Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

はじめての文学シリーズ

f:id:matushino:20210820200012j:plain

『はじめての文学 村上春樹』(2006年)村上春樹著 文芸春秋

 

※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中!

(できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑)

 Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪

 

これだけ周りにハルキスト(村上春樹の熱烈ファン)が多いと、大声で言いづらいのですが(ってブログに書いてるけど)、実は、自分は春樹ワールドと相性が合いません……。

 

人間と同じで、本にだって相性はあるのだから、別におかしなことではないのだけれど、落ち込む。良さが分からない自分に落ち込む。あんなに世界的に認められてる人の物語の良さが分からない(というか最後まで読めない)自分は、本の感想ブログなんて書く資格ないんじゃないか、とすら思ってしまう。うー。

 

そんな村上春樹が、いま高1長男のクラスで人気だそう。

長男は、本が好きじゃないけど、とりあえず友だちにすすめられたから、と夏休みに学校図書館から借りてきたのが、今日の一冊です。

 

ちなみにこれ、シリーズもので、ほかにも川上弘美よしもとばなな浅田次郎宮本輝重松清などがあります。小学生でも読めるように書いてあるので、文字は大きめだし、ルビもふってある。他の人のは未読なので分からないけれど、村上春樹のは短編集で、そのほとんどがナンセンスものです。

 

ああ、私ナンセンスものもこれまた苦手というか、相性が合わないんです。

ナンセンス文学の存在意義は、分かるつもりでいるんです。壊すこと、意味をなさないことの大事さ……ありますよね。ただ、いかんせん相性が合わない。ナンセンス文学について分析してたり、論じていたりするものは好き。けど、ナンセンス文学そのものを自分自身が楽しむことは、難しいんだなあ。『不思議の国のアリス』も最後まで読めない人……。

 

ま、そんなこともありますよね(開き直りっ)。

 

こちらの『はじめての文学』では、著者自身があとがきで、一つ一つの物語にコメントしているのですが、著者自身はあまり気に入ってないというか、自分らしくないと感じている話が、私には一番面白かったです。これ読んだら、少しは春樹コンプレックスが解消されるかと思いましたが、加速しただけでした(笑)。

 

なぜ、自分はナンセンス文学が苦手なのか、もうちょっと追及していこうと思った2021年夏。自分からでは手に取らなかったので、ありがとう、長男。