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今日の一冊は、ちょっとミステリアスな雰囲気をまとったコチラ。
秋のもの悲しさってなんか、ミステリーが似合いますよね。いや、まだ夏?ってくらい暑い日もありますが(笑)。
とはいえ、個人的にはドキドキハラハラが大の苦手だし、コワがりなのでこの分野は得意ではなく......食欲の秋のほうに走るわけです(笑)。どれだけ、こわがりかというと、推理小説は結末から読んで安心してから、最初に戻って読むという禁じ手を使うくらい苦手←これで、推理小説好きの兄からはめちゃめちゃ呆れられたなあ。
そんな、私みたいなミステリー系が得意でない人でも楽しめるかなと思うのが、ニュージーランドの作家でカーネギー賞や国際アンデルセン賞など受賞しているマーガレット・マーヒーの物語です。
マーヒーって魔法を扱ったものが多いのですが、いわゆるハリポタ的な魔法ではなく、日常の中に、ごく普通の人に見える人の中で展開される魔法なので、やたらとリアリティがあるんです。ああ、こういうことって、私の見えるところで行われていないだけであって、あるのかもな、って思わせる。だから余計に、ひやりとする。
そんな怖いのが苦手な人にもオススメのマーヒーですが、一つ言わせてほしい。
なんで、なんで、オカルトチックな表紙を採用してしまう!?原書の絵がオカルトチックで、日本版に代わって表紙絵が佐竹美保さんに代わると、少しオカルトチックさは軽減されてるけど、でもやっぱり、怖がりには手に取りづらい……。こういうのとか↓
さて、内容のほうなのですが、ミステリアスな部分は読み進めていくうちに判明する楽しみがあるので、多くは語れません。でも、個人的に受け取ったメッセージは以下の3つ。
まず、
誰でもありのままの自分を表現したい、受け入れてもらいたい
ということ。ここからしか、世界がよくなることにはつながらないんだな、って。
そして、次に
想像力の力は無限
ということ。魔法も卓越した想像力とそう違わないのかもしれない、そう思わせてくれる物語なんです。
最後に、
平凡に見える人にも、食い止める力(愛)がある
ということ。私なんか、何もできない、と思ってる人。いやいやいやいや。一人の平凡な人の家族を愛する気持ち、これに勝るものはないのかも、そんなこともこの物語は感じさせてくれます。母なる愛。ふっと飛んでいきそうなものをつかみ、地に足をつけてくれる。
抽象的すぎて何のこと言ってるか分からないですよね。
この3つのテーマを、足音がやってくるというヒタヒタとした恐怖を通して、この物語は描いてくれた気がしています。秋の夜長にマーヒーはいかがでしょう?