに、何回か参加するほどハマりました!(向いてなくて憧れで終わりましたが笑)。残念ながら絶版なので、中古か図書館で。
『パパラギ』
文庫版が2009年ですが、単行本は1982年かな?はじめて文明を見るとこういう風に見えるのかあ、と中学か高校のときに読んで衝撃を受けた本です。文明社会のおかしさに気付かせてくれ、これ読んで時間に縛られなくなりました。具体的には、腕時計を辞めたり。
ただ、痛烈批判はやはり疲れるし、今は文明も悪くないと思うところもあるので、もう読み返すことはないかも。読んだことのない方には一度読んでみるのはおすすめです。この本が、自分の中で大切にしたいもの、軸をハッキリさせてくれた気がしています。
『ビーバー族のしるし』
骨太で、ああ、これまたいい物語なんだなあ。
1700年代の開拓時代、13歳にして一人森の中に取り残されてしまった少年が、インディアンの少年と知りあって、生きる知恵を学ぶ物語。家族の絆もまたいいんです!
あとは過去記事から
『イシ 二つの世界に生きたインディアンの物語』
この表紙だとあまり手に取ってもらえない気がしますが、心の深いところに“何か”を残してくれる名著!実話です。
本当の文明、文化って何でしょうね?そんなことを考えさせられます。
『スピリット島の少女』
こちらも絶版ですが、とってもいいです!!!児童文学って売れないから、いい物語でもどんどん絶版になっちゃうんですよねえ......。
だから、ここで紹介していきます!(←もはや使命感)。
この物語ではちょうど天然痘の恐怖のことも出てきますが、淡々と描かれているので、読者が悲しみに巻き込まれることもないかと。ほのぼのした場面も多いですし、素敵な大人もたくさん。ぜひ。
『青いイルカの島』
これもびっくりな実話。無人島で一人で18年間も生き延びたのに、白人社会に連れてこられたとたん……色々と考えさせられます。こういう状況になると、学歴ってなーんの役にも立たない!
『ジャングルの少年』
舞台はアマゾンです。白人に迫害されてるわけじゃないので、悲壮感なく純粋にワクワクしながら読めます!森の中での生きる知恵がいっぱい。うん、やっぱり鍵となってくるのは観察力だな。自分の中の眠れる野性が呼び覚まされました!
先住民族の物語はまだまだあるのですが、今日はこの辺で。
先住民族の世界観、とおっても素晴らしいのでぜひ。