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今日の一冊はこちら。
2019年の本屋大賞となり、今年の秋映画化される話題作。
話題作ってあまり読まないのですが、美味しそうな食べ物が出てくると聞いて、手に取りました(笑)。
私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。
高校二年生の森宮優子。
生まれた時は水戸優子だった。その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。
名付けた人物は近くにいないから、どういう思いでつけられた名前かはわからない。
継父継母がころころ変わるが、血の繋がっていない人ばかり。
「バトン」のようにして様々な両親の元を渡り歩いた優子だが、親との関係に悩むこともグレることもなく、どこでも幸せだった。(出版社作品紹介より)
読んだ感想は、あ、あれ?みなさんが言うほど……。
あー、やっぱり私は話題作とはあまり肌が合わないかも。
すっかり児童文学体質になってしまっている今日この頃。何かが物足りない。
素直に感動できなかった自分も悲しい……でも、ま、そんなこともありますよね。
淡々と書かれていて物足りないという感想もよく見かけましたが、それを言ったら淡々さにかけては、児童文学も負けてない(笑)。
うーん、なんだろう。面白い設定だなあ、とか思ってしまって、追体験しているというよりも読者として離れてみている感じがしてしまったというか。
でも、親がひんぱんに変わることを周囲は心配しても、主人公は気にしてないところとか、すごく好きでした。
こういう状況、環境だったらかわいそう、って周りが決めるな!って思うから。
周りが思うほど、本人は不幸じゃないってことありますよね(逆もあるけど)。
そこが、現実的でないと感じる人もいたみたいだけれど、私は、そこはすごく好きだった。
あとは、無理してでも主人公が義理の父である森宮さんの料理を食べきるところ!
こういう人大好き。食べ物残さないの、大事。
別の話題作で、せっかく物語も出てくる食べ物も好きだったのに、主人公がお上品なつもりなのか、当たり前のように食べ残すところが許せなかったことがあるんですよね(笑)。美味しいとか言いながら、残すなー!、って。
昔から、かわいい女の子たちが、“おいし~い、おなかいっぱい♪”と平気で食べ残したり、“ひとくち交換こしよー”とか言って、そんな少しじゃワカラナイだろうというくらい、カスかと思うくらいのかけらを取って“おいし~い♪”とかいうのにイライラしてた質なので、そういうの許せない(笑)。美味しそうに、豪快に食べる人が好きです!
さて、そんなこんなで物語には、いまいち入り込めませんでしたが、それでも読み終えたあと、
“ああ、家族に笑顔になってもらうために料理を作れるって幸せなことなんだ。何作ろっかな”
という気持ちにさせてくれたので、読めてよかったです。
毎日、毎日もう何料理したらいいか分からなーい。
あー、今日は作りたくないっ!
と思ったら、この物語はおすすめ。
疲れて帰ってきても、優子のために頑張って料理を作る森宮さんがえらすぎて、あー、たまには誰か作ってよー、なんて思っちゃう自分が恥ずかしい。
誰かのために作る喜びを思い出させてくれる、そんな物語でもありました。