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今日の一冊は以前も紹介したコチラ。
いまこそ読み直したい一冊なので、もう何度でも紹介しちゃいます。
≪『弟の戦争』あらすじ≫
他人の感情をそのまま感じてしまう心優しいフィギスは、ある日自分はイラクのラティーフという少年兵だと言い始める。湾岸戦争が始まった年のことだった。その弟の秘密に一人気づく兄。どうすれば弟は助かるのか。やがてこの世には科学では説明のつかないものもあると理解してくれる精神科医のラシード先生に出会い、少しずつフィギスはラティーフから解放されていく。
舞台は平和なイギリスです。これは、本当に読んでほしい一冊!戦争現場の悲惨さを直接は描いてはいないのです。フィギスにラティーフというイラクの少年兵を憑依させ、ただ淡々と向こう側の人を見せることによって、一気に戦争を自分の問題として考えられるようにしてくれる、画期的な物語なんです!
読んだとき、何が一番衝撃的だったかってね、無意識下にせよ、自分も”アメリカ人の命のほうがイラクの人々の命よりも尊い”、とどこか感じていた部分あったのではないか、ということ。それを突き付けられたこと。
希望も何もないラティーフの世界をフィギスを通して見ると、とたんに見え方が変わってくるんです。
こんな世界に誰がした?
戦争に限らず、立場が違えば違った現実が見えてくる、それをこの物語は教えてくれます。
じゃあ、今のロシア・ウクライナ情勢は?
戦争は、何があっても私は嫌です。
いつだって犠牲になるのは、権力を持たない一般市民だから。
それが、大前提。
そのうえで、いっせいにプーチンを叩く今の世の中の風潮が、ちょっとコワイなとも思う今日この頃です。離れた安全なところにいる人たちの正義感がコワイ。背景を知ろうとせずに、イメージで叩く人たちがコワイ。平和主義者たちの平和とはほど遠い強い言葉がコワイ。......気づくと自分もそうなってそうだから、コワイ。
本当に平和を望むのなら、その背景を知ろうともせずに正義感だけで叩いても終わらないよね、って自分に言い聞かせてます。また、西側の提供する情報だけで、背景を知った気になるのも危険。物事を多角的に見ること、忘れちゃいけないって思います。
今回、ウクライナの難民を受け入れるEU諸国の対応を素晴らしいと感じた方も多いことでしょう。確かに困った隣人に手をさしのべるのは素晴らしい。でも、同じ人たちにこんな側面もあります。さあらさんのブログを読んで、ハッとさせられました ↓
メディアで見るとね、まるで今、ロシアとウクライナしか問題がないように見えますが、現在も紛争中の国ってほかにもいくつもあるんですよね......。報道されないから目に入ってこないだけで。それを、忘れたくない。下記の動画もショックですが、短いので一度は見てみるのおすすめです ↓
2014年にNGOセーブ・ザ・チルドレンが作成したものですが、これ見たときは衝撃でした。
私、自分はシリアの人たちに対して偏見ないほうだと思ってたんですよ。でもね、シリア難民の人たちを見ても、この動画見たときほどのショックは正直覚えなかったんです。先進国の子どもに同じことが起きているほうが、ショックを受ける、というのはどういうこと・・・!?見慣れちゃってるところがあるんだと思います。シリア、アフリカなどの子どもたちが苦しむ姿を。
報道されないところでも、世の中には色んな悲惨なことが起こっている。じゃあ、私たちは、私自身はどうすればいいのか。答えは簡単には出てきませんが、他者への想像力をもって、問い続けていきたいと思います。