Pocket Garden ~今日の一冊~

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THE☆クリスマスな本特集

パーティー三昧じゃなくて、静謐なクリスマスが好き

 

クリスマスが近づいてきました。ちょこちょこクリスマス会という名目のランチ会や飲み会も入ってそれはそれで楽しいけれど、やっぱりクリスマスは静かに過ごすのが好き。

 

というわけで、今日はTHE☆クリスマスな本を集めてみました。

 

アイルランド冬物語―晩秋、クリスマス、そして冬の暮らし』(1995年)アリス・テイラー著 高橋豊子訳 新宿書房

まずは、コチラ。

ローラシリーズや田舎暮らしが好きな方ならきっとこれはお好きかと!

派手なストーリー展開があるというわけではなく、50年前のアイルランド南部の牧場暮らしが淡々と描かれているのですが、なんともいえず心温まるんですよねえ。クリスマスを、冬を迎えるのに、それこそ長い長い準備期間、支度があるわけです。ガチョウの羽をむしっておいたり、煙突掃除をしたり。その準備の一つ一つが愛おしい。丁寧な暮らしって、大変なんだろうけど、もうこういう生活がある、あった、というだけでいいなあ、ってしみじみ思います。

 

 

飛ぶ教室』(2014年)エーリヒ・ケストナー作 池内紀訳 新潮文庫

1930年代のドイツの寄宿学校を舞台にした、クリスマスの物語。ケストナーはちょっとクセがあるのと、訳もちょっと読みにくいと思う人もいるとは思うのですが(うちの息子はそう)、私はこの物語大好きでした。少年たちの友情やまっすぐな思いに胸打たれ、クリスマスになると読み返したくなる物語です。岩波少年文庫からも出てるので、お好みで。

 

 

お次は、たくさんの出版社、さまざまな訳、挿絵が出ているこちら。どどーん! ↓

有名すぎると、別にいま自分が読まなくてもいいかなー?なんて思って後回しにしたりすることってありません?私だけ?映画化や舞台化やオマージュされることも多く、なんとなく読んだ気になっていたけれど、読んでみたらやっぱり名作は名作で、グイグイ引き込まれます。ストーリー知っているのに。

やはり一度は読みたい物語で、人が改心する(笑)クリスマスのマジックってやっぱり偉大だなあ、ってほっこりします。これが、かげながら誰かが誰かを思っている“思い”の力、“祈り”の力なんでしょうね。

 

既に読んだことがある方には、講談社英語文庫の英語バージョンもオススメ。TOEIC470点レベルから読めるそうで、親切にも解説付き↓

 

 

いやあ、そりゃ読みたいけれど、この時期はほっっっんと忙しくて。って方は短編はいかがでしょう?短編の名手といえば、ロバート・ウェストール。ウェストールの描くクリスマスの物語はどちらも短いのに、余韻が残る素敵な物語です。過去記事をどうぞ↓

matushino.wixsite.com

 

jidobungaku.hatenablog.com

 

こちらも短編ながら、大大大好きな物語。短くても心の深いところに響きます。過去記事をどうぞ↓

blog.goo.ne.jp

 

クリスマスまであと2週間を切りました。

みなさま素敵な時をお過ごしくださいませ。