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今日の一冊はこちら!
迷える人、人生の中でいくつも“問い”を持っている方に差し出したい一冊。
私自身がこの一冊と出合ったのは、次男が生まれてすぐだったので、もう10年以上前になるのですが、最近人におススメする機会が多くなり。
そのような状況を全く知らないじいじから、つい先日「これ読んでみたら」と違う出版社バージョンのものを手渡されるというシンクロ。
これは、もうブログでも紹介せよ、とのことでは!?
というわけで、今日の一冊はレバノンの詩人であり哲学者、画家でもあるカリール・ジブランの『預言者』です。
ちなみに、じいじが持ってきたのはこちらのバージョン↓
原書は1923年出版なので、なんたるロングセラー!!!
様々な出版社から翻訳が出ていて、ハリール・ジブランと表記されることもありますが、同一人物ですよー。
これはねえ、もう、読み返したくなる手もとに置きたくなる一冊。
私が好きな装丁は文庫本よりも少し小さめのポケット版(トップ画でご紹介しているもの)です。
散文詩なのですが、愛、子ども、働くということ、喜びと悲しみ、自由、善と悪、祈り、死など、人間の普遍的テーマ26項目について深く語られているんです。
どこから読んでもいいので、その時々の気分や自分の中の問いによってページを開くもよし。
まるで、聖書を読んでいるみたいなんです。
固い?ええ、そういう意味では固いです。
さらっと読めるというよりも、なんていうんでしょう……重厚感。
実は私、詩が苦手というか、あまり深く心に入ってこないんですよね。
でも、こういう普遍的テーマは軽い言葉では語れないんだなあ。
魂に響くものって、重みがある。
出合ったときは知らなかったのですが、20世紀のアメリカでは聖書の次に多く読まれたんですって。
そういえば、“マンチェスター ラプソディー”というイギリスBBCのドロドロ恋愛ドラマにも結婚式で、ジブランの詩の中から「子育て」のところが朗読されて、おお~!と一人で盛り上がったんですよね(←重厚感どこへやら?急に世俗的笑)。そのときは、その興奮を誰とも分かち合えなくて寂しかった(笑)。
日本では、まだまだ知名度は低い気がするのですが、アメリカの知識人家庭には必ず一冊はあると言われているんだそう(船井幸雄さん談)。
今の私には響くのは子育て関連のところですが、その時々によって響くところが変わってくるんだろうな、と思うと楽しみです。
自分の中にどんな“問い”があるかで、めくりたくなるページが変わってきます。
人生は迷いがあるから、学びがあり、面白くなる。
“問い”は人生を深めてくれる。
ぜひ。