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今日の一冊は、語り手が人ではなく、ワンちゃんのこちら。
冬に向けて、大切な人に贈りたくなる、そんな物語です。
今年のクリスマスは誰にこの物語を贈ろうかな、気が早いけど、読み終えて思わず考えてしまいました。
『テディが宝石を見つけるまで』あらすじ
12歳の少年ニッケルと、その妹フローラは、吹雪の中で迷子になってしまいます。
雪で車が動かなくなり、おかあさんは助けを呼びにいったきり、もどらないのです。
夕暮れどき、途方にくれる二人を助けたのは、詩人の犬テディでした。
二人と一ぴきは、力をあわせ、この難局をのりきろうとするのですが……。
最初はおびえていた幼い兄妹も、なぜテディが森の中の一軒家でひとりぼっちでいるのか、気になりはじめます。その気配を察し、テディがぽつりぽつりと語るのは、詩人のシルバンさんのこと。そこにあったのはたくさんの「物語」、
それは同時にテディがどうやって人の言葉をおぼえたのかという物語、
そして胸がつぶれるような喪失の物語でもありました。(出版社HPより転載)
約90ページのとても短い物語なのですが、悲しみと優しさが染み入るような物語です。心の中にきれいな水が流れてきて、浄化されるような、そんな言葉たち。まるで詩のよう......と思ったら、ひこ・田中さんがAmazonレビューでやはり“詩のような物語”と書かれていました。
語り手でもある詩人の犬テディは、アイリッシュ・ウルフハウンドという種類のワンちゃんなのですが、画像検索してみてください。とーっても大きいんです!子どもと詩人にだけは犬と話ができる、ってなんか分かる気がするなあ。
最後もとても粋で素敵。タイトルの意味が分かりますよ。
ところで、この物語の中で詩人のシルバンさんが好きだったとして、繰り返し出てくるのが『にぐるまひいて』という絵本なのですが、この絵本は私も大好きで。この物語を読み終えた夜、いうまでもなく『にぐるまひいて』を読み聞かせしました!
シンプルで豊かな暮らしがそこにはあります。
そして、パトリシア・マクラクランといえば、やはり短めの物語ですが、『のっぽのサラ』と続編『草原のサラ』もとてもいいので、ぜひ!
心がすさみかけてるとき、パトリシア・マクラクランの言葉を読むと、すっと落ち着く気がします。