Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

中高生におススメの本25選!

f:id:matushino:20200619182319j:plain

多感な時期に良書に出会ってほしい!

 

 

中高生におススメの本を聞かれたので、今日はその特集です。

 

中高生って悩み多き時期なので、楽しい本をおススメしたいのですが、冒険ものやファンタジー、楽しい本はきっと自分たちでもセンサーが働いて選べますよね。

 

なので、こちらではあえて地味?骨太本?手渡さないとなかなか手に取ることがないだろうなあ、という本を選んでみました。その中でも、紹介しなくてもよさそうな有名どころ(『ゲド戦記』などや岩波少年文庫)はあえて省いてあります。

 

中高生以上におススメなので、もちろん大人にもおススメです!

 

 

■ 多様性を知る

 

f:id:matushino:20200619182818j:plain

『ピーティ』(2010年)ベン・マイケルセン作 千葉茂樹訳 鈴木出版

 

▼ 障害を持つ人への目が変わる!

「この本を読んだ子と読んでない子では人生が変わるだろうね」と、普段あまり本を読まないうちの夫に言わしめた本。ノンフィクションだと東田直樹さんの『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』(角川文庫)もおススメ。詳細は過去記事をどうぞ↓

matushino.wixsite.com

 

 

 

f:id:matushino:20200619183139j:plain

『ジョージと秘密のメリッサ』(2016年)アレックス・ジーノ作 島村浩子訳 偕成社

 

▼ 性同一障害への理解に

作者自身もトランスジェンダーなので、どういう言葉に傷つくのかなどとても具体的で、ハッとさせられます。最後はとても温かな気持ちに包まれる良書。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

 

 

f:id:matushino:20191113002457j:plain

『むこう岸』(2018年)安田夏菜著 講談社

▼ 日本にもある子どもの貧困を知ろう

こちらは話題にもなり有名な本ですが、重いテーマって、なかなか自分からは手に取ることがないかもしれないので。今の日本でこういうことが起こっているということに無知でいたくない、大人も子どもも。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

f:id:matushino:20200619183550j:plain

『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』(2013年)フランシスコ・X・ストーク作 千葉茂樹訳 岩波書店

 

▼ 発達障害の魅力を知る

発達障害もただの一個性とはよく言われるところですが、物語を通して私は初めて実感できました。マルセロは細かくてめんどくさいところもあるけれど、なんて魅力的なこと!!!

このブログではまだ紹介していないので近日中に詳しく紹介しますね。

 

 

 

f:id:matushino:20200128104328j:plain

『どこまでも亀』(2019年)ジョン・グリーン作 金原瑞人訳 岩波書店

 

▼ 強迫性障害を知る

強迫性障害を持った中の人を追体験できるのは読書ならでは。こんな風に世界が見えるのか、と驚きます!ミステリー要素も少し入っていて、グイグイ読ませます。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

f:id:matushino:20191212202550j:plain

『ホエール・トーク』(2004年)クリス・クラッチャー作 金原瑞人、西田登訳 青山出版社

▼ これぞ多様性!ハミ出しものたちの熱い物語

訳者の金原瑞人さんがあとがきで、「相手の好みなどきくまでもなく、とにかく読んでみてくれと突きつけたくなる本というのもごくまれにある。そして、これはそういう類の物語だ」と述べられています。重たいテーマですが、グイグイ読ませます!品切れなので、電子書籍版か図書館で。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

■ 逆境に負けず生き抜く力

 

f:id:matushino:20200619184612j:plain

『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』(2012年) マーギー・プロイス作 金原瑞人訳 集英社

▼ 自分なんてというときに力をくれる

自分にも世界が変えられるかもと気付かせてくれる一冊。教科書からは見えない歴史が見えてきて、歴史に興味のない人でも(つまりは私がそうだったのですが)夢中になれる!彼に生き方を通じて、励ましをもらえます!詳細↓

matushino.wixsite.com

 

f:id:matushino:20200619185040j:plain

『わたしがいどんだ戦い 1940年』(2019年)キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作 大作道子訳 評論社

▼ 人は変われるということを教えてくれる本

課題図書の中では珍しくよかった(←上から目線笑)本です。続編『わたしがいどんだ戦い1940』と一緒にどうぞ。ストーリー展開もテンポ良く進み、ドラマチック。主人公が勝気なところがいい。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

f:id:matushino:20200523101014j:plain

『マルベリーボーイズ』(2009年)ドナ・ジョー・ナポリ作 相山夏奏訳 偕成社

▼ とにかく生き抜く!
絶版なので、図書館でぜひ。アメリカ移民時代のサクセスストーリーとしても面白く、自分の逆境が何でもないことのように思える。とにかく、たくましい!これなら男子にもおススメしやすい!詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

f:id:matushino:20191216183105j:plain

『豚の死なない日』(1999年)ロバート・ニュートン・ペック作 金原瑞人訳 白水社

▼ 素朴で誠実な生き方と出会う

続編と一緒にぜひ。貧しくあっても、誠実に誇り高く生きるとはどういう生き方なのか、それを教えてくれる本。地味かもしれないけれど、深く心に残る一冊です。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

■ 世界の社会情勢に目を向けるきっかけに

 

f:id:matushino:20190722164515j:plain

『片手いっぱいの星』ラフィク・シャミ作 若林ひとみ訳 岩波書店

▼ シリアを知る

品切れ。シリアの過酷な状況の中でできることをする少年に感動。思わず同じ年の日本の子と比べてしまう。日記形式で一つ一つが短いので本が苦手な子にも。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

f:id:matushino:20200619190444j:plain

『路上のストライカー』(2013年)マイケル・ウィリアムズ作  さくまゆみこ訳 岩波書店

▼ 壮絶なアフリカの状況から共生のヒントを学ぶ

こんな過酷な人生を送っている人たちが同じ地球上にいるだなんて!知らないのは恥ずかしい。でも、共生、共生っていうけど、一体どうすりゃいいの!?そのヒントがここにはあります。

matushino.wixsite.com

 

f:id:matushino:20200619190730j:plain

『ぼくたちの砦』(2006年)エリザベス・レアード作   石谷尚訳 評論社

▼ サッカーを通じてパレスチナ問題を知ろう

異文化なのにこんなにも共感できるだなんて。なぜテロをする人が英雄視されるのか、この物語を通じてはじめて理解できた気がします。詳細↓

matushino.wixsite.com

 

f:id:matushino:20190807173442j:plain

『わたしは、わたし』(2010年)ジャクリーン・ウッドソン作 さくまゆみこ訳 鈴木出版

▼ アイデンティティって何だろう

裁判で重大な発言をした者が、危害を加えられたり殺されたりしないように保護する制度によって、身の安全は保障されたもののアイデンティティを奪われる苦しみ。アメリカでの黒人差別問題を知るきっかけにも。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

■ 平和を考える

f:id:matushino:20200619191655j:plain

『弟の戦争』ロバート・ウェストール著 原田勝訳 徳間書店

▼ 戦争を自分事にしてくれる一冊

遠い戦争を自分事として考えるのって、正直難しいですよね?重たいテーマだし、積極的に読みたいとは思わない。でも、この一冊は、ニュースや教科書からは見えてこない“向こう側”にいる人が見えてくる。自分事として捉えさせてくれる貴重な追体験です。イギリスで子どもたちからの支持がとても高かった本だそう!だから、大人からの押しつけじゃないんです(←ココ大事)。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

f:id:matushino:20200619192017j:plain

『キジムナーkids』(2017年)上原正三著 現代書館

▼ 沖縄の本当のすごさを知る

修学旅行で沖縄に行く人も多く、悲劇についてはよく聞くでしょう。でも、本当の沖縄のすごさとは?それは、包容力。底力。最初は方言が読みにくいけれど、生きるたくましさを知る一冊です。詳細↓

 

matushino.wixsite.com

 

f:id:matushino:20190810201802j:plain

ヒットラーのカナリヤ』(2008年)サンディー・トクスヴィグ作 小野原千鶴訳 小峰書店

▼ 国じゃない個人の選択なんだ
 絶版なので図書館か中古で。10日間に及ぶデンマーク人によるユダヤ人救出劇。果たして自分だったらどうしただろう?そう自問自答せずにはいられなくなる一冊で、国の方針じゃない、最後は個人の選択ということを教えてくれる本。詳細↓

jidobungaku.hatenablog.com

 

 

■ 進路に悩む時に

f:id:matushino:20200619192755j:plain

『庭師の娘』ジークリート・ラウベ作 若松宣子訳 中村悦子絵 岩波書店

▼ 時代、性別の制約に負けない!

何かやりたいことがあるけれど、周りに気を遣って不本意な道を歩もうとしている人には、ぜひ手渡したい。「望みをねじまげて生きていたら、心が石になってしまう」、その前にどうぞ。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

f:id:matushino:20200619193244j:plain

『剣と絵筆』(1981年)バーバラ・レオニ・ピカード作 平野ふみ子訳 すぐ書房

▼ 無駄な経験などない!

絶版なので図書館で。無駄な経験は何一つないとはいうけれど、渦中にいるときは実感できませんよね?この物語を読むとそれが、ほんとーーーーによく分かる。装丁が読みづらいのですが、骨太で一生忘れられない一冊になることでしょう!ぜひ復刊してほしい(装丁変えて……笑)。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

f:id:matushino:20200619193613j:plain

『おとうさんの庭』 ポール・フライシュマン作 バグラム・イバトゥリーン絵 藤本朝巳訳 岩波書店

▼ 答えは自分が知っている

品切れなので、見かけたらぜひぜひ!こちらは絵本なのですが、もう文学です!選択の時期にある人にはぜひ出会ってもらいたい物語。これ潜在意識との対話だなあ、って。自分をよくよく見つめていると本当にやりたいことが見えてくる。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

 

■ 意外と知られていない古典名作

 

f:id:matushino:20200619193851j:plain

『太陽の戦士』(2005年)ローズマリ・サトクリフ作 猪熊葉子訳 岩波書店

▼ 届きそうだった夢が挫折したときに

サトクリフのものは何でもおすすめです!大昔から挫折や葛藤は変わらないんですよねえ。時代を超えて、共感できる骨太文学。詳細↓

matushino.wixsite.com

 

f:id:matushino:20200619194738j:plain

『そばかすの少年』(2015年)ジーン・ポーター 村岡花子訳 河出書房

▼ 学ぶ楽しさを知る!
『そばかすの少年』『リンバロストの乙女』と続けてどうぞ。博物学者が書いているのでそのあたりも興味深いんです。そばかすのほうでは木、リンバロストでは蛾に夢中に。学びたくなりますよ!詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

■ その他

 

f:id:matushino:20200619195235j:plain

『海の島 ステフィとネッリの物語』(2006年)アニカ・トール作 菱木晃子訳 新宿書房

▼ 朝まで読みふけりたいなら

ステフィとネッリのシリーズ四部作(大河ドラマ!)です。スウェーデン疎開したユダヤ人姉妹の物語なので、戦争文学の分類かもしれないけれど、少女の成長物語。2巻以降は恋愛ありで、ちょっと大人びてます。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

f:id:matushino:20200619195723j:plain

『たんぽぽのお酒』(1997年)レイ・ブラッドベリ作 北山克彦訳 晶文社

▼ 孤独を感じるときに

誰にも理解されないと感じたときに。読書体力のある子向けかも。詳細↓

blog.goo.ne.jp



 

f:id:matushino:20200619200133j:plain

『ナゲキバト』(200年)ラリー・バークダル作 片岡しのぶ訳 あすなろ書房

▼ 取返しのつかない失敗に苦しんでいるときに

人生そこで終わりと思っても終わりじゃない!隠れた名作です。心撃ち抜かれます。詳細↓

blog.goo.ne.jp

 

 

 

その他、本が苦手な子にはまはら三桃さん、市川朔久子さん、森絵都さんあたりがおすすめです。

 

長いのに最後までお読みいただき、ありがとうございました!

リンク貼るのが中心なので簡単だろうとまとめはじめたら、ものすごく時間がかかってしまい、途中泣きたくなりました(笑)。