今日の一冊は、大人向けのこちら。5月20日に出たばかりの新刊。オランダ語圏のコミックWilly Vandersteen賞受賞とのことですが、コミックというより絵本的。
吹き出しも多いから、コミックの分類なのかな。
満天の星空、夜の海、くじら、ボートに本。もう、それだけで想像が広がります。表紙絵に惹かれて手に取りました。中もオールカラーで、クジラのおなかの中の図書館を見たときは、なぜか懐かしい気持ちにすらなりました。
さて、こちらの物語は大人向けと謳われています。
なぜ、大人向けと謳われているのかを考え続けています。
途中で、男女の全裸の場面が出てくるから?(確かにちょっと、ギョッとはしました。保守的なので笑)
生と死と永遠を理解するには、ある程度の人生経験がないと響かないから……?
あ、でも考えさせられるタイプの本ではありません。
“感じる”タイプの詩的な本。
ワクワクする楽しい物語ではありません。
人生の悲哀のようなものが詰まっている。だからこその悲しみを内包した美しさ。
子どもたちにすすめるかどうかはおいておき、私は好き。
生と死がテーマではあるけれど、説教臭くないし、くじらが出てくる、もうそれだけで好き。
なんともいえない余韻のある物語でした。