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大好きで、学生時代にもう何回読み返したことでしょう。
私が読んだのは、中公文庫版でしたが、今は角川文庫なのですね。
中公文庫版は、赤い表紙が不穏な感じで、なぜこの表紙?と印象的だったなあ。そして300円でした(時代!笑)↓
さて、内容はというと、
戦後まもない頃に日本中を虜にした、時代を切り開いた女性の欧米滞在記!
1948年、米国に留学中だった著者は、サナトリウムで療養しながら「起業」し、そのお金でヨーロッパに旅立った――。渡航が難しい時代に世界を渡り歩いた女性が残した、驚きと発見溢れる旅文学の金字塔!(出版社HPより転載)
犬養道子さんは、犬飼毅元首相のお孫さんで、評論家・小説家。
渡航が難しい時代の話。スケールの大きさや、家柄的にもあまりにも一般人とは違いすぎて、共感というよりは、驚きの連続で感心ひとしきりだったものです。
どの章も甲乙つけがたいくらい面白い!!!が、夢中になったわりには、内容は覚えていなくて(笑)。でも、とにかく面白かった!ということだけは覚えてる。
読んだそばから忘れていくので、何度読んでも楽しめる私(←ポジティブ)。そんな私でも、この本の中で強烈に覚えているエピソードがあって。それが、彼女がアメリカで言われた一言なんです。
という言葉。ガツンと来たんですよね。そうだなあ、って。当たり前じゃないか、と思いました?でもね、これ意外と混同してると思うんです。
いま読み返してみたら、「アメリカ人ほどいちがいに総括出来ない国民は他にはいない(人種のるつぼ)」、という意味合いで、それぞれ気性や考え方は出身国のものという話だったのですが、私はずっとその土地に暮らしている人でも、同じことが言えると思うんです。国(の政策など)とそこに暮らす人(の考え方)は違う。
私は学生時代に一年間交換留学でニュージーランドに行ってたことがあるのですが、行った大学先にはありとあらゆる国からの留学生が来ていたんですね。そんな中で、“日本人は〇〇だから”とレッテルを貼られることがすっごく嫌だった。たとえ、それがいいことだったとしても。ましてや、アジア人はとか広く括られるとね。generalize(一般化)しないでー、って。ところが、ですよ。差別とかにあうと、自分も“やっぱりこれだから白人は”と思ってる自分に気付いて、愕然としたのです。同じやん。
そして、いま。世間が、ロシア=悪となって、やたらと叩く風潮が気になります。
ロシアというだけで、ロシアの食材店が攻撃されたり、ロシア料理を紹介しただけで、料理家が批判されたり。ヘイト関連ニュースを見ると、この言葉を思い出すんです。同じ国に住んでいたって、考え方は千差万別。家族内だって、考え方が違う。← 自分に言い聞かせてます。
こんな風に、その本に書かれていたたった一文が、のちのちの考え方にまで影響を及ぼすことってあるんですよね。もちろん、本でなくてもよくて、誰かに言われた一言とかもあると思います。でもね、そんなスケールの大きい体験できない、とか、周りにそんな素晴らしい人いない、という人もいい本を手に取れば、そこに出合いがある。気づきがある。やっぱり本っていいなあ、って思うんです。手にさえ取れば、誰にでも開かれてるから。
みなさんが、忘れられない本からの一文ってなんでしょう?
よかったら、聞かせてください。