今日の一冊は、児童文学ではなくて絵本から。
共生ってこういうことなんだ!ということを、実感させてくれる一冊です。
実はこれ、中2(4月から中3)の長男にすすめた本なんです。
突然早まった春休み…ではなく、休校。それにともない、長男の学校では生徒主体で、『平和で持続可能な社会づくりのための学び』という企画が立ち上がり、6人の各分野での専門家のビデオメッセージをオンラインで見るという試みがなされました。
長男が選んだのは、ジャーナリスト安田浩一さんの『共生社会に向けて』という動画。これに関連する本を読んで感想を書くのですが、なんせ読書が苦手なうちの子。「おすすめの本ない?」と聞かれ、そりゃたくさんあるけれど…課題提出日までに残された日にちは…後1日(←ちょっとぉー、もっと早く聞いて~)。
短くて、本質をついていて、でも追体験もできる。それがこの絵本でした。
これなら、後1日でも読める!
内容はこんな感じ。
白猫かあさんと黒猫とおさんから生まれた子どもたちは、あかねこ以外は、みーんな白や黒。みんなは一人毛色の違うあかねこをかわいそうだと思って、あの手この手で黒か白にしてあげようと試みるんですね。
かわいそうなんかじゃないのに......。
でも、あかねこが素晴らしいのは、自分だけはありのままの自分が好きだったこと。
だから、家族のことは好きだけれど(←ここがいいんですよねえ)、家を出ることにしたんです。自分らしくいたかったから。
自分らしくいることを選ぶのは時に痛みを伴う。
でも、その結果どうなったか。
遠い町で、あかねこはあおねこくんに出会うんです。
あおねこくんは、そのままのあかねこをきれいだと思ったくれた。
そして、ふたりの間に生まれた子どもたちは???
なーんと、あかねこちゃん、だいだいねこちゃん、みどりねこちゃん、あおねこちゃん、あいいろねこちゃん、むらさきねこちゃん!!!
カラフルな色が並んだ家族が屋根の上で虹(レインボー)を眺めている姿。
そして、裏表紙はあかねこちゃんの実家にみんなで帰る様子が。
違うは素敵。
違うが集まると虹になる。
自分の価値観に当てはまらないと、その違いを勝手にかわいそうと思ってしまいがちな私たち。
共に生きる。
短いお話ですが、あかねこが私たちに教えてくれるものは大きいお話でした。