Pocket Garden ~今日の一冊~

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中高生からの政治

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『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』(2019年)ブレイディみかこ著 新潮文庫

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今日の一冊は、児童文学ではないのですが、4月から高校生になる長男に政治系の本でおススメを聞かれたので、中高生でも読めるものとしてご紹介。

 

いやあ、驚きました。

まさか、長男がねえ。風は突然吹いてくるんですね。

 

うちの長男、ブログでも何度も暴露してしまっていますが、とにかく本を読むのが苦手。文字が苦手。漫画ですら、“絵しか見ない!”と威張ってるほどです。

そんな長男がですよ?

「最近、新聞読んで政治とかに興味を持ってるので、おススメの本を教えてほしい」

と突然言ってきたんです。本もびっくりだけど、政治に興味を持ったのにも、もうビックリー!

 

どうやら、先輩の影響らしいのですが、成長を感じる(感涙)。

 

しかし、私、政治的なものあまり読んでいなくて。どなたか、おススメあったら、ぜひ教えてください。

 

ちなみに、私が長男に最初にススメたのは、こちらです↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

長男の学校は、貧困問題への関心も高く、活動も行っていたりもするので、まずは物語で、追体験してほしかった。政治を本や新聞の中の世界ではなく、自分事、身近に感じてほしかった。というのも、私自身が長年、政治を身近に感じられなかったから。

 

次におススメしたのが、今日の一冊です。

……まあ、肝心の長男は、どちらもまだ読んでおらず、教えてといったわりには画面ばかり見とりますが(笑)。

 

ブレイディみかこさんといえば、こちらを読んで、イギリスの話ではあるものの、初めて政治を身近に感じられたんですよね。↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

で、今回の『THIS IS JAPAN』。積読状態でしたが、長男に聞かれて、急いで読みました。興味深かったです!いやね、最初のほうはイギリスの話が多くて、いつになったら日本が出てくるんだろう?って感じでもあったのですが(笑)。でもね、やっぱり外を見ることで、比較することで、日本の姿が浮き彫りになってくるんですよね。

 

「考えたくない」日本人。

私もそうだったかも。

そして、世の中を変えることに興味を持って運動していた学生たちも、社会人になると忙しすぎて、その暇すらなくなっていくと……。

 

なぜ日本では草の根アクティヴィストが育たないのか。

なぜ日本のNPOは、政治とか政策とかいうマクロな話ができないのか。

 

ミクロ(地べた)にマクロ(政治)を持ち込め!

 

そうか、思ってみればそうだなあと思うことがいっぱい。

 

個人的に印象的だったのは、ミクロからマクロに向かわない考え方に慣れると、運動も地べたの切実な問題を訴えるのではなく、いきなり手もとから遠いところの問題に向かってしまう、というところ。安保法制も政府の思惑で、そちらに意識を向かわせて抽象論を展開しておいて、暮らし自体をみさせないという、と。

 

“……憲法9条を守れ、戦争を起こすな、と言っていますけど、戦争をなくすのに一番有効なのは貧困をなくすことです。貧困、格差、差別、抑圧をなくすこと。戦争に行きたいと思う人たちは、自分は報われていないと思う人たちですから。”(P.90)

 

そうなんですよねえ。

 

ブレイディみかこさんは、日本滞在中に色んな人をたずねるのですが、最後に青空自主保育で締めくくられたのにも驚きました(うちの三男は青空自主保育出身)。

 

さて、私は長男からのおススメのこちらを今から読みます。長男もまだ読み途中らしいですが(笑)↓

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『14歳からの社会学 これからの社会を生きる君に』(2013年)宮台真司著 ちくま文庫


おススメがあったら、ぜひ教えてください!