Pocket Garden ~今日の一冊~

大人も読みたい、大人こそ読みたい、大人のための児童文学の世界へご案内

絵本から学ぶ共生社会

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『わたしはあかねこ』(2011年)サトシン作 西村敏雄絵 文渓堂

今日の一冊は、児童文学ではなくて絵本から。

共生ってこういうことなんだ!ということを、実感させてくれる一冊です。

 

実はこれ、中2(4月から中3)の長男にすすめた本なんです。

 

突然早まった春休み…ではなく、休校。それにともない、長男の学校では生徒主体で、『平和で持続可能な社会づくりのための学び』という企画が立ち上がり、6人の各分野での専門家のビデオメッセージをオンラインで見るという試みがなされました。

 

長男が選んだのは、ジャーナリスト安田浩一さんの『共生社会に向けて』という動画。これに関連する本を読んで感想を書くのですが、なんせ読書が苦手なうちの子。「おすすめの本ない?」と聞かれ、そりゃたくさんあるけれど…課題提出日までに残された日にちは…後1日(←ちょっとぉー、もっと早く聞いて~)。

 

短くて、本質をついていて、でも追体験もできる。それがこの絵本でした。

これなら、後1日でも読める!

 

内容はこんな感じ。

白猫かあさんと黒猫とおさんから生まれた子どもたちは、あかねこ以外は、みーんな白や黒。みんなは一人毛色の違うあかねこをかわいそうだと思って、あの手この手で黒か白にしてあげようと試みるんですね。

かわいそうなんかじゃないのに......。

 

でも、あかねこが素晴らしいのは、自分だけはありのままの自分が好きだったこと。

だから、家族のことは好きだけれど(←ここがいいんですよねえ)、家を出ることにしたんです。自分らしくいたかったから。

 

自分らしくいることを選ぶのは時に痛みを伴う。

でも、その結果どうなったか。

 

遠い町で、あかねこはあおねこくんに出会うんです。

あおねこくんは、そのままのあかねこをきれいだと思ったくれた。

 

そして、ふたりの間に生まれた子どもたちは???

 

なーんと、あかねこちゃん、だいだいねこちゃん、みどりねこちゃん、あおねこちゃん、あいいろねこちゃん、むらさきねこちゃん!!!

 

カラフルな色が並んだ家族が屋根の上で虹(レインボー)を眺めている姿。

そして、裏表紙はあかねこちゃんの実家にみんなで帰る様子が。

 

違うは素敵。

違うが集まると虹になる。

 

自分の価値観に当てはまらないと、その違いを勝手にかわいそうと思ってしまいがちな私たち。

 

共に生きる。

短いお話ですが、あかねこが私たちに教えてくれるものは大きいお話でした。