Pocket Garden ~今日の一冊~

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自然と共にある暮らしの本7選

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はああ、こんなピクニックしたい(花より団子)

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毎日雨ですねえ。雨音聞きながら読書をするのが好きです。一歩も家出たくない。引きこもって、ひたすら読書できたら最高なんだけどな~、と思う日々。

 

さて、今月も某紙面でお薦めの本紹介したので、こちらでもご紹介。

コロナ禍ですからね、こんなときこそ“自然と共にある暮らしの本”というテーマで7選ご紹介しました。

 

このテーマでは、おススメしたい本が実はありすぎて、7選に絞るのが、いやあ大変でした。なので、手渡さないと出会えないかな?と思われるもの、入り口として入りやすいもの、逆にマニアックなものと織り交ぜてみました。

 

【目次】

 

 1.『ツバメ号とアマゾン号

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ツバメ号とアマゾン号』(2010年)アーサー・ランサム著 神宮輝夫 岩波書店

まずは、コチラ! ランサムサーガと呼ばれるシリーズ全12巻の1巻目ですね。1巻以降は順番に読まなくても、大丈夫。単独で楽しめますが、まずは1巻から始めたほうが人物関係が分かるかな。

 

内容は、小さな帆船“ツバメ号”に乗り、子どもだけで(!)無人島での夏休みを過ごすウォーカー4兄弟の冒険物語です。アウトドア万歳。こんな夏休み過ごしてみたい!と時代を越えて楽しめること間違いなしです。こんな恵まれた休暇は、現実的にはなかなか過ごせないけれども、ごっこ遊びや空想ならいますぐにでもできそうで、ワクワクする1冊です!自然の中へ飛び出して遊びたくなりますよ~。

 

2.『リンバロストの乙女』

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『リンバロストの乙女』(2014年)ジーン・ポーター著 村岡花子訳 河出書房新社

リンバロストの森の端に住み、学校に通うために虫の収集で学費を稼ぐ、少女の自立の物語。博物学者でもある著者による、確かな自然描写が魅力の一冊です。蛾がこんなにも興味深いとは!蝶はキレイ、蛾は嫌!という概念が覆りますよ~。学びたいという強い意志、そして、母との確執を乗り越える少女の姿に励まされます。村岡花子さんの訳すものがお好きな方なら、気に入ること間違いなしです。

 

 3.『海辺の宝もの』

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『海辺の宝もの』(2012年)ヘレン・ブッシュ著 鳥見真生訳 あすなろ書房

12歳で世界的な大発見をした、世界初の女性化石採集者メアリー・アニングの数奇な運命をたどる伝記物語です。実は、私、伝記ものが苦手なのですが、これは主人公の心情描写が多いので、ぐいぐいと引き込まれました!

 

化石の魅力が詰まった一冊で、化石に興味のなかった人(私)でも、その魅力に魅了されてしまうこと間違いなし。急に博物館で見る化石たちがイキイキと見えてくるから不思議。たとえ無学でも、自然の中で好奇心を失わないことは、すべて学びにつながるということも教えてくれる物語です。

 

4.『トナカイに生かされて シベリア遊牧民ネネツ』

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『トナカイに生かされて シベリア遊牧民ネネツ』(2020年)長倉洋海写真・文 福音館書店

シベリアにトナカイと生きる遊牧民ネネツの家族の暮らしを追いかけた写真絵本です。短いのにエッセンスがぎっしり。トナカイで暮らしのすべてをまかなう人々が、同時代にまだ生きている。そのことを知ることは大いなる希望なんですよねえ。「自分は世界で一番幸せ」と言い切る彼らから感じ入るものは大きいです。

 

5.『樹木たちの知られざる生活:森林管理官が聴いた森の声』 

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『樹木たちの知られざる生活:森林管理官が聴いた森の声』(2018年)ペーター・ヴォールレーベン著 長谷川圭訳 早川書房

 

樹木の驚くべき社会的営みを豊かな経験と科学的事実に基づき描く傑作。ファンタジーじゃないんです、科学的事実に基づいてるから、万人に説得力がある。樹木たちが社会性をもって、お互いに助け合って生きているなんて、驚きですよね!いや、個人的にはもともとそう思ってたから驚かなかったけど(笑)、でもそれが科学的にも証明されたのが嬉しい。ここに書かれていることを知ると、世界観が変わること間違いなしで、散歩をする際に樹木を目にしても見える景色が変わると思います!

 

 6.『英国貴族、領地を野生に戻す:野生動物の復活と自然の大遷移』

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『英国貴族、領地を野生に戻す:野生動物の復活と自然の大遷移』(2019年)イザベラ・トゥリー著 三木直子訳 築地書館


先端知見を集めた環境復活実験を、ダイナミックに描く全英ベストセラー。上記『樹木たちの知られざる生活』のあとに読みたいのがコチラ!樹木に加え、野生動物たちの復活がどう環境再生に関わってくるのか、ひじょーーーーーに興味深く、未来へのヒントがここにあります!

 

 7.『センス・オブ・ワンダー

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センス・オブ・ワンダー』(1996年)レイチェル・カーソン著 上遼恵子訳 新潮社


いつまでも「神秘さや不思議さに目を見張る感性」を失わないでほしいという願いを、詩情豊かに語ったエッセイ。このブロブでも何回も紹介していますが、最後はやっぱりこちらにしました。いままで紹介してきた本を見て、「あー、でも自分は都会暮らしだしなあ。しょせん無理」と思いがちな人に届けたかったのです。

 

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない、と著者。たとえ都会暮らしでも、センス・オブ・ワンダーさえ見ウシわなければ、驚きと感激に満ちた豊かな人生を送れることを教えてくれます!そう、どこにいても大丈夫!地球に暮らしている限り、見上げれば空がある!風を感じられる!

 

 

まだまだ入れたい本はいっぱいあったんですけどね。

人は、自然から離れると”不”自然になってしまうんだと思います。自然体でいたい。

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