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今日は夏至ですね。
色んな物語の中で、夏至は特別な夜として描かれていて、子ども心にも何か神秘的なものを感じていたような気がします。
枕の下にある植物を入れて寝ると将来の結婚相手が分かるとか、この日に摘む薬草は特別だとか。
夏至の日には、何か特別なことが起こる……。
人間と人間界以外の世界、自然だったり、スピリットだったりの境が曖昧になって、色んな世界がぐっと近くなり、混在する……気がする。
なんだか、ムズムズ、ワクワク、そしてちょっぴりゾクゾクするんですよね。
というわけで、今日の一冊は、ムーミンシリーズの中から、ムーミン谷の夏まつりをご紹介。シリーズ5作目ですが、どこから読んでも大丈夫。ま、多少登場人物がよく分からないということはあるかもしれませんが。
今回も面白かったなあ。子どもの頃に出合っていたかったなあ。
子どもの頃の私にとってのムーミンは、アニメで、あまり興味なかったんです。惜しいことをした。だってね、ムーミンを読むと、もう彼らの世界が存在しているとしか思えないんです。心のどこかに彼らの世界を持つ、それはとっても大切なことのように思う。
さて、今回もストーリーは突拍子もないですよ~。
火山の大噴火でいきなり大洪水が押し寄せ、ムーミンたちの家は水没してしまいます。
でも、めげないというか、飄々として、状況を楽しんでさえいる彼ら。変にポジティブなわけでもなく、いつだって自然体なのが何ともいえずいいんだなあ。
とはいえ、水面はどんどんあがってきて、いつまでも家にはいられない。そこへ、流れてきたのが、なんと……“劇場”!彼らは、ぷかぷか浮いて流れてきた劇場へと住処を映します。ところが、ムーミン一家をはじめ、そこに移り住んだ面々は、劇場がなんたるかを知らなかったから面白い。
そして、ある日。途中、木の上で寝ていたムーミンとスノークのおじょうさんを置いて、劇場だけ流されてしまい、ムーミンとスノークのおじょうさんは家族と離れ離れになってしまうんです。もう、びっくりですよ。
悲しいとかいいつつ、動じないで楽天的なムーミンママ。すぐにごっこ遊びに切り替えて、のりきっちゃうムーミン&スノークのお嬢さん。
これですよ、これ!人生、みな自分が主人公のお芝居なんですから、楽しんじゃえばいんです。困難を乗り切るには、芝居にしちゃうのが一番!
そして、夏至の夜。
ムーミンたちのおかげで、ムーミン谷の夏至を味わうことができました!
夏至といえばこちらも大好きでした!
いかにもヴィクトリア朝後期のイギリスって感じが好き。でも、絶版なんですよね。図書館で見つけたら、ぜひ。↓
そのほかにも、上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』の中でも、夏至は特別な日でしたよね。夏至が出てくるおススメの物語があったら、ぜひ教えてください。
みなさま、素敵な夏至の夜を。