Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

現代っ子にも通じる良質児童文学

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『ゆかいなホーマーくん』(2000年)ロバート・マックロスキー作 石井桃子訳 岩波書店

※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中!

(できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑)

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今日の一冊は、THE☆児童文学のコチラ!

 

きっかけは突然に……。

 

我が家の息子たちは、残念ながら誰も読書が好きではありません(いまは、まだ←希望をこめて)。我が家の子どもたちの読書体力はこんな感じ↓

 

◆高1長男:見ていてかわいそうになるくらい、とにかく文字が苦手。真面目なので、学校の課題図書は読むけれど、内容が入っているとは到底思えない。生きづらそうな彼を見てると、本が味方になってくれるのにな、という思いもついつい持ってしまう。けれど、彼は彼なりに本なしでも学び成長していくのでしょう。

 

◆中1次男:読めるけど読まない人(今は漫画のほうに夢中)。読んでる冊数こそ少ない(1年に2~3冊)けれど、彼の読解力はすごい(←親バカ)。私なんかよりよっぽど深く読み込み、内容を受け止められる人。大人になったら本好きになりそう。

 

◆小3三男:おちゃらけボーイは、本を読むのなんて大っキライ。漫画を眺めてるのは好き(字はあまり読まない)。でも、読み聞かせてもらうのは大好き。

 

さて、今日はそんな三男のお話。

もうね、自分で図書室から借りてくる本がゾロリだったり、おしり探偵系統しかないので、私的には内心ガッカリなわけですよ(本人には言いませんよ?)。

 

そんな長男が、今日の一冊に夢中になったんです!

私からすると、もう奇跡!はじめて自分で読んだ長めの本が、岩波少年文庫だったことに感動(←親のエゴかもですが)。私的には岩波少年文庫で、石井桃子訳となればもうハズレなしなのですが、本を読まない子にとっては敷居が高いかなと思ってたんです。

 

きっかけはね、“超能力”だったんです。

ふぇっ!?って感じですよね(笑)。

 

ある日、なぜか知らないけれど、超能力が使えるようになりたい!と鼻息荒く帰宅してきた三男。

うちのじいじは気功をやっていることもあり、スプーン曲げ程度ならできるのですが、三男が求めているのは瞬間移動とかもっとハイレベルで(笑)。

どうすればできるようになるのか聞かれたので、まずは“集中力”を鍛えることだね、って話になったんです。

 

で、どうすれば集中力を鍛えられるのか。

よく観察して絵を描く、工作など何かを創り出す、あとは読書とかかなあ……

って話したんです。本は嫌いなので、絵を描くのが一番いいかな、と思っていたら手近にあったから本にする、って。

私としては意外だったんです。読書だけは選択しないと思っていたので。押しつけがましくなく、最後にサラリと言ったのがよかったのか!?

手近にあること大事!!!思い立ったら、身近に良書があること、大事!!!

 

で、超能力のために、はじめて三男は3時間くらい通しでめちゃめちゃ集中して読書をしました!いままで10分も続けて読めなかったのに、いきなり3時間。恐るべし、超能力の魅力(笑)。

 

ただ、私的には不安もあったんです。果たして、1940年代に書かれた古き良き児童文学の王道であるホーマーくんが、現代っ子に受け入れられるのか。

ユーモラスとはいえど、このユーモラスさが昭和世代以降の現代っ子に通用するのか。

 

通用しました!

いままで読んだ中(っていままで読んでないじゃーん、というのは置いておき)で、一番面白かったそうです。

 

嬉しかったなあ。

主人公のホーマーくんはアメリカの田舎に住んでいて、機械いじりが大好き(←男子はこれだけで惹かれますよね!)

強盗が出てきたり、ドーナッツが山ほど出てきたり。楽しい、楽しい。

どこか飄々としているホーマーくんは、男子ウケいいこと間違いなし。 

どちらかというと絵本のほうが有名なマックロスキーの挿絵も、もう素敵で。                                                                                                              

ああ、こういう本を楽しいと思ってくれたことが、たまらなく嬉しい!

あきらめず、さっと差し出せるようにやっぱり、種まき続けていきたいな、と思いました。