Pocket Garden ~今日の一冊~

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絵本以外の児童文学読み聞かせ10選!

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リクエストがあったので、今回は、絵本以外の児童文学で、比較的年齢問わず楽しめる読み聞かせ10選です。

 

 

【選ぶポイント】 

 

・文章がリズミカルで、声に出して読むのが楽しいもの(最初の1ページの音読で大体分かります)

 

・情景描写や心理描写が長すぎないもの(ついてこれなくなる子がいるので)

 

・続きが気になるものがおススメ

 

ポイントはざっくり(←ざっくりすぎ?)こんなところでしょうか。流行りのものよりもロングセラーのものを選べば間違いないかと。

 

どんなにテレビや動画やゲームが好きな子どもたちでも、寝る前ってやっぱり読み聞かせてもらうのがホッとするもの。

(まあ、私は自分が読んでいると先に寝落ちしちゃいがちなので、朝読ませて~、と言ってます。ええ、朝でもいいんです(笑))

 

今は子どもたちも休校中で、「お母さん見て」「お母さん聞いて」コールが鳴りやまずYouTube見ててくれたら楽だな~、なんて思ってしまうことも。

 

そんなとき、読み聞かせって、とてもいい親子時間をプレゼントしてくれるんですよね。自分は読むだけなのに!会話せずして、ちゃんとコミュニケーションの時間になっているというか、同じ追体験を共有するって大きなことなんだなあ。

 

ところが、絵本だと兄弟姉妹の上の子はそっぽ向くこともあるんですよね。自分はもう絵本って年齢じゃないと背伸びしたくて(本当は絵本も大好きです。絵本も年齢関係ありません)。

 

そんなときは、文章中心で、挿絵が時々出てくる程度の物語がおススメ!

 

聞かないって言ってた上の子も、同じ部屋にいたら聞こえちゃいますからね。聞いてないはずの上の子のほうから「あれ、続きは?」なんて言われたらしめたもの。

 

絵本じゃない本の読み聞かせに慣れてもらうために、まずは昔話から入るといいかもしれません。もともと“語り”という形で受け継がれてきたものなので、耳から入る物語としてはぴったりですし、一話一話が短いので、母の喉にも優しい(笑)。

 

【昔話・短編集】

 『スウェーデンの森の昔話』

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スウェーデンの森の昔話』(2008年)アンナ・クララ・ティードホルム編集 うらたあつこ訳 ラトルズ

 

カラーの挿絵多めなので、いきなり絵がなくなるのはいやぁ~、という下のお子さんが耳で聞く入り口によい一冊。どこかで聞いたことがあるような話も形を変えて登場するのが面白い。ん?これ『大工とおにろく』と同じパターン、とか。

 

 『グリム童話集』

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グリム童話集』(1980年)グリム著 矢崎源九郎訳 偕成社文庫

 

グリム童話』は色んな出版社から色んな方の訳で出てますね。新訳だと松岡享子さんの訳とか。ただ、個人的にはこの挿絵が好きだったので、偕成社さん推しです。おどろおどろしい話も、耳で聞くと後引かず、寝る前でも大丈夫。間違いなく面白いです。

 

 『ノウサギのムトゥラ』

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『ウサギのムトゥラ:南部アフリカのむかしばなし』(2019年)ビヴァリー・ナイドゥー著 さくまゆみこ訳 岩波書店

 

動物好きなお子さんには、アフリカならではの動物がたくさん出てくるこちらの昔話はいかがでしょう?主人公のムトゥラ(ウサギ)の表紙の顔見てください。ね、お調子者でずる賢こそうでしょう?でも図太く生き抜いていくさまが、むしろ清々しくなってくるから面白いですよ。

 

 『ファージョン作品集』

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『年とったばあやのお話かご』(1970年)エリナ・ファージョン著 石井桃子訳 岩波書店

 

昔話風だけれど、新しい物語に触れたいときはファージョンはいかがでしょう?

ファージョンの短編集はどれもおススメ!自分で本をどんどん読める高校生の女の子でも寝る前は、ファージョン読んでもらいたいな、と言ってたくらいなんですよ~。

こちらの短編集の「サン・フェアリー・アン」というお話は個人的に特にお気に入りです↓

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『天国を出ていくー本のこべや〈2〉』(2001年)エリーナ・ファージョン作 石井桃子訳 岩波書店

 

 『しずくのクビ飾り』

魔法が出てくるのが好きならコチラ↓

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『しずくの首飾り』(2019年)ジョーン・エイキン著 猪熊葉子

少年文庫になったのが2019年ですが、原著は1968年出版、日本でも1975年に翻訳されているので、かなりのロングセラーです。こちらも短編で、不思議な世界に誘ってくれます。

 

 

【幼年童話・シリーズもの】

 

そろそろ、短編じゃないものにチャレンジしてみようかな?と思ったら、まずこちらはいかがでしょう?

 

『番ねずみのヤカちゃん』

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『番ねずみのヤカちゃん』リチャード・ウィルバー著 松岡享子訳 福音館書店

 

ちょっと文章多めの絵本とそう変わらない、というツッコミが入りそうですが(笑)。幼年童話で、これは声に出して読むのがとっても楽しいんです!ヤカちゃんって声が大きくてやかましいから、ヤカちゃんなんですね。そこを急に声を大きくして読むと、もう子どもたちゲラゲラ。とっても豊かな親子時間が過ごせますよ~。もう1回もう1回コールが鳴りやみません(←ん?母的には困る!?)。

 

 『火曜日のごちそうはヒキガエル

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『火曜日のごちそうはヒキガエルヒキガエルのとんだ大冒険〈1〉』(2008年)ラッセル・E・エリクソン著 佐藤凉子訳 評論社

 

これ大好き!寝る前に一気に読みあげるには長いので、”続きがきになる”の入り口に。

冒険ものなので、ドキドキハラハラあり、友情ありに涙。シリーズものですが、1冊ごとに話は完結してます。

 

 『黒ねこサンゴロウ』シリーズ

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『旅のはじまり(黒ねこサンゴロウ1)』(1994年)竹下文子著 偕成社

 

男子大好き航海もの!うちの三男は、サンゴロウが好きすぎて、夢の中にまで出てきちゃったそう。私自身は、小さい頃に出会っていなかったせいか、さほど響かなかったのですが…(←小声)。シリーズものです。

 

 『長くつ下のピッピ』シリーズ

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長くつ下のピッピ』(2018年)アストリッド・リンドグレーン著 菱木晃子訳 岩波書店

 

言わずと知れたロングセラーのピッピは読み聞かせなら、菱木晃子さんの新訳がおすすめです!

実は、個人的には大塚勇三さんの旧訳と桜井誠さんの挿絵(黒姫山童話館での原画に感動!)に思い入れがあるのです。が、菱木晃子さんの講演会を聞きに行き、ピッピを次の100年に引き渡すためにという思いを聞いて、今の子たちが耳に馴染みやすい言葉に変えられたことに納得した次第です。ピッピのハチャメチャぶりには、男女問わず大喜びです!『ピッピ船にのる』『ピッピ南の島へ』と続きます。子どものワクワクが、これでもかというくらい詰まった楽しい物語。

 

『びりっかすの神さま』 

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『びりっかすの神様』(2006年)岡田淳 偕成社

中には海外翻訳ものが苦手、、、っていうお子さんもいらっしゃいますよね。その場合は、岡田淳さんのものは入りやすいかも。ただ、学校舞台のものが多いので、休校中にはつらくなっちゃう子もいるかな?逆に、物語で学校の世界観に触れていたい!というお子さんは喜ぶと思います。うちの子たちも大好きでした。 

 

 

思いつくまま10選してみましたが、まだまだ、あれもこれもいいなあってものたくさんあります。あげたらキリがないくらい。

 

うちの子はもう自分で読めるから、なんて言わないで~。何歳になっても、耳から聞くのはまた別の楽しみというもの。ぜひこの機会に読み聞かせを通じた親子時間持ってみてくださいね。