Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

日本文学

秋の夜長にさらりと読みたい

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』(1996年) 森絵都著 いせひでこ絵 講談社 森絵都さんの物語はとっても読みやすい。シナリオライターだったんだ、ナルホド、納得。 13歳、14歳、15歳を主人公にし、音楽をテーマにした短編集。シューマン〈子供の情景…

星空ロック!気づき&興味の入り口に

『星空ロック』(2013年)那須田敦著 あすなろ書房 今日の一冊は、2014年度中学生の部の課題図書だったコチラ。YA(ヤングアダルト)と呼ばれる思春期向け小説。 【ここがポイント】 ■ 現代っ子の一人称語りで、会話も多く、本が苦手な子でも読みやすい ■ …

いまさらルドルフ

『ルドルフとイッパイアッテナ』(1987年)斉藤洋著 講談社 今日の一冊はコチラ。 この夏映画化もされたルドルフをいまさらですが、読んでみました~。 個人的に、小学校中学年向けの児童書って、あまり得意ではないので読んでいなかったんですよね。それと…

衝撃!?三年生の選書

私なら絶対に選ばないであろうというのが、表紙がアニメ画の本。 ところが、先日小3次男が、意気揚々と持ち帰ってきた本がこちら↑でした。意気揚々としてた理由は、漫画じゃない本を借りた!と誇らしかったから(笑)。 え!?衝撃・・・。 うちの子男子で…

本が苦手な子にも・異文化理解

『ヘンダワネのタネの物語』(2012年)新藤悦子著 ポプラ社 先日ご紹介した『ディダコイ』は、結構本好きの人じゃないと読みづらいかなと思うのですが、活字が苦手な子でも、割とすんなり読めるのでは?と思うのが、今日ご紹介するコチラ。 «『ヘンダワネの…

16世紀の歴史が一気に面白くなる!

『青いチューリップ』(2004年)『青いチューリップ 永遠に』(2007年) 新藤悦子著 講談社 今日の1冊ならぬ2冊はコチラ!児童文学者協会新人賞受賞作。 週末、代々木上原にあるモスク、東京ジャーミイを初訪問したのですが(そのときの訪問記はコチラをクリ…

思わず海に出たくなる!

『風の靴』(2009年)朽木祥作 講談社 夏休み最終日にご紹介しようと思っていて寝落ち。新学期始まってしまいましたが、今日の一冊は、潮の香りと光を感じるコチラ。 湘南が舞台なので、この辺に住んでいる子たちにはぜひ読んでもらいたいなあ。 舞台が身近…

中学受験って・・・期間限定の秘密基地

『ヘヴンリープレイス』(2010年)濱野京子作 ポプラ社 夏に読みたいYA(ヤングアダルトと呼ばれる児童書と一般書の中間にあるもの)の良書! 現代っ子の抱えているモヤモヤが丁寧に描かれています。うっかり電車の中で読んでしまって、ウルウル涙腺抑えるの…

両目の色が違う猫ちゃん知ってる?

『イスタンブールで猫さがし』(2015年)新藤悦子作 ポプラ社 今日の一冊は、猫好きさんにおススメ! ワン猫(ヴァン猫)ってご存知ですか? 私は知らなかったのですが、トルコに生息する不思議な美しい猫。なんと、右目と左目の目の色が違うんです!真っ白…

辛口感想『ロード キャンピングカーは北へ』

『ロード -キャンピングカーは北へ』(2014年)山口理作 佐藤真紀子絵 文研じゅにべーる 夏休みにピッタリのロードムービー的な一冊。 千葉県野田市から北海道の礼文島までキャンピングカーで北上します。 ≪『ロード -キャンピングカーは北へ』あらすじ≫ …

子どもたちの本屋奮闘記!

『アカシア書店営業中!』濱野京子作 森川泉絵 あかね書房 今日の一冊はコチラ!先日のハックルベリーブックスさんでのダブルトークイベントのうちのお一人、濱野京子さんの著作のうち一冊。 正直申しまして、自分からでは、まず取ることはなかったと思える…

ちょっと行けばある田舎の夏

『翔太の夏』(2008年)那須正幹作 スカイエマ絵 旺文社 ずっこけシリーズで有名な那須正幹さんが描いた、田舎の少年たちの夏。これは、男子が好きそう。 舞台は瀬戸内海の町から車で30分ほどのところにある山里だそうで、今でもまだまだ豊かな自然があるそ…

住職最高!『小やぎのかんむり』

『小やぎのかんむり』(2016年)市川朔子作 講談社 今日の一冊はコチラ。 市川さんの描く物語は、『よるの美容室』(記事はコチラをクリック)もそうだったけれど、丁寧で、優しくて、登場人物とお友だちになってしまう。だから、心に残る。うっかり電車の中…

よるの美容院

『よるの美容院』(2012年)市川朔久子作 講談社 234頁 第52回講談社児童文学新人賞受賞作 とても優しくて、穏やかな時間が流れている物語。色々あるけれど、人っていいな、と思わせてくれる。ああ、これはドラマ化とか映画化されたものを見たいなあ。 ≪『よ…

歴史にするには早過ぎる

『太陽の子』 灰谷健次郎作 角川文庫 今日は沖縄慰霊の日だそうです。お恥ずかしながら、私知りませんでした。沖縄好きで、何回か遊びに行っているというのに!Yahooニュースにも載りませんしね・・・。教えてくれたKさん、ありがとう!というわけで、今日の…

金曜日のマイナー本『おかしな金曜日』

『おかしな金曜日』(1985年) 国松俊英作 偕成社 ほとんどの人がブログなんて見ないであろう、しかも一日の終わりかけの金曜日には、こんなマイナー本(もちろん)をご紹介。 いや、マイナーと言ってもですね、日本の児童文学史上では、とても意味のある作…

お金持ちのはした金?いいえ!!

『ビルマの竪琴』立山道雄著 新潮文庫 1959年 ミャンマー帰りなので、今日の一冊は、やっぱり『ビルマの竪琴』! 小学校2年生のときに、まだ白黒バージョンだった映画を見て、その後原作も読んで、深く心に刻まれた物語でした。 もっとも作者は現地を訪れた…

児童養護施設のイメージって?

『チャーシューの月』村中李依作 小峰書店 222頁 2013年 我が家でホームステイを受け入れている里子ちゃんの児童養護施設での進級&出立式でした。 というわけで、今日の一冊は2013年に読書感想文コンクール中学生部門の課題図書にもなった『チャーシューの…

数字アレルギーの私を変えた一冊

昨日は、今年に入ってからずーっとやってみたかった“素数曼荼羅”(糸かけ曼荼羅)にチャレンジ! 2017年って素数年なんですよね。 知り合いが写真アップしてるのを見たときから気になっていて、三男の自主保育仲間のお知り合いが教えてくださるというので、…

お狸さま我が家に現る

『おきんとおたぬきさま』筒井敬介作 若葉珪画 小学館 一昨日、かわいいかわいいお客さまと遭遇。まだ真っ暗な明け方、玄関を開けてみればそこには、お狸さまが~。 しまい忘れていた宅配BOXの中のパン(上の段のBOXをどけ、真ん中の段にあったもの!…

『かおるが見つけた小さな家』

『かおるが見つけた小さな家』征矢清作 大社玲子画 あかね書房 小学校中級以上・161頁・1975年 今月のテーマ『鳥』を読みつつも、11月の児童文学ピクニックのテーマだった『老人と子ども』が面白すぎて、引き続き読み続けています。 この昭和の時代を感じる…

GOGOビリ!

岡田淳作 偕成社文庫 186頁 小学校中級から 2006年 『二分間の冒険』をはじめ、子どもたちからとっても人気のある作家岡田淳さん。今ごろ!?って感じですが、実はこのたび初めて読んでみました。 『びりっかすの神様』を選んだ理由は、活字嫌いの長男(小5…

ボクシングデーに『星のかんむり』

『星のかんむり』谷村まち子著 ヨルダン社 1966年 140頁 小学校中級から 昨日はボクシングデーでしたね。海外の児童文学を読んでいると、時々出てくる耳慣れない言葉、ボクシングデー。頼れる(笑)Wikipediaによりますと、クリスマスの翌日(12月26日)で、…

葛藤と音楽と『聖夜』

毎年クリスマスが近づくと読みたくなる物語。この物語のおかげで自分の幼少期の記憶が鮮やかによみがえったから。 幼い頃の、クリスマスの光景がふと頭に浮かんだ。・・・・・・ろうそくの炎で、ゆったりと回転する、金属の天使たち。・・・・・・クリスマス…

見方が変わる!『おじいちゃんのゴーストフレンド』

『おじいちゃんのゴーストフレンド』安東みきえ著 杉田比呂美絵 佼成出版社 2003年・95頁・小学校中学年から・絶版 前回のヨーンじいちゃんが、自己主張の塊だったとすると、主張が薄いながらも愛おしいのが、我らが日本テッちゃんのおじいちゃん。著者の安…

これ読んだら飯田線乗りたくなる!

『カネト 炎のアイヌ魂』沢田猛著 こさかしげる絵 ひくまの出版 私にしては珍しく伝記文学に手を伸ばしてみました。日本の鉄道の歴史に残るべき人物でありながら、アイヌであるがゆえに、忘却の彼方に押しやられていた(by椋鳩十) え、アイヌの人たちが?北…

『四月は君の嘘』&『黄色い目の魚』

昨日はJK(女子高生)里子ちゃんのリクエストで『四月は君の嘘』を見て参りました。自分じゃ絶対見ないタイプの映画(笑)。ピアノを弾けなくなってしまった天才ピアニストの高校生(山崎賢人)と実は難病を抱えている自由奔放なヴァイオリンニスト(広瀬す…

太郎三部作と小澤昔ばなし研究所

鎌倉市の図書館では、11月にファンタスティック・ライブラリーという週間があるのですが、そこで図書館とともだち・鎌倉では11月11日(金)、12日(土)に松谷みよ子展をすることになりました。微力ながら私も少しお手伝いをさせていただくことにな…

日本にもあった理想郷?『アヴェマリアのバイオリン』

『アヴェマリアのヴァイオリン』香川宣子著 角川書店 昨日『アラスカの小さな家族 バラードクリークのボー』で、多文化共生の理想があったと書いたのですが、日本にもあったんですよねえ。それが『アヴェマリアのヴァイオリン』に出てくる徳島県にある板東俘…

忍者村&忍者本少々

キャンプは1日目は夜からの雨でしたが、2日目、3日目はもう大変なことに(笑)。これ、どんな試練~!?と一瞬頭をよぎりましたが、ふと横を見れば水の流れる導線作って、この上もなく楽しそうな子どもたち。 改めて教えられました。それって問題?それとも…