Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

落ち着いて読書できないときの助っ人

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昨日は、三男が所属しているジュニアオーケストラのミニ演奏会でした。

会場では、ほかにもさまざまなグループの音楽の演奏があって、久々のミニお祭りで子どもたち大はしゃぎ!

お化け屋敷やヨーヨーすくいを楽しみました。

 

三男はチェロを弾いているのですが、チェロって人間の声に一番近い音域を持つ弦楽器なんですって。だから、聞くと落ち着く(三男が家で練習することは皆無ですが笑)。

 

というわけで、今日はチェロが出てくる絵本をご紹介。

セロ弾きのゴーシュ』はみなさんご存知だと思うので、それ以外をご紹介しますね。

 

『Oじいさんのチェロ』(2001年)ジェーン・カトラー作 グレッグ・コーチ絵 タケカワユキヒデ訳 あかね書房

まず、絵がとっても素敵。だからこそ、“戦争”という暗いテーマでも読み進めることができる気がします。戦争の被害者はいつだって、弱き者たち。そんな彼らの心をなぐさめてくれ、勇気や力をくれたのが、チェロの音色だったのです。音楽の美しさが、余計に戦争などという愚かなことを繰り返してはいけない、と感じさせてくれます。

 

『1000の風 1000のチェロ』(2000年)いせひでこ作・絵 偕成社

阪神淡路大震災復興支援チャリティー「1000人のチェロ・コンサート」のことを描いた物語。参加している人たちの背負っているもの、思いに胸がきゅっとなります。音楽って祈りなんだなあ。

 

『チェロの木』(2013年)いせひでこ作・絵 偕成社

こちらが、個人的には一番好き。すいこまれるような美しさの森の光景。森の中の光や空気を感じて、森の木を使って作られる楽器たち。森の風、川の音、小鳥たちのさえずりたちが楽器から聞こえてくる。職人ファンとしても読んでいて楽しいし、なにより“命”のつらなりや希望を感じる素敵な一冊なんです。見ているだけで、心が豊かになれるような気がします。

 

夏休みって、夏休みって、子どもたちが家にいて嬉しいけれど......結構母にとっては過酷月間ですよね。あれ、うちだけかな(笑)?なかなか落ち着いて本は読めない。そんなとき、手軽にすぐ読める絵本たちが、心を整えてくれるんです。落ち着いて読書できないときの助っ人。

 

みなさま、楽しい夏休みをば!