Pocket Garden ~今日の一冊~

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本を手渡すときに大事なたった一つのこと

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本を手渡すことも、愛なんだな、愛

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先日、とある私的なグループチャット内での会話が気づき満載だったので、こちらでもシェア。

 

そのグループは、公共図書館司書、小学校学校司書、大学図書館勤め、書店員などからなるグループで、発端は“中高生に物語の楽しさを思い出してもらうような斬新なブックトークを考えたいのだけれど、ご意見聞きたい”……という問いかけから始まって。

 

そこから、物語って、身の回りにゴロゴロしてて、感じる力だよね、という話になり。押し付けるんじゃなくて、気付かせることが大事なんじゃという話になったのですが、ココから!!!ココから、小学校で日々子どもたちと直接触れ合っているTさんが、言った言葉に私感動してしまったので、紹介させてください!!!(ご本人に転載許可取ってます)

 

以下引用部分はTさんの発言↓↓↓

 

気付かせるというか、、 あなたたちが胸に抱えていることは、この本の中にありますよ。という手渡し方がいいと思うんだ。 わたし、読書活動(学校でおはなしや本の紹介する)5年なんだけど、、 {こちらは知ってる。あなた、知らないよね?〕って渡し方だと、子どもは、「へーーー(すごいねー)(そーなんだぁ)」くらいなんだよね。 それでも、本好きな子は手伸ばすけど、、 最初は、古典のいい本を、「いい本でしょー、知らなかったでしょう?是非読んでみて」みたいに出してたの。 でもね、“いい本”より、自分の心に響く何か“本”が、欲しいんだと思う。 どの子にも物語は流れてる。本読まない子も、物語の中に生きてるから。

 

いい本でしょー、……私もやりがち(猛省)。そして、大事な一文が……

“本読まない子も、物語の中に生きている”

これこれ!!!うちの子はね、読まないんです。時々、正統派読書(?)の人と話してると、うちの子が何だかダメな子のような気がしてしまって落ち込むのですが、でも、読まなくっても物語いっぱい持ってるんだけどなあ、って感じてたから。なんか、すっごく嬉しくなった。個人的には、読まなくてもうちの子たち素晴らしいと思ってたけど(←親バカ)、でも時々寂しい気持ちにもなってたから。読まない子が、まるでまだ目覚めてない子、みたいな扱いされることに。正しい読書なんてないし、何なら読まなくてもいい。

 

視点を本より、目の前の子どもにしたら、、 同じ古典出しても、届け方は変わって、いい意味でよく読んでくれるようになった。

 

わたしみたいな立場、読書活動指導協力者and学校司書だと、、 パッと手が伸びて、どんどん動くものを渡さないと、全く興味持ってくれないかもと、古典勧められない人がいるんだよね。 どこか、たくさん借りてもらえないと良くないみたいなシバリをかけちゃうんだろうね。 でも、古典って、長生きしてるだけで、死んでないじゃん? それだけ長生きって、普遍的だからだから、今の子でも読むんだよね。 ケストナーとか、饒舌でジャマウザってとこあるけど、それは、先にもう言っちゃって。でも、やっぱり面白いんだよ。つて伝えとくと、勝手に面倒くさいとこ、ふんわりすっ飛ばして読むよね。

 

生き物の写真絵本とかしか借りてかない子とかいるじゃん? でもその子と話したりすると、すごぉーく物語があるのよね。 でさ、『クワガタクワジ』とか進めると、大喜びして、読んだりするのよね

 

ミッケとかの子も、あの見開き一ページに長いお話作ってる子もいるし

本って読まなきゃいけないものじゃない。手助けにもなります、くらいだと思う。

一人の世界でありながら、世界とつながれるものだからね。

 

そうなんです!!!

本じゃなくたっていい。スポーツでも芸術でも、アニメだって、なんならゲームだっていいかもしれない。

 

そして、私たち大人は、自分の得意分野の中で、その子に響くものを差し出せたらいいんだと思う。それは、料理かもしれないし、歌かもしれない。私の場合は、たまたまそれが本だっただけ。手渡すとき、Tさんの言葉を心にとめておきたい。

 

本を手渡すときに大事なたった一つのこと、それは、視点を本よりも目の前の子にすること

 

なんだ、そんな当たり前のことか。そりゃ、そうだ、と思いました?でも、これって意外とできてないことだと思うんです。全く悪気なくても、その本の良さを伝えたい思いがあふれるあまり(笑)に押し付けがち。この本の良さを知ってぇー、って。

 

みなさん、それぞれにとっても素敵な意見だったのですが、特に感動したTさんの意見を紹介させてもらいました。Tさんありがとう!