Pocket Garden ~今日の一冊~

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あの炎上事件について

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伝え方なんて、色んな方法があっていいのになあ。それぞれの人が、自分に合ったやり方で伝えればいいのにな。

 

今回のとても興味深い炎上事件で、改めてそう思いました。

 

何の炎上かって?コチラです↓

news.yahoo.co.jp

 

書評家 VS TikToker (まあ、VSと思ってるのは書評家側だけだけど)

 

老害と呼ばれてしまった豊崎由美先生、JPIC読書アドバイザー講座のときの講師のうちのお一人でした。実際お会いすると、ちょっと豪快で、クセあるけど面白い方。ぶった斬るのがこの方らしさ。でもね……私、この方の本を最後まで読み切ることができませんでした(小声)。

 

書評って、届く層が限られているんですよね。もともと本を読む層。それはそれで、もちろんよくて。ただ、違う方法で、違う色で、違う層に伝えたけんご氏を批判してしまったというか、見下したような表現したから炎上しちゃった。

 

“ああ、若者にはこういう媒体だと伝わりやすいのね、私たちも自分たちのフィールドでがんばろっ!”

 

って言えばよかったのになあ。“HELP EVER HURT NEVER”(常に助け、誰も傷つけない)、略してHEHN(へん)精神で。あ、すみません。HEHNは、影響されまくっている藤井風のアルバムのタイトルです(笑)。

 

みんながいい人じゃ世の中ツマラナイから、毒舌な人は基本的に好きなのです(って自分も毒舌だからかもだけど)が、公の場で言っちゃうのはやはり考えもの。けんご氏が今回の件で、TikTok休止してしまったのは本当に残念。彼のおかげで、本という世界にはじめて触れられた子どもたちが、どれだけいたことだろう。語る熱量はすごいのに、短いからから、押しつけ感も少ない。だから、読みたいという気になるんですよね。

 

まあ、TikTok売れ(というそう)に課題がないわけではなくて。豊崎先生が指摘するように一時的な嵐的な面もなきにしもあらずで、流行ではなく、本当に長く良いものを売って行きたいと思う人にとっては顔をしかめるかもしれない。TikTokって、短いのでしゃべるスピードは早いし、なんだかめまぐるしいしで、私たち世代は受けつけない傾向にあるかも。でも、若者には届く。けんご氏が紹介している本はライトノベルが多いけれど、でも、記事にあるように30年前の筒井康隆の小説も爆発的にリバイバルヒットさせちゃう。どこまでも、入り口の敷居を低くしてて、素直にすごいなあと思う。だって、本がどこに売ってるかも知らない層(←ビックリ)にまで届けちゃうんだから。けんご氏がTikTokという媒体を選んだ理由、それは、

 

YouTubeは、サムネイルとタイトルを見て自分でタップして再生することが多い。それだと、興味のない人は本の動画を見ません。でもTikTokは、オススメ機能でランダムに流れてくるので、僕の工夫次第でいろんな人に情報を届けられるかな、と。現状、小説に限らず、商品を薦めるにはTikTokが一番適したSNSだと感じています」

 

だそうで、なるほどねえ、と感心するばかり。インタビュー全文はコチラ↓

news.yahoo.co.jp

 

だからといって、TikTokに向いてない世代の人たちが、がんばってそちらに行く必要はなく。感心感心、とそれぞれが自分のフィールドで届けたい気持ちですればいいだけ。

 

素晴らしい文章でレビューを書く人たちから見ると、私なんかも浅いとか軽いとか思われるんでしょうけれど、目的は誰かにその一冊を届けることだから。売れない、届かない、と愚痴ってる方々、果たしてけんご氏のように工夫してるか。工夫してても届かないのなら、その工夫は独りよがりで、相手の目線まで下りてないのかも?私自身も、工夫が足りないなあ、って反省しました。まだまだ、できることありそう!

 

必要としている誰かに届くといいなあ、と思いながら、これからもコツコツとブログで本の紹介を続けていこうと思います!