Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

親が本好きなら子どももって本当???

f:id:matushino:20200720191036j:plain

 

※毎週月曜・金曜の19時(ちょっと遅れることもあり💦)更新中!

Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪

 

今日は「子どもと見る風景kodomiru」さん主宰のzoom講演会でした。お話してくださったのは、子どもの本の翻訳家で「このあの文庫」主宰の小宮由さん。

 

小宮さんのお話を伺うのは3回目ですが、いつも根っこの部分に立ち返らせてもらえます。ついつい私たちは枝葉の部分の話ばかりしがちですが、そもそもという根っこの部分。

 

以前まとめたものはコチラ↓

matushino.wixsite.com

 

さて、質疑応答の中で、個人的に気になったものが二つあったので、それについて今日は述べてみようと思います。

 

 

 

1.本は読まなくてもいい?読まない子はどういう経験をしたらいいのか

 

本を読んだら人生が豊かになる。これは本当にそうだと思うんです。だから、読まなきゃモッタイナイ!

 

でもね、本を読まないから人生は豊かにならないか、というとそれも違うなあ、って。そんなこと言ったら、読書嫌いうちの子たち(読み聞かせは大好きですが)は全否定された気分です(笑)。でも、実際には母である私なんかよりも、彼らはずっとずっと豊かな感性と人生を送ってる。大人である私は彼らから教えられることばかり。

 

“本を読む子=生きる力のある子”

であることが多いのは確か。

 

だけど、

“本を読まない子=生きる力のない子”

ではない!!!

 

五感をフルに活用してたら、本という体験じゃなくてもいいんだと思います。特に自然と触れ合ってたら、そこから得るものは大きい。

 

私が魅力的だなあと思う著名人の人たちも、子どもの頃の話を聞かれると

「本なんて読んでる暇なかったよ。そもそも本自体あまりなかったしね。野山を駆け回っていたよ」

という回答の多いこと!

 

そして、その自然は大自然じゃなくてもいいんだと思います。レイチェル・カーソンの名著『センス・オブ・ワンダー』にもあるように、たとえマンションにいたって風を感じることができる。植物を育てることができる。葉っぱ一枚からだって、虫一匹からだって、そこには宇宙が広がっていて、子どもたちが受け取るものは大きい。

 

ただ、やっぱり思春期の長男(中3)なんかを見ると、本に出会えてたら、もっと生きやすくなるのになあって感じることはたくさんあります。誰にも分ってもらえない、世界中から疎外感を感じるとき、「そんな君に寄り添う本があるよ!」と知ってもらえたらなあ。

 

押しつけがましくならないよう、周りに本があるという環境だけは整えておきたいと思います。

 

 

2.親が本好きなら子どもは本好きになる

 

これは、「どうしたら子どもが本好きになるでしょうか?」と言った質問の問いに対して、よく言われる答えです。私が大好きな方々もみなさんこうおっしゃいます。

 

でも……うち、ならないんですけどーーーー(笑)!

 

親が楽しそうに読んでる姿見せたらっていうけど、断然YouTubeの魅力のほうが勝ってます。

 

だからってね、あきらめちゃいかん、と思ってます。

と同時に、本好きにするのが目的じゃなくて、豊かで幸せな人生を送ってもらうのが願いなんだから、そこさえブレなければ、とも思います。だから、私も子どもと一緒にYouTubeも楽しみます。けどね、

 

蒔かない種は刈り取れない

 

というわけで、本がある環境は整えてます。もうね、本当にいい本って中身読まなくても囲まれてるだけでも、力もらえる気がするんです。そして、大事なのは期待せず待つことなのかな、って。期待は価値観の押しつけになりがちだから。

 

例えば、うちの夫なんて、ほんとーーーーーに本を読んでこなかった人でした。ビジネス書以外。私が児童文学と再会して、その奥深さに開眼して、その良さをどんな熱量をもって語っても響かなかった夫。ああ、この人はもう読まない人なんだなとあきらめました。

 

それがですよ!結婚して20年目ですよ!急に自分の課題として児童文学を読み始めた。もうびっくり。期待を手放したのがよかったのかな、と感じています。

 

一方で、子どもたちはまだ20年も生きていない。どこで、どう変わるか分からないですよね。

 

そんな中、お友だちが教えてくれたROTH BART BARONというバンドの三船雅也さんの本に関するインタビューがとても興味深かったので、ご紹介。

三船さん、小さい頃は本が大嫌いだったけれど、家には本がいっぱいあった、と。ああ、本に見守られていたんだなあ、って感じました。三船さんの選んだ本も興味深いので、こちらのインタビューもぜひ↓

 

honcierge.jp

 

 

本を読まないからって、焦る必要もないし、自分の価値観を人に押し付ける必要もない。でも、種は蒔いたらいつかは刈り取れるかもしれない。

だから、種まきだけは続けていきたいと思います!